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英世、家を出される

祖母には6人の子どもがいた。男の子4人、女の子2人。最もヤンチャだったのが3番目の男児。その子は産まれたときの体格もよく、いったん肩がつかえたので、経産婦であるにもかかわらず出産に時間がかかったと祖母が言っていた。

子どもたちの名前は、祖母の連れ合い(私の祖父)がすべてつけているが、何を思ったのか、この3番目の男児を「英世(ひでよ)」と命名した。野口英世と同じ。名前負けする予感はなかったのだろうか? まあ「出世(いでよ)」よりはマシか。

私は、この人を「英世おじさん」と呼んでいた。英世おじさんが、あまりにもヤンチャだったので、手を焼いた祖母が「一度、家を出してみよう」と思い立ち、指物師の修行がてら、シゲおじさん夫婦に預けた。

後年、英世おじさんから聞かれた。「オレ、若いときに親戚の家にあずけられて、なんか細工を教わったんだけど、あれ何だったのかな。おまえ、知ってるか?」。つづく。

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磨墨りえ 天に星、地に花、猫にオヤツ。ただいま9匹と同居中です。