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瀬をはやみ岩にせかるる滝川を必ず超えて会いにいくから(七夕の歩幅)【毎週ショートショートnote】

川沿いを歩く。てくてくてく。
手のひらで少し湿り気を帯びた短冊を私は握っている。
私は少し足が遅い。屋根の色、空の雲、歩いている猫、全部が愛おしく感じて前に進めないから。

そんな私に合わせて歩いてくれた彼を探している。
私のよそ見を素敵な視点と言い換えてくれた。私は歩くのが少しだけ好きになった。

彼はきっと水辺がすきだから川を歩いていれば会えるはず。私は少し速足で歩くことを覚えた。

まっすぐ目的地に辿り着けない私のために彼は地図を書いてくれた。変わった人だから細長い紙に2本の線を書いて、きっとこの短冊が君を導くよ、なんて気障ったらしく渡してくれた。

でも私ってば、方向音痴だからいつまで経っても会えない。こんなに歩いているのに。川はとうの昔に干上がって瞬き出して星が流れ始めたのに。

流石に私の足も限界だ。こんな地図で会える訳がない。悔しくて裏面に会いたいと書き殴って川に流した。

その先で忘れるはずのない人が短冊を拾い上げていた。

<所感>
1年に一回会う方を優先頂いているため、私の願いは叶いません。

以下の企画に参加しました。割と一発勝負でできた気がします。

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