寂しく思ったこと
漫画家さんの言動で、
「これはないだろう」と、
とても寂しく思ったことがある。
今思い出しても、
やはり「それはない」と思うので、
書いてみる。
1975年、私が中学3年生のとき、
「週刊マーガレット」で、
木原敏江の新たな連載が始まった。
それは、新選組に材を取った、
『天まであがれ!』。
木原敏江のファンだったので、
毎週、楽しく読んでいた。
だから、ここで私が話したいのは、
内容のことではない。
連載の後半だったと思う。
見せ場ともいうべき見開きのページが、
ずいぶんと荒れていた。
黒ベタのページが、黒ベタになっていない。
まるで吹雪のごとく、
白い点が散在していた。
「あれっ!?」とは思った。
それでも私にとっては、ストーリー展開に
影響がなかったので、
なんとも思わなかった。
連載と少し離れたページに、
木原敏江が、
この件について説明していた。
自分の渾身の見開きを、
印刷会社のミスで台無しにされた。
とても悔しく、悲しい。
憤懣やるかたない。
そんなふうに心情を語っていた。
これを読んで、
私の気持ちはスーッと冷めていった。
「こんなことを言う人だったのか」
そして編集部は、
なぜこれを止めなかったのかと、
不思議に思った。
担当編集者の力量では、木原敏江を
抑えることができなかったのだろうか?
印刷会社の人間だって、
わざとしたことではないだろう。
ミスをした本人は、
どれほど震え上がったことだろう。
気の毒に思った。
それにしても、
印刷ミスが出たページを、
差し替える時間がなかったのだろうか?
普通は差し替えるだろう。
それが不可能なほどギリギリに、
印刷所に原稿を入れたのかもしれない。
最悪のケースとして考えられるのは、
原画の毀損。
そのあたりの説明がまったくなかった。
作風から、もっと理性的な人だと
勝手に思っていただけに、
感情むき出しの「説明ページ」を読んで、
なんとも寂しい気持ちになった。
『ベルサイユのばら』をヒットさせ、
一躍、時の人となった池田理代子だったら、
どんな対応をしただろうか?
ちょっと気になる。
単行本(コミックス)では、
きちんと修正されているはずだ。
買ってはいないけれど。
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天に星、地に花、猫にオヤツ。ただいま9匹と同居中です。