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【学びを遊戯王へ】AIから学ぶTier外テーマで負ける思考~WOOPでセルフコントロール~【認知科学】

◼️はじめに

皆様、noteをご覧に来ていただき誠にありがとうございます。
日々の学びの中から遊戯王に繋がるロジカルを提供できたらと筆をとっています。雑学本を読みくらいの軽い気持ちで読んでいただきたく存じます。
その上で、悩んでいる誰かの何かの一助となれれば幸いです。


◼️人工知能(AI)から人間を考える

【人工知能(生成AI)の基礎】

昨今騒がれている、というよりも"共存しましょう"とまで言われている人工知能は、非常に便利なツールとして我々の生活に馴染みはじめています。人工知能の定義は意外と広く、"人工の知能を模して作られている"いわゆる"人間が考えてるっぽい"のであれば該当するのですが、本noteでは現在使われているchatGPTをはじめとする生成AIを指すこととします。
生成AI(以下AI)は文字通り、文字や画像を生成する人工知能の一種です。AIはディープラーニングという手法を用いて学習しているのですが、これは、ひたすら特定のデータとそれに対する評価を蓄積する学習方法です。問われた情報に対し蓄積データから評価値が良いものから確率的にピックアップして出力しています。
この単純に思える操作は、人間の脳の神経回路を模倣したモデルとなっており、人間の脳の神経細胞は1000億個であることをイメージしてもらうと、処理を膨大にこなすしていることが想像できるかと存じます。そして、ただ大量に連結しているのではなく、幾重にも層として構成されていることで、精度の高い結果を出力することが可能となります。

人間の脳からインスピレーションを受けてAIができているところから、言葉自体や人が言語で伝えようとしていることを理解しているように見えてます。
しかし、実は一つ一つの言葉(記号)の意味すら理解をしているわけではありません。

一般的なニューラル ネットワーク アーキテクチャ

ちょっとイメージしづらいかも知れませんが「神経回路を模している」を簡単に説明させていただきます。1つのニューロン(神経細胞:NEURON)が何らかの情報を受け、信号を出したとします。NEURONは隣接する複数のNEURONと繋がっているのですが、周りのNEURONが信号を受け取る側となります。信号を受け取った各NEURONはその信号をまた別のNEURONに伝達する側として信号を出します。しかし、信号を受け取った各NEURONはその信号をそのまま伝達し合うのではなく、ある一定の基準(閾値)を持っており、閾値を越えない場合、無かったものとして扱います。そして、出力されたりされなかったりした最終的な結果の総意が行動や反応に繋がってくることとなります。

この中でも、無かったことにすると言う操作がやったり、やらなかったりを生み出しており、"人間っぽさ"を作り出しており、閾値を越えた際は逆にその閾値を下げたり、別の信号からの結果を受けて上げたり、信号あまり来ない場合は閾値を変更させるなど、常に調整を行なっています。NEURONは幾重にも連なっていることからそれが自然と階層となっており、閾値を調整することが学習として機能しているわけです。

つまり神経回路を模していたとしても、"入力情報が閾値を超えて生まれた出力"であるだけで、それを"入力情報を理解している"とまでは言えないわけです。生成AIは閾値で区切られた情報により、入力された情報に対して、確率的に正しいであろう出力をしているわけです。

【人も陥る記号接地問題】

さて、ここまでAIについての説明をしてきたのですが、"この学習の仕方は人間っぽい"と感じたでしょうか。
人の言う学習と言えば、例えば勉強をして、それを考えながらさらに別のものに発展させることをイメージするかと思います。なので、先ほど例に挙げたAIの学習とは少々イメージが異なることを感じてもらえたかと存じます。

このことから、会話ひとつ取ったとしても、人が「言われた意味を理解した上で答える」行為と、AIが「意味を理解しない記号を受け取り、別の意味を理解しない記号で置き換えている」行為は全く別物であり、そのことから生まれる「機械(AI)は、人間が言語で伝えようとする本当の意味と意図を理解できない」というギャップが発生し、これを記号接地問題と言います。

つまり、AIのなかでは、単語一つ一つが、経験や感覚に対応づけられていない――身体感覚に「接地していない」――状態にある。つまり、本当は単語一つ一つの「意味」を理解していない。にもかかわらず、あたかも理解しているようにふるまっている、ということです。

『日経ビジネス電子版』(2023年6月29日)から抜粋

「言われたことを理解せず、変な回答をしてくる」という事象は果たしてAIだけの特有の行動でしょうか。記号接地問題は人工知能に関する分野における用語として用いられていますが、子供の教育においても発生します。幼少期の「あの子は何を言っても"ピン"とこない」とか言ったようにです。

現在、成人になった我々が「最初はよくわからない(A)」→「ちょっとずつ違う問題をひたすら解く(B)」→「わかるようになる(C)」という流れは、それまで義務教育の中で幾度となく擦り込んできた反復により体得してきたものです。この擦り込みにより、わからないなーと思っていたとしても「まずは受け入れる」という体制を取ることができるわけです。しかし、例えばAに対するCの報酬を得ることに魅力を感じない人はAの壁がある時点で受け入れることができず、感覚で答えを当てに行く。また、Bの過程をすっ飛ばしている人は物事を点で認識し、想像で答えを当てに行く。これらはもし当たっていたとしてもなんとかくでしかないため、本質に迫ることができません。"本質を理解することができない"というのはAIが確率的に出力している応答の中で発生した記号接地問題と同じです。人間だからと言って誰しもが正しく応答できるわけではなく、記号接地問題を引き起こしているケースもあるわけです。

【記号接地問題が起こす遊戯王への支障】

"本質がわからない"と言う事象は実に厄介で、表面的にあっていた場合、"わかったつもり"になってしまいます。認識が是であるが故にそれを否定することができず、別解を求めることができません。記号接地問題として、人間の学習においてもハードルとなります。

これは遊戯王というゲームにおいても同じです。本質がわかっていない相手に対して妨害を打ったとしても、大して効かないという結果となり、その差分により負けてしまいます。何が原因か理解できていないため、間違っていることがわからず、また勝ってしまった場合は成功体験を積んでいるが故に更に"わからないこと"がわからなくなってしまいます。

記号接地問題は人工知能の中では未解決問題としているわけですが、人間同士は少なくとも意思疎通が明確に取れているところから、記号と現実を接地させ、解決する記号接地アプローチが鍵となります。

【記号接地問題を対策する】

記号接地に向けた第一歩は色々なTier1テーマを使用し、分析することです。月並みではありますが、実際に使用することは記号接地するための種を植え、分析することはその種を育てることと同義です。

まずは基本ルートを覚えて、対人戦を行なってみます。すると手札誘発が飛んできたり、後手から捲りに行く必要が出るのですが、しっかり越えるように動きを考えます。ここまで行くと、Tier1のテーマを使っていたとしても相手が出してくる札の何がキツいのかが明確になります。この時点で「ある程度の分析した」と言えます。

分析まで終わった状態で、好きなテーマを握り、熟練度の高い相手と対峙すます。
分析が終わっているため、ある程度の練度で手札誘発を投げるなどの妨害をすることができます。その中で、相手がそのままエンドしたり貫通するわけですが、ここで「手札誘発1枚当てただけでなぜエンドした手札の状況は?」「手札誘発を当てたのになぜ貫通できる?」と言った疑問を持つことができます。

この疑問を精査することで、手札誘発を受けた時のサブルートを理解する必要が出て来ます。理解した上でさらに走ってみると「後手でもこの状況になったら一矢報いることができる」「ここまでされるとどうしようもない」というところまで理解することができます。「相手の手札にこれがあると仮定した場合・・」と言った具合に思考を巡らせることができます。

こうなった時初めて「だからTier1なんだ」という結論に結びつきます。この「なんとなくTier1である」という認識から「だからTier1である」認識の遷移が記号接地になります。この記号接地している状態で自分が好きなテーマを触ってみてください。すると「Tier外だから勝てない」ではなく「Tier1の弱点をこのテーマでつけば勝ち星を増やすことができる」に昇華することができます。

◼️WOOPを使った目標の調整

ただ単に記号接地を増やすだけでは色々なTier1テーマを触っているだけにすぎません。それでも、楽しいですし、いつか巡り会う一番肌に合うテーマためにはなります。

しかしながら記号接地待ちをするのではなく、その知識を活用した上で勝つのは実に気持ちがいいと私は思っています。
『大会で優勝する』という目標を掲げた時、過去に紹介したPDCAサイクルは少々荷が重かったりする方もいるかと存じます。
なので、今回はもう少し取り組みやすい目標設定手法を解説します。

【WOOPの手法】

WOOPとは「Wish(願望)」、「Outcome(結果)」、「Obstacle(障害)」、「Plan(計画)」の頭文字を取った言葉で、4つのステップからなり、それぞれのステップに対してどう取り組むかを考え、目標の達成率を高めることができるかに注目した手法です。
この手法の中の、起こり得るネガティブ要因を先に分析し、その対処法までを計画しておくという点が、PDCAよりもセルフプランニングしやすくしています。

【WOOPで用いる目標管理の4ステップ】

1. Wish(願望)
まずは、達成したい目標を定めます。ここでポイントとなるのは「簡単に達成できるものではないが、無謀なものではない」という適切な難易度の目標を設定です。
難易度の設定を誤ってしまうとモチベーションの維持が困難となってしまうため、現在の自分の能力で実現できることよりも少し高いレベルを目標とすることが望ましいです。

2. Outcome(結果)
目標が達成できた時にどのような結果が得られるのかを想像し、書き出します。目標を達成することでどのような自分が実現できるのかを具体的にイメージすることがポイントです。
目標が抽象的すぎるなど、結果がうまく想像できない場合、達成に向けて行動するモチベーションを維持することができず、日々の業務に虚しさを感じたり、目標が意味のないスローガンとなってしまう可能性があるため、こうした事態を防ぐためにも結果をしっかりと想像し、見据えることが重要です。

3. Obstacle(障害)
設定した目標とイメージした結果との間にどのようなギャップ(障害)があるのかを考えます。
このステップはWOOPの大きな特徴であり、自分の能力より少し高いレベルで設定された目標には、考え・行動・思い込み・癖・感情など自分の中の課題として、必ず目標達成を阻む困難・障害が存在しているかと存じます。
逆に言えば、これさえ解決することができれば目標達成が実現することを意味するため、設定した目標が適切なレベルであれば、自分自身を見つめ直すことによって、目標達成のために何をするべきかが具体的に見えてきます。
もし、「考えても本質的な問題点を見出せない」や「発見した障害がどう頑張っても解決することができない」などの壁にぶつかった場合は、そもそもの目標設定に問題あると考えられるため、最初の「Wish」のステップに戻って目標を再考してください。

4. Plan(計画)
障害にぶつかったとき、自分にできる行動や考えによって、どのように回避・対処するのかを「if thenプランニング」を用いて計画します。
if thenプランニングとは、「もし、〇〇な状態になったら、△△する」というプランを作成し、あらかじめ行動を決めておくことです。
より具体的な対応策を考えておくことで、行動が明確化されているため、もしもの場合でも実効率があがります。
そうして、行動の中で新たに生まれた細かな課題を解決していくことを継続できれば、目標は自然と達成されます。

◼️最後に

記号接地に至るまでのよくある流れは「ふとした時にピンとくる」というものです。紹介したWOOPはあくまでそれを疑似的に引き起こしているにすぎません。ですので、無理に目標を掲げず、記号接地するタイミングを待つのも良いかと存じます。しかし、種を撒かないといつまでも記号接地することはありません。"Tier外だから負けた"のではなく、"Tier1に対して記号接地問題を起こしている"という認識を持つことが重要だと存じます。

漠然と好きなテーマが環境から取り残され、相対的に弱体化していくことに心を痛めるだけとなるのは、はたから見ていて切ないものがあります。
どうか少しでも抜け出すことができたら、という気持ちで本noteを仕上げております。

「お前が何にも頑張れないのは、自分の大きさを知ってガッカリするのが怖いからだ。だがガッカリしても大丈夫だ。『自分の大きさ』が解ったら、『何をしたいか』がやっとわかる。自分のことが解ってくれば、『やりたいこと』もだんだんぼんやり見えてくる。そうすれば今のその『ものすごい不安』からだけは抜け出せる事が出来るよ。」

『三月のライオン』9巻

本noteで紹介しているような話し(言及しているわけではなく私が勝手にそう思っているだけですが)をこちらのワタルさんが漫画『鷲崎伝』『エピソード・ライ太』で掲載しており、みんなが苦悩しているんだなーと思っている次第です。面白いし、『鷲崎伝』は書籍化もするようなので是非ご一読してみてください。モチベーションが上がるかも知れません。

と言うところで、少しでも本noteがお役に立てていたら幸いです。
他にもいろいろnoteを書いておりますので、よろしければ覗いていただければ幸いです。いいねフォローをしていただけますと私の励みとなりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それではまたの機会に。

参考:『学力喪失』今井むつみ(メルカリリンクあり)

こちらは今回参考にした本です。
以前より度々参考にさせていただいている方の著書です。
今井むつみ先生は心理学者だったり認知科学だったり認知心理学、発達心理学、言語心理学、教育心理学だったりみたいな色々な肩書を持っているがゆえにか、面白いアプローチで子供の発達について本を出しています。

人工知能を研究する分野の人間としては、子供の脳の発達は非常に興味深い内容で、そちら側を研究している人がリーチを伸ばしていることに驚きもあり、新たな発見もでき、素晴らしい取り組みだと思いました。

最近まで未解決問題としてあったフェルマーの最終定理もワイルズ氏によって解明されたきっかけも、近接分野ではあるもののその中でも全然違う方面からのアプローチによるものだったようで、そういった話しがAIの発展に寄与し、よりよく生活が豊かになっていくことを望みます。

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