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#35 チェコに恋していく私

チェコでの生活にも、
慣れてきた頃。

私は、
トラムに乗るのが大好きになっていました。

リタチカという一年定期を買えば、
トラムは乗り放題。

朝でも。
深夜でも。

プラハの街を走るトラムが続く限り、
どこへでも行けます。

今日はどこまで行こうかな。

目的地も決めず、
ただ景色を眺めながら揺られる時間が好きでした。

お気に入りは、
トラムから見えるプラハ城。

プルタバ川(日本で言われるモルダウ川はドイツ語です♥)を渡り、
旧市街へ向かう景色。

三年間、
一度も見飽きることはありませんでした。

でも、いつの頃からか。

私は景色と同じくらい、
車内の人たちの観察に余念がなくなりました。

新たな趣味。
人間観察。

まず最初に気づいたこと。

お年寄りが乗ってくると、
必ず誰かが席を立ちます。

誰が譲るか相談するわけでもなく、
すっと。
さっと。
スマートに。

じいさんがチェコへ遊びに来た時も同じで、
異国のおじいちゃんにも、
当たり前みたいに席を譲ってくれる。

プラハの若者……
好きすぎて滅!!!

またある日。
ベビーカーを押したお母さんが乗ってきました。

少し古いトラムは段差があります。

すると近くにいた男性が、
瞬時に察知して
秒でベビーカーを持ち上げる。
やるやん!マッチョ!

あまりにも自然で、
「え?ベビーカーじゃん。」
「誰が持ち上げるの?」感が、
微塵もない。

動きが流れる水のごとく。
エレガント。

車内には、
ベビーカーや車椅子の人が使えるスペースも
ちゃんとあるんです。

必要な人が来たら、
自然に空ける。

すぐベビーカー持ち上げる。
誰も嫌な顔をしない。

チェコ男子……
かっこよすぎて滅!!!

そして、
もう一つ。
私が毎回見とれてしまう光景がありました。

犬です。

そうです。
犬なんです。

大型犬も、
小型犬も、
普通にトラムへ乗ってきます。

口輪をした大きな犬が、
飼い主さんの足元で、
ぺたん。

床に伏せて、
じーっと待っています。

吠えない。

暴れない。

歩き回らない。

「中に誰か入ってますか?」
と聞きたくなるくらい、
お行儀がいい。

しかも、
飼い主さんを見る目が、
恋に落ちてる
きゅるんとした瞳。
きゃわ!!!!!

飼い主さんも、
犬を見つめ返して・・・

お互い、
好きすぎるやろ。

犬賢すぎ……
好きすぎて滅!!!

チェコに来てからというもの、
体当たりなこと、多すぎ。
意味分からんこと、多すぎの毎日。

でも、
面白すぎ。

この年で、
初めてにあたふたするのが
堪らない。

頭の回転が追い付かないほど
色んな事が起きすぎて、
気づいたら、
私はチェコに恋していました。

だからもう、
家庭教師の先生の時間は、
毎回、質問の嵐。

先生。
今日もすみません。

聞きたいこと、
大渋滞です。

一旦、
整理してもらっていいですか🤣?

(つづく)


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