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税理士が最近Claudeばかり使うようになった理由

東京で税理士事務所を15年運営しています。スタッフ数名の小さな事務所です。生成AIツールはChatGPT、Gemini、Claudeといろいろ試してきましたが、最近は気づくとClaudeばかり使っています。

実は今年の初めころまで、生成AIはGeminiを中心に使っていました。Geminiもかなり便利だなと思いながら使っていたのです。

ただ、2月の中旬ころに、MacだけではなくWindowsでも「コワーク」(Claudeのデスクトップエージェント機能)が使えるという情報を見て、以前から気になっていたClaudeを使ってみたいと思うようになりました。ずっと「エージェント」と呼ばれるものが使えれば、ファイルに対して直接作業をしてもらえて便利になるのではないかと考えていたので、この機会に試してみようと思ったのです。

実際に使ってみると、想像を超えて便利でした。気づけばほとんどClaudeばかり使うようになってしまいました。

正直なところ、コワークもまだあまり使いこなせていませんし、Claudeの機能全体から見てもほんの一部しか活用できていないと思います。それでも、自分で感じた「ここが便利だな」というポイントを少しだけご紹介したいと思います。


1. GmailやSlackと連携して、情報を探してきてくれる

税理士の仕事では顧客との間で「あの件、どうなってましたっけ」ということもよくあります。

ClaudeはGmailとコネクタという機能で連携できるので、「○○さんとの最近のやりとりを確認して」と言うと、過去のメールを検索して流れをまとめてくれます。顧客から急ぎの相談が来たときに、直近のやりとりの文脈をClaudeが把握した上で対応を一緒に考えて調べたりしてくれるのは、本当に助かります。

たとえば先日、顧客から組織再編の相談がメールで来たとき、Claudeにメールを検索してもらったら、3か月前の確定申告時のやりとりまで引っ張ってきて、関連する論点を整理してくれました。過去に自分で調べて整理し、回答した内容なのですが、時間がたつとどの顧客からどのような質問をされてどのように回答したかが混ざってしまうこともあります。自分で過去メールを探しながら確認していたら30分はかかる作業です。思い出すのに時間がかかってしまうのです。

Slackもコネクタでつなぐと、チャンネルのやりとりを直接見に行ってくれます。「あのチャンネルで先週何か連絡来てたっけ」と聞けばすぐに確認してくれるので、複数のツールを行ったり来たりする手間も減りました。

2. コワークを使えば、ファイルの整理までやってくれる

Claudeには「コワーク」というデスクトップアプリがあります。最初はこれを使いたくてClaudeを始めました。これを使うと、パソコンのフォルダにあるファイルを直接操作してくれます。もちろん勝手な操作はせずに必要なことをこちらに確認を取りながら進めてくれるのですが、チャットにアップロードしなくても、フォルダの中身を見て、ファイル名を変えたり、整理したり、中身を読んで要約したりしてくれます。普段はストレージとして主にNASを使っているので、PCのローカルフォルダ限定なのが少し残念ではありますが、「この書類をまとめて名前変えておいて」みたいな作業を頼めるのは地味に大きいです。また、Claudeが自分で作成したファイルをそのフォルダに保存してくれますし、内容を直してもらったときはそのファイルをそのまま差し替えてくれます。チャットでアップロードやダウンロードをしなくてもいいのはとても便利です。

3. 間違いを素直に認めてくれる

これは意外と重要なポイントです。

生成AIに質問して、回答が怪しいと思って「本当にそうですか?」と聞き返したときに、Claudeはもう一度ちゃんと調べ直したうえで間違っている場合には自分の間違いを認めてくれる確率が高いと感じています。わざわざもう一度聞きなおすのだからそれなりの理由があるのだろうと考えているかのようです。すぐに「どのあたりが気になりますか」と聞かれ「○○だからこうなるのではないですか」というと「確かにおっしゃる通りです。検証したところ先ほどの回答は誤りでした」と言って修正してくれることもあります。

Geminiの場合、同じ場面で自分の回答を維持しようとする傾向がありました。こちらが根拠を示しても、なかなか訂正してくれないことがあって、結局自分で調べ直し根拠を見つけ出して何度も提示することで初めて「仰る通りです。回答が間違っていました」となることはありますが、すぐに認めてくれることはほとんどありませんでした。

税務の仕事では違和感を感じて「間違いの可能性に気づくこと」も重要です。生成AIがきちんと検証をせずに間違いを認めてくれないと、かなり危険だと思います。

4. コードが動かないときでも原因特定力が段違い

うちの事務所では、Google Apps Script(GAS)でメールの自動振り分けやSlack通知など、いろいろな自動化ツールを自作しています。

先日、メール振り分けボットが「10件検知したのに0件処理」という謎の動作をしていました。Claudeに相談したところ、「デバッグ用のログを1行追加してください」と言われて、その結果を見せたら一発で原因を特定してくれました。

原因は、Gmailの検索クエリで日本語ラベル名が正しく除外されないというGASの仕様バグでした。ラベル名を英語に変更→既存500件を移行→動作確認まで、Claudeの指示通りに進めて30分で解決しました。

実は同じような問題を以前Geminiに相談したことがあるのですが、そのときは解決に至りませんでした。Claudeは「まず仮説を立てて、それを検証するための最小限の手順を出す」というアプローチが上手いのかもしれません。

もう1つ、地味ですがとても心地よいのが、直してほしいところだけが直ることです。「この機能を○○のようにしたい」とお願いすると、本当にその部分だけを変えて返してくれます。関係ない箇所には一切触れないのです。 Geminiでは、修正をお願いすると直してほしいところ以外も変わってしまうことも多くて、修正や改修が思うように進まないことがよくありました。「ここだけ直して」が通じるのは、コードを一緒に育てていく上で非常に大事なポイントだと感じています。

5. 大量のデータを処理しても安定している

これは自分の確定申告の作業をしていて実感したことです。会計の作業では大量のデータを突き合わせてその中から間違いやずれを見つけるということもよくあります。

まず、クレジットカードの明細PDFだけ渡して、期末時点の理論残高を計算してもらいました。これだけでも地味に助かります。ところが実際には帳簿残高と合いませんでした。そこで補助元帳(数千件分)を渡して突き合わせてもらったところ、漏れている取引をちゃんと見つけてくれました。この作業はいつも1時間くらいかけていたものだったのですがなんと10分で終わりました。

もう1つあります。源泉所得税の集計表を毎年手作業で作っているのですが、この集計表と総勘定元帳を突き合わせてもらいました。数千件の中から、ずれている項目をたった4件だけ見つけてくれました。これも毎年1日がかりでやっていた作業が、1時間以内に終わりました。

これは私の推測なのですが、Claudeは大量にデータを処理するとき、まず少量のサンプルで仮説を立て、動作を確認しながらプログラムを組み、それを検証してから本番データに適用しているように見えます。いきなり生成AIが自分で全件を処理するのではなく、プログラムを作って動かしているので大量のデータでも結果が安定するんだと思います。

6. ExcelファイルやWordファイルをそのまま作ってくれる

「こういう表が欲しい」や「こういう文書を作ってほしい」と伝えると、Excelファイル(.xlsx)やWordファイル(.docx)をそのまま作ってくれます。チャットにテキストで出力して「これをコピペしてください」ではなく、ダウンロードできるファイルとして出てくるのがポイントです。

Excelなら関数や書式設定も入った状態で作ってくれますし、Wordなら見出しや表の体裁も整えてくれます。資金繰り表のテンプレートを作ってもらったときは、7シート構成のExcelが出てきたので、少し直せば使えるものになりました。

7. あいまいな指示には、いきなり作らず聞いてくれる

これも地味ですが、実務では大きな差になるポイントです。

やりたいことがまだふわっとした状態で「こういう仕組みを作りたいです」と相談すると、Claudeは選択肢を出して「どちらの方向で進めますか?」と聞いてくれます。いきなり作り始めるのではなく、まず設計を一緒に固めるステップを入れてくれます。

Geminiの場合、同じような相談をすると、すぐにコードを書き始めてしまうことも多かったです。もう少し話しながら設計を詰めたい場面でも、いったん出来上がってから「ここを直してください。」と修正するような流れになってしまいました。そこで前述したように意図しないところが変更されてしまったりするのでなかなか進まないのです。

結果として確認しながら進めてくれることで希望通りのものが早く出来上がることにつながります。


まとめ:生成AIは「賢さ」も大事だが「一緒に仕事がしやすいか」

最終的にClaudeに落ち着いた理由は、「一番賢いから」ではなく「一番一緒に仕事がしやすいから」だと思います。

間違いを認めてくれる。問題が起きたら一緒にデバッグしてくれる。大量のデータでも安定して結果を出してくれる。メールやSlackの履歴を探して文脈を踏まえた回答をしてくれる。方向性が決まっていないときは、いきなり作らずに一緒に考えてくれる。このように質問相手というよりは一緒に仕事をしてくれる仲間のような感覚になると思います。

生成AIツールを選ぶときには「自分の仕事で使ったときに、どれだけストレスなく進むか」を大事にしながら選ぶと業務効率化につながると実感しています。


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