「強制」で不幸を防ぎ「幸せ」を育む
一般的に自由は「幸福」の必須要件である。
「強制」はその対極にあるが「幸福度」の向上に寄与する場合もある。「強制」が「不幸」になるリスクを減らし「幸福」の獲得に役立つ機能を具体的に挙げ、自己の自由、自律を守りつつ、うまく受け容れると役立つ「強制」について述べる。
自由は大切な幸福の要因、ただし自律が条件
一般的に自由に生きられること、
オートノミーは幸福の絶対条件
と言えるでしょう。
オートノミー(autonomy)とは、
自主、自立、自己決定により、
外部からの影響を受けず自分自身で判断し、
主体的に行動すること。
統計的にも幸福度と強い相関があり、
因果関係の存在が推定されます。
ただしこれは自律が条件となります。
自分を律することができる人ならいいですが、
時に自由が不健全な放縦な生き方につながり
不幸に陥る原因となることもあります。
そのような場合には、本来 、
人間にとっては耐えられないくびきである
強制がかえって幸福な人生のセーフティネット
となると思います。
私の親は自由にのびのびと育ててくれましたが、
あんまり 自由すぎて
私という人間が出来上がってしまいました。
もうちょっと強制的な躾があっても
良かったんじゃないか、
と今になって思うことがあります。
逆恨みして、
なんて親不孝の他責な私。
「強制」には幸福リスクを防ぐ効用あり
会社、組織は自由を束縛するが不幸を防ぐ
私のライフワークである
「幸せ」「従業員幸福度」の観点からも
強制には幸福のリスクを取り除く一定の効用
があると考えます。
一般的に組織は「幸福」の大敵である
自由を束縛するものですが、
従業員を様々に「強制」することによって
「従業員幸福度(EH)」を高める
効用もあります。
1.健康リスクの予防
『健康」を損なうのは最大の「幸福」リスク、
不幸に陥る原因であることを
「幸福」を願うなら”不幸を呼ぶリスクを避けよ”
という記事で述べました。
健康診断の義務付けによって
「幸福」の最大のリスクである
「健康」を保つ絶大な効用があります。
自由業、個人事業主、専業主婦では
健康管理が個人の裁量に任されるため、
+++++++++++++++
健康管理を怠って
がん・内臓疾患など自覚症状のない病気
が手遅れになるケースが多い
+++++++++++++++
のです。
会社、組織では健康診断、人間ドック
の義務付けによって
これらの病気の手遅れを防いでくれます。
「健康経営」ですね。
2.良き習慣の形成
8割人間の特徴(原典不詳)
という言葉があります。
パレートの法則(注1*)に則り
2割の人はきちんと自己統制できるが
8割の人は自己統制が不十分というものです。
はい、私のことですね~。
自己統制のためには
良き習慣の形成が不可欠です。
「幸福度を高める特効薬は何か」
と聞かれたら、私は
「良い習慣を身につけること」
と答えるようにしています。
お前が言うなではありますが。
誠に
良い習慣は、着実な幸福への道
であると確信します。
有能な企業人と接する機会を
いただいて感じたことは、
共通した習慣を持っているということです。
私が多くの優秀な企業人から感じたのは、
朝のスタートが早いこと、
課題を先送りせず、すぐに着手すること、
この二つは、
有能で周りから信頼や尊敬を
集めている人に共通して見られる特長
というのが私の経験則です。
私は朝が苦手なので、
まずこの点から落第なのですが。
企業人という範疇でのことですから、
職業分野が異なれば、
違った良き習慣があるかもしれません。
反対に、不幸の元となる悪しき習慣は、
普遍的共通性があるように思います。
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怠惰な習慣、欲望に自制の効かない習慣は、
日々、幸せを削り取っていきます。
×××××××××××××××××××××××××
従業員にとって幸福な組織・職場の条件として、
自由裁量が大きいことが挙げられます。
自由ということは見方を変えれば、
幸福も自己責任になるということです。
テレワーク導入が進み在宅勤務が増えてくると、
余計に習慣の問題が顕在化してきます。
何の規制もない自由は、一見、
自分が幸福になるための完全なる条件を
備えているように思えますが、
自己統制力が問われることでもあります。
良き習慣は身につきにくく、
悪しき習慣ほど改めにくいものです。
とかく会社、組織は規制要因が多く、
従業員が幸福を追求するための障害
になる面もありますが、
強制的に悪しき習慣を払拭し、
良き習慣を身につける点では、
働く幸福を促進する強力な仕組みでもあります。
3.新たな能力開発、キャリア開発につながる
会社、組織に強制されるOJT、研修や異動等が
自分ではわからない潜在的資質、適性の発見や
新たな能力修得、未知のキャリア開発等
新たな「働く幸せ」の機会を拓いてくれます。
この機能をクランボルツの
「計画された偶発性」と呼びますが
キャリア開発上重要な作用です(注2*)。
このような良い機会を秘める強制は、
いたずらに拒否せず、まずは受けてみる
ことを考えてはいかがでしょうか。
宗教による強制が不幸を防ぐ
宗教は信仰がそれ自体「幸福」の母ですが
強制 という点では宗教的戒律も
神や仏が心の内側で人に強いるものですから
強制の最たるものかもしれません。
不幸の極みがあるとすれば自殺だと思いますが
まともな宗教は何らかの形で自殺を禁じています。
キリスト教は自殺に対して
特に厳しい戒律を課すことで知られています。
日本は韓国、ロシアなどと並んで
自殺者が多いことが問題視されていますが、
世界で自殺者が少ない国々と
キリスト教の信者が多い国々の分布は
地図上で見事に重なります。
「良き強制」は幸せを育み不幸を防ぐ
「譲れない」私の自由の砦を明確に
「強制」が役に立つからといって
何でも強制されるに任せる
従属的生き方を推奨するわけではありません。
「ここは絶対に譲れない」という
自分のオートノミーを守る砦を
明確に定めておく必要があります。
上手に強制による他律を取り込もう
逆に自分が弱いと自覚しているところを
うまく補ってくれる「強制」は受け容れて
会社、パートナー等、
統制を他律に委ねるといいと思います。
我々は自分の幸福のために
自由を尊重しながらも
効用のある強制とは
上手に付き合っていきたいものです。
まとめ
自由は大切な幸福の要因だが、自律が条件である
「強制」には幸福リスクを防ぎ「幸福」を促進する効用もある
会社、組織は自由を束縛するが「強制」により「幸福」を促進し不幸を防ぐ以下の3つの機能がある
1.健康リスクの予防
2.良き習慣の形成
3.新たな能力開発、キャリア開発につながる
宗教は強制により不幸を防ぐ
「譲れない」私の自由の砦を明確にしながら
「良き強制」で上手に他律を取り込み、幸せを育み不幸を防ごう
最後まで記事を読んでいただき
ありがとうございます。
今後も幸福に関連する記事を
毎週数回は投稿してまいりますので、
好き・コメント・フォローなど
いただけますとありがたいです。
イーハピネス株式会社 代表取締役 松島紀三男
(注1*)
パレートの法則(Pareto Principle)は、「80対20の法則」とも呼ばれる経済学や社会学でよく用いられる経験則です。この法則は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレート(Vilfredo Pareto)が19世紀末に提唱したもので、全体の結果の大部分(約80%)は、少数の要因(約20%)によって引き起こされるという考え方です。
(注2.*)
J.D.クランボルツ、A.S.レヴィン『その幸運は偶然ではないんです!』花田光世・大木紀子・宮地夕紀子訳、ダイヤモンド社、2005年.
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