「ストーリーとしての競争戦略」から学んだ唯一無二の価値の作り方
こんばんは、GW最終日ですね。
昨日のnoteにも書いたのですが、GWはインプット&アウトプットの時間をじっくりとると決めて過ごしていました。
ずっと家にいるよりも気分を変えたかったので、朝カフェに行って午前中の時間を有効活用。
長期休暇の際にいつも思うのですが、こういう時に働いてくださる方がいるから休日が充実するんですよね。ありがたいです。
新宿中央公園にある気になっていたカフェに来ています☕️
— えりまき🎏Eri Imahara|WHOM Inc. (@erimak19) May 5, 2023
本日も素晴らしい休日のスタート📚 pic.twitter.com/2Nzx4j8Sc8
朝カフェ継続して、よかった場所とかまとめてみようかなぁ。
そんなGW期間を使ってじっくり読み進めていた本が「ストーリーとしての競争戦略」。
ご本人も最初に仰っているのですが、526ページというボリュームでさらっと読めるものではありません。
そのボリュームのある内容を順を追って理解していくことにこの本の「ストーリー」が詰まっています。
そのため本書の内容はぜひご自身で体感いただきたいものになるのですが、
読み終わった上での気づきとして、自分の振り返りを含めて得られた学びを残していきたいと思います。
違いをつくって、つなげる
一言でいうとこれが戦略の本質。
もちろん、この一言だけで語れるものではなく、ストーリーを理解したからこそしっくりくるものです。
戦略のベースとなるのは、どのようなポジショニングを取るのか。
その上で他社との違いを作っていくこと。
競争戦略は「誰に」「何を」「どうやって」提供するのかの様々な「打ち手」で構成されています。
この様々な「打ち手」が他社との違いをつくるものでなくてはいけないのですが、個別の違いをバラバラと打ち出すだけでは戦略になりません。
それらがつながって組み合わさり、相互作用する中で初めて長期利益が実現されます。
戦略をストーリーとして語るということは、「個別の要素がなぜ齟齬なく連動し、全体としてなぜ事業を駆動するのか」を説明するということです。それはまた、「なぜその事業が競争の中で他社が達成できない価値を生み出すのか」「なぜ利益をもたらすのか」を説明することでもあります。
SP(ポジショニング)とOC(組織能力)
SP(Strategic Positioning)はどこで戦うか、OC(Organizational Capability)は時間をかけて構築する他社には真似できない利益の源泉となりうるもの。
SPの戦略の本質は「いかに競争圧力を回避するか」という思想。
放っておくと競争圧力をもろにかぶってしまいますが、うまい位置取りをすれば、正面からの殴り合いをせずに済みます。
そういった意味では「無競争の戦略」なのです。
OCは競争を回避するのではなく、競争圧力を受け入れ、それに対抗しようとする戦略です。
「殴り合いはしょせん避けられない、だから受けて立とう、その分他社がまねできないような強力なパンチに磨きをかけていこう」という話です。より「競争的」な競争戦略だといえます。
戦略ストーリーの重要性
競争優位という山に登るには、SPとOCという2つのルートがあり、それぞれの競争優位に対する構えを理解した上でルートを決めていきます。
SPで一時的に成功したとしても、競合他社が追いかけてきます。
そのため、他社には真似できない強力なOCが必要です。
OCは企業の内部に蓄積された能力なので、他社が即座に手に入れられるものではありません。
他社がその能力を手に入れるためには、能力構築に向けた日々の筋トレが必要になります。
ただし、他社も同じような筋トレを続ければ時間はかかっても追いついてしまう可能性があります。
そこで、継続的な競争優位の切り札となるものが「戦略ストーリー」なのです。
思考の順番は終わりから考える
どんな戦略ストーリーでも、エンディングは決まっている。
それは「持続的な利益創出」というハッピーエンド。
ここに繋がるように考えていくことが大事です。
このゴールに向けて、軸足をWTP(Willingness To Pay:顧客が支払いたいと思う水準)の増大に置くのか、コスト・リーダーシップを狙うのか、ニッチでの無競争をもくろむのか、意図する競争優位のあり方を決める必要があります。
倫理のないところにストーリーはつくれない
一つひとつは小さい話でも数多くの因果論理が着実に積み重なって戦略ストーリーの一貫性が出来上がっています。
個別の打ち手だけで見てもうまくいくかどうか、良いか悪いかはストーリー全体の文脈でしか評価できません。
他社のベストプラクティスだけを見て惑わされるのではなく、それを取り巻く構成要素とのつながりの論理をじっくりと追いかける必要があります。
要素を個別にまねすることができても、それが複雑に絡み合った全体をまねするのはずっと難しいということです。
「本当のところ、誰に何を売っているのか」を考える
競争優位はこちらが儲けるための内側の理屈。顧客価値という外側の理屈が成り立たなければ、シュートは打てません。
競争優位と並んで重要になってくるのが「コンセプト」です。
「見たまま」ではないからこそ、コンセプトの定義は難しい。
PCの会社は見たままでいえばPCを売っているわけですが、本当のところ売っているのはPCではありません。
「本当に売っているもの」を考えるとデルとアップルでは異なります。
コンセプトは顧客に対する価値提供の本質を一言で凝縮的に表現した言葉です。
個人的にはこの章がとても好きな内容で、各社の本質となる価値が見れてとてもワクワクしました。
「捨てない人」のライフサイクルを豊かにするブックオフ
例えば、ブックオフは当初は「中古本のコンビニエンスストア」をコンセプトとして中古書店チェーンを全国展開し、急速に成長しました。
ブックオフは初期の段階から中古品ビジネスにおける成功のカギは商品を買ってもらうことよりも売りにきてもらうことだと認識していました。
このコンセプトをもとに「売りにきてもらう人」の目線を重視して店舗作りや仕組みを設計します。
ブックオフは「中古品を安く便利に買おうとする人」ではなく、「いらなくなったものがあるときに賢い選択をすれば生活や心が豊かになるということを知っている人」を対象に価値を提供しているのです。
「捨てない人のためのインフラ」というブックオフのコンセプトには、単なる中古品の小売業ではなく、これまでのゴミ回収やリサイクルといった公的な事業がうまくカバーできなかった社会的な役割を果たしていく会社になるという大きな構想が込められています。ブックオフが本当のところ売っているのは、中古の本やCDといったモノではありません。電車やバスの交通機関のように、生活の中でいつもそこにあり、「捨てない人」にとってなくなると困るようなインフラを提供する。モノが過剰な社会が必要とするインフラを構築することによって、「捨てない人」のライフサイクルを豊かにすることに提供価値の本質が置かれています。
キラーパスとなる「クリティカル・コア」
ゴール(長期利益)へのシュート(競争優位)に向けて、様々なパス(構成要素)を繰り出していく中で「キラーパス」となるのが「クリティカル・コア」です。
クリティカル・コアは戦略ストーリーの優劣を決めるカギとなります。
条件としては「他のさまざまな構成要素と同時に多くのつながりを持っている」「一見して非合理に見える」ということ。
競合他社には「非合理」で「やるべきではないこと」のように見えるが、ストーリー全体の文脈に位置づけると強力な合理性の源泉になる。
これがクリティカル・コアの本質です。
違いをつくっても、それがすぐに他社に模倣されてしまうようなものであれば、一時的に競争優位を獲得できても、すぐに違いがなくなり、元の完全競争に戻ってしまいます。そうなると利益は期待できませんから、簡単にはまねできないような違いをつくるということが戦略の重要な挑戦課題です。
ストーリーの本質は「部分の非合理を全体の合理性に転化する」ということ。一つ一つの構成要素を見るとそれなりに合理的でもきちんとした因果関係がないために、パスがつながらず肝心のシュートに至らないというパターンもあります。
「なぜ」の思考からストーリーを生み出す
優れたストーリーをつくるには、「常識」を疑う姿勢が大切です。
ベストプラクティスの戦略論は「あからさまに良いこと」の集大成です。
どこかにうまい手があるはずだと考えるよりも、小さな疑問から「なぜ」を突き詰める癖をつけた方が筋の良いストーリーを描ける可能性が高くなります。
「なぜ」の積み重ねは当事者の頭の中にしかありません。
情報のインプットが多いほど、常識が強化されます。
キラーパスの効いたストーリーは出来合いの情報ばかり集めているだけでは生まれないのです。
普通のメディアで飛び交っている情報はほとんど頼りになりません。そうした情報の圧倒的大多数は、多かれ少なかれ「最新のベストプラクティス」的な話です。キラーパスは『日本経済新聞』の一面には出てきません。それ自体では「良いこと」に聞こえないからです。
ファクトを抽象化し本質をつかむ
抽象化と具体化を往復することで物事の本質が見えてきます。
大切なのは、思考の推進力はあくまでも抽象化のほうにあるということです。
ケースを使った講義というと、それだけで「実践的でいいですね!」と言う人がいます。現実に起きた具体的な事例を使えば、ビジネスですぐに役立つ「実践的」な知識が身につく、というのです。そういう人に限って、自分のビジネスに「近い」業界や会社の「最新」のケースを読みたがります。
華々しい成功事例であっても、そのまま自社に応用することはできません。そのケースの文脈に埋め込まれた断片的要素にすぎないからです。
具体的な事例の情報は日常生活の中でどんどん入ってきます。しかし、意識的に抽象化をしなければ本質を掴むことができません。
個別のファクトを見るだけでは意味がないのです。
ファクトからつながりを見つけ出し、ストーリーを理解する。そこから戦略思考の支えとなる重要な論理をつかむ。
そして自分の言葉でストーリーをつくることが重要なのです。
一見何の関連もなさそうな業界の事例や、時代遅れに見える遠い昔の事例から、自分のストーリーづくりに役立つさまざまなヒントが得られるはずです。抽象的な論理こそ実用的なのです。
唯一無二の価値をつくるには、ベストプラクティス的な方程式などはなく、様々な要素が構造的に組み合わさって実現していくものだといくことをじっくり読み上げていく上で理解しました。
戦略設計の考え方からストーリーの組み立て方、良いストーリーを考える上での様々なヒントをたくさんの事例から学べる素晴らしい本でした!
Howを中心に書かれているものよりも自分で考えたことを展開できるようなことができる本はやっぱり面白い。
このnoteで書いてあるものは切り取った一部の内容でしかないので、ぜひご自身でじっくり読んでみてください。
ポジショニングや組織能力は自分自身に当てはめて考えることもできるなと思いました。
自分はどんな人になりたいのか、誰にどんなことを伝えたいのかを明確にして届けていく。
組織能力は日々の積み重ね。関わってくださる方との信頼を築いて「私にしかできないこと」を磨いていきます。

