プレイリストは本棚に反映される6
【ホラー小説は好きなんだけど… 】
吾輩は怖がりである。名前はある。
ホラー小説は好きだが、画像や動画はヒュッッッとなる。『近畿地方のある場所について』を購入したらカクヨム版で回避していた画像もセットだった。良心的である。ヒュッッッ。
【ゾンビ!ゾンビ!!ゾンビ!!!】
最早生活の一部の「異形コレクション」。主にホラー小説の作家を中心に、一つのお題に関して寄稿する短編シリーズである。今回のお題は「屍者」。
以下である。
『近畿地方のある場所について』の作者である背筋氏も「ふっかつのじゅもん」という作品で寄稿されている。
【答えは風のなか】
私がこの短編集で、1番好きなのは久永実木彦「風に吹かれて」である。
人類は死者となった後、ゾンビ風船となってふわふわと浮かぶ時代になった。
遺族は生前とあまり変わりのない家族にとっておきのおしゃれを施し、ゾンビ風船は台に固定されながら、ふよふよふわふわ幻想的に揺れている世界の話である。主人公はゾンビ風船が暮らしている墓地の墓守。
ゾンビといえば腐臭や血みどろ、凄惨な姿を想像しがちだが、この短編は徹底して美しく穏やかな時を過ごすゾンビ達が描かれている。
その代わり生きている人間は生々しい。
「風に吹かれて」
タイトルからわかる通り、この短編の重要な要素はボブディラン「Blowin' In The Wind」である。
反戦や公民権運動などでの集会や行進で歌われる事が多く、ボブ・ディランはプロテスト・ソングのソングライターとして一躍注目を集めるキッカケとなった。
この短編の中では、ゾンビ風船を軍事利用しようとする人間がおり、生きている人間は不穏な状態にあることがわかる。
ボブディランは答えは風の中と歌うが、安寧とは目を離した隙に飛んでいってしまう…ということなのか。
【終わりに】
美しく幻想的なゾンビと、未だ争いが絶えない人間の不穏さの対比があまりにも美しく、単純に表現ができない。非常に好きな話しである。
【余談】
お正月にTVを見ていたら、LOVE PSYCHEDELICOが「風に吹かれて」を歌っていた。とても良かった。
