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【遊戯王マスターデュエル】【S47Master1達成】覇王魔術師解説

皆さんこんにちは。沙里葉(Sariha)です。
今回は覇王魔術師でMasterDuelのS47Master1を達成したので解説します。
全文無料です。
よろしくお願いします。

はじめに

2025年11月シーズン(シーズン47)、遊戯王マスターデュエルのランクマッチで「覇王魔術師」を使用して、最高ランクである Master1 に到達しました(ただしレート戦は未参加です)。先月は「巳剣デモンスミス」で初の Master1 に到達しており、今回が二度目の Master1 となりますが、その2回目の相棒として選んだのが、この覇王魔術師です。

もともとは今期も巳剣デモンスミスでランクマに潜るつもりでした。しかし実際に回してみると、《原始生命態ニビル》《ドロール&ロックバード》やビステ系カードといったメタカードが強く意識されている環境であり、本来のデッキパワーほどには勝ちきれない感触がありました。そこで、環境のメタをある程度受け流しつつ、依然として高い展開力と制圧力を両立できるテーマとして、昔から好きで思い入れのある覇王魔術師に握り替えた、というのが今回の経緯です。

遊戯王自体は約20年プレイしていますが、本格的に大会に出始めたのはここ2年ほどです。紙では太陽CSで2回優勝、マスターデュエルでも公式チーム戦に2回出場し、そのうち1回は覇王魔術師で個人 5–2 という結果を残しています。

こうした経験を踏まえつつ、本 note では「今のマスターデュエル環境で覇王魔術師を使ってみたい人」に向けて、やや展開寄りのミッドレンジとして調整した覇王魔術師の構築と考え方を紹介します。

先攻では 4〜5 妨害を構えてゲームをロックし、後攻では手数とリソースで巻き返す、というのが今回のコンセプトです。


ウーサ禁止後の《原始生命態ニビル》への向き合い方

まず最初に、今期もっとも意識したのが《原始生命態ニビル》です。

アポロウーサ禁止によって、かつてのように「P前エレクトラムからそのままアポロウーサでニビルケア」というルートは消滅しました。これは覇王魔術師に限らず、多くの展開系デッキにとって共通の問題であり、その結果として「ニビルが通りやすい環境」になっているのはほぼ自明だと考えています。したがって、今期はニビル対策を前提に構築とプレイを組み立てることが必須だと判断しました。

とはいえ、「P前エレクトラムからアポロウーサ」を失っただけであって、ニビルケアの手段そのものが完全に消えたわけではありません。現在のマスターデュエルのカードプールで、現実的に採用候補になるニビルケア手段はだいたい次の3つだと考えています。

  • 《霞の谷の巨神鳥》

  • 《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》

  • 《フルール・ド・バロネス》



本構築では、このうち

  • 覇王ギミックからの《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》→《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》

  • 《調弦の魔術師》を絡めた《フルール・ド・バロネス》

の2通りを採用しています。以降で触れるカード選択やルートの多くは、「いかに早くボルテックスかバロネスに触るか」というニビルケアの思想から逆算されています。


EM魔術師ではなく覇王魔術師を選んだ理由

今期の候補として、最初は EM 魔術師も視野に入れていました。EM 魔術師は対応力とミッドレンジ性能が高く、長期戦を見据えたデッキとして非常に優秀であることは間違いありません。

しかし、ニビルケアという観点から見ると、EM 魔術師は覇王魔術師に一歩譲るというのが個人的な評価です。具体的には、

  • 《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》→《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》のルートにアクセスしづらく、ニビルケアの安定感で覇王に劣る

  • 初動にあまり寄与しない《紫毒の魔術師》《黒牙の魔術師》《EM 天空の魔術師》《ペンデュラム・マジシャン》などを複数枚採用する関係上、「初動の安定感」そのものでも覇王魔術師よりわずかに劣ると感じている

といった理由から、今回は EM 魔術師ではなく覇王魔術師を握る判断をしました。

覇王魔術師は、

  • 覇王門+アストログラフ/クロノグラフ周りの強力な初動

  • 覇王ギミックを通じた安定したボルテックスアクセス

などの要素を兼ね備えており、「ニビルケアを取りながらミッドレンジもできる」器用なデッキとして、今期の環境によりフィットしていると判断しました。


デッキレシピ

本記事で使用したレシピは、メイン40枚・エクストラ15枚の下限構築です。コンセプトは、手札誘発を必要最小限に抑え、そのぶん展開札とテーマギミックを厚く取った40枚構築になります。

メインデッキは、

  • 覇王魔術師ギミックをフルで回すための初動・展開パーツ

  • 必要最低限の手札誘発

の2つを軸に配分しています。

エクストラデッキは、

  • ほぼ毎試合触る「メインルート用」

  • 特定マッチアップや後手の捲りで強く機能する「サブプラン用」

の二段構成で、過剰に散らさず役割をはっきりさせた15枚に絞りました。

各カードの具体的な役割や枚数配分の理由は、次章の「カードの採用理由」で詳しく触れていきます。


カードの採用理由

このデッキはいわゆる「必須枠」については、他の覇王魔術師と大きく変わりません。そのため、ここでは構築者の好みや環境観が強く出ているカードに絞って採用理由を書いていきます。


メインデッキの好み枠

● 「ニビルケア」を前提にした調弦+賤竜セット

  • 《調弦の魔術師》3

  • 《賤竜の魔術師》1

アポロウーサ禁止環境では、《原始生命態ニビル》をどうケアするかがまず前提になります。

《調弦の魔術師》3積みは、素引き1枚から《フルール・ド・バロネス》にアクセスできる=ニビルケアに直結する点を最重視しているためです。さらに、P効果による打点パンプでライフカットもしやすく、先後どちらでも腐りにくいカードです。

《賤竜の魔術師》は、その調弦と組んでバロネスを作るための1枚です。2積みでもよい性能ですが、他ギミックとの兼ね合いと枠の都合からピン挿しに抑えています。

● 覇王ギミック全般:ニビルケア+捲りの両立

  • 覇王ギミック一式

  • 《覇王門の魔術師》3

  • 《覇王眷竜ダークヴルム》2

  • 《覇王眷竜ライトヴルム》1

  • 《覇王門零》1

  • 《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》(採用有無が好み枠)


覇王ギミックは、単純な初動としても優秀ですが、《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》→《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》ルートでニビルケアを取りにいくためのセットとして優先して採用しています。

さらに、《時読みの魔術師》+《覇王門の魔術師》で完全体《カオス・アンヘル》を作れるルートもあり、捲り・制圧ともに天井が高い構成です。

《超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン》は完全に好みの範疇だと思います。ドロールへの受けがやや悪くなるデメリットはありますが、

  • 《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》にコピーさせることで全バウンスの捲り択を残せる

  • 《EMドクロバット・ジョーカー》から《ダークヴルム》《ライトヴルム》にアクセスしやすくなる

といった理由から、今回は「枠が許すなら残しておきたい」側に振っています。
《ライトヴルム》も2枚目が欲しい性能ですが、最終的には枠の都合で1枚にしています。

● アストログラフ+星読み+クロノグラフ+時読み

  • 《アストログラフ・マジシャン》3

  • 《星読みの魔術師》1

  • 《クロノグラフ・マジシャン》3

  • 《時読みの魔術師》1


《アストログラフ・マジシャン》は言わずもがなの最強カード枠で3積みです。
アストロ素引き+覇王門 or ドクロバット or ダークヴルムでニビルケアまで完結するため、初動・ケア・リソースの三役を1枚でこなします。

そのうえで、

  • 《星読みの魔術師》:アストロの重ね引きを初動に変換するための1枚

  • 《クロノグラフ・マジシャン》3:

    • 純粋に手数を増やすPモンスターとして優秀

    • アストロとの重ね引き時のP効果が強力

    • 《時読み》採用圏に入り、覇王門+時読みで完全体アンヘルに届く

    • 《ライトヴルム》と組んでバロネス/完全体アンヘルに繋がる

という形で、「アストロ周りのパワーを最大限引き出すためのセット」として厚めに取っています。
《時読みの魔術師》は、そのクロノ・アストロのトリガー兼、アンヘルルートを増やすためのピン挿しです。


手札誘発・汎用札の好み枠

● 《マルチャミー・フワロス》3

今回の誘発枠で一番「覇王魔術師らしい」選択になっているのがここです。

  • ライゼオル、M∀LICE、オルフェ、ティアラなど、現環境の上位デッキを広く見られる

  • 単なる1妨害では終わらず、自分の手数を増やせるドロー誘発である

  • 覇王魔術師は二枚初動デッキのため、「1枚で完結するうらら・ヴェーラー・泡影系」よりも「ハンドを増やせる誘発」の価値が高い

といった理由から、《マルチャミー・フワロス》は3枚フル投入としています。

一方で、デッキ内の枠は

  • ニビルケア用ギミック

  • 誘発貫通のためのギミック

にかなり割いているため、《無限泡影》や《ドロール&ロックバード》は思い切って不採用としました。
「フワロスでハンドを増やして、本業の展開で押し切る」という発想に振り切った構成になっています。


エクストラデッキの好み枠

● 《賜炎の咎姫》&《スプライト・エルフ》

この2枚は、「スターヴに依存せずにリソースを稼ぐ」ための好み枠です。

  • 《虹彩の魔術師》の破壊回数を増やして継続的なアド源にする動き

  • 《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》を《スプライト・エルフ》で蘇生し、追加ドローを取りにいくことで、
    ミッドレンジ勝負でも戦える覇王魔術師に寄せています。

《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》主体の捲りルートだけでなく、咎姫・エルフ経由のじわじわしたゲームも取れるようにするための選択です。

● 《オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン》&《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》

  • アポロウーサ不在環境におけるニビルケア要員として、ほぼ必須級です。

  • そのまま最終盤面の妨害としても非常に強力です。

さらに、

  • 《I:Pマスカレーナ》+アブソリュートで展開を止めても盤面が強い

  • アブソリュートを素材にした《アクセスコード・トーカー》や《S:Pリトルナイト》での捲りルート

など、攻めと守りの両面で柔軟性が高いパーツとして評価しています。

● 《カオス・アンヘル》

  • 捲り性能が非常に高く、光・闇属性が多いこのデッキではかなり出しやすい1枚です。

  • デッキによっては完全体アンヘルに対する回答がほとんどないこともあるため、狙える状況なら積極的に完全体を目指したいカードです。

完全体アンヘルは、

  • 《ライトヴルム》+《クロノグラフ・マジシャン》

  • 《慧眼の魔術師》+《クロノグラフ・マジシャン》

  • 《時読みの魔術師》+覇王門

などから比較的簡単に作れるため、「捲り札」として見たときの優先度はかなり高いと考えています。

● 《覇王眷竜クリアウィング》

主に捲り札としての期待枠です。

  • 《調弦の魔術師》+闇属性魔術師、《ダークヴルム》+《ライトヴルム》で簡単にアクセス可能

  • 《ドロール&ロックバード》を撃たれた場合、「《奇跡の魔導剣士》+ライトヴルム」で相手ターン中に着地させにいく動きが強力

ただし、今回 Master5 → Master1 までの過程では、実際に出した回数はかなり少なかったです。
「出たときの勝ち筋の伸び」が大きいので、好みで抜き差ししてよい枠だと考えています。

● 《アクセスコード・トーカー》

ここもかなり好みが分かれるスロットです。

  • 後手で《奇跡の魔導剣士》からリンク先として立てると、一気にライフを刈り取りにいける

  • 純粋に後手ワンキル要員として頼りになるため、今回はライフカット重視で採用

  • アブソリュートを素材にすることで、アブソリュートに対する《墓穴の指名者》をケアしながら捲りに行ける

といった点も評価しています。

「展開で押し切る覇王魔術師」というコンセプトと相性が良く、後手の決定力を重視するなら入れておきたい1枚です。


ドロー系誘発と《ドロール&ロックバード》への向き合い方

ドロー系誘発を受けたとき

《マルチャミー・フワロス》や《増殖するG》といったドロー系誘発を受けたときは、

  • マルチャミー only のケースか

  • 《増殖するG》を撃たれたケースか

によって細かい判断は変わりますが、基本的には《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》+《時空のペンデュラムグラフ》で止まることが多いです。

《EMドクロバット・ジョーカー》初動から入っている場合は、

  • エレクトラムの効果でドクロバットを回収し、3ターン目以降のリソースとして確保しておく

という動きをよく取ります。

《紫毒の魔術師》を採用している構築であれば、エレクトラム+紫毒+時空で盤面とリソースを同時に見やすくなりますが、本構築では紫毒を採用していないため、

  • 《時空のペンデュラムグラフ》による除去

  • エレクトラムによるドロー

を軸に「最低限の妨害+次ターン以降のリソース」を確保する形で耐えることが多いです。

また、《クロノグラフ・マジシャン》を引けている場合は、

  • 相手ターン中にクロノグラフを展開し、盤面を少しでも厚くして耐久する

といった形で、相手ターンに耐えるための一手として使うこともあります。

エレクトラム+時空より、《覇王龍ズァーク》を構える方が単体として強い場面も多く、「それならズァーク+《覇王天龍の魂》でよくないか?」と言われれば、それ自体はその通りです。ただし、現状の S47 環境では M∀LICE が依然として多く、リングリでケアされることから天龍の刺さりが悪いと判断しているため、M∀LICE がある程度数を減らした環境になれば、ズァークルートの再検討を行いたいと考えています。

《ドロール&ロックバード》について

《ドロール&ロックバード》に関しては、基本的には割り切りです。この記事のリストを見ていただければ分かる通り、《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》といったカードを採用していません。

実際に回してみると分かりますが、

  • 《調弦の魔術師》素引き

  • 《クロノグラフ・マジシャン》素引き

といった、単体で展開・打点に大きく貢献できる札を握れている場合、ドロールを受けても「そのターン即死」にはならず、ある程度耐えながら次ターンに繋げる試合がそれなりに存在します。

そのため、「ドロールをケアして構築を大きく歪める」よりは、

  • そもそもの初動・手数を厚くする

  • ドロールを受けても最低限返しのターンに踏み込めるようにする

という方向での回答を優先している、というのが現状のスタンスです。


《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》を不採用にしている理由

《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》については、「必須級」であるという認識自体は今でも変わっていません。特に《増殖するG》や《ドロール&ロックバード》といったカードが飛び交う環境であることを考えると、指名者系カードのカードパワーは依然として非常に高いです。

ただし、今回の構築方針(フワロス+クロノグラフを厚く取った40枚構築)では、

  • 指名者は《マルチャミー・フワロス》や、他の展開札と違って《軌跡の魔術師》の素材や《クロノグラフ・マジシャン》の弾丸になれない

  • ミラーマッチ以外で見たとき、後手の捲り性能をそこまで高めない側面がある

といった理由から、フワロスより優先順位は下がると判断しました。

フワロス3+指名者フル投入の 42 枚構築という選択肢ももちろん考えられますが、現時点ではまだ十分に精査しきれていないため、この note では「40枚・指名者不採用」という形で公開しています。

また、魔術師はもともと誘発の枚数を他のデッキほど多く取らない傾向にあるため、

  • 《抹殺の指名者》で弾ける誘発の候補がそもそも少ない

  • 結果として、抹殺そのもののカードパワーがやや落ちる

という事情も、《抹殺の指名者》の優先順位が下がっているポイントです。

《墓穴の指名者》に関しては、単体カードとして普通に強いのは事実ですが、ピン挿しになってしまったことで「これを採用するために他のカードを削るだけの動機」にはなりにくい、という感触を持っています。


なぜ40枚構築にこだわるのか

「42枚構築や44枚構築にしても、そのカード1枚を引く確率は数%しか変わらないから、40枚にこだわる必要は薄い」という意見はよく見かけますし、理屈としてはその通りです。

ただし問題は、その数%の差が「デッキに採用しているすべてのカード」に対して適用されるという点だと考えています。

覇王魔術師には、

  • 《EMドクロバット・ジョーカー》

  • 《アストログラフ・マジシャン》

  • 《調弦の魔術師》

といった、「素引きしたときのリターンが非常に大きいカード」が多数採用されています。デッキ枚数を増やすということは、

  • これらのカードを引ける確率を、採用している全カードぶんまとめて薄くしている

ということでもあり、このデメリットをどう捉えるかが40枚構築かどうかの分かれ目になると考えています。

現時点では、

  • 初動の安定性

  • 強力な素引き札を引ける確率

  • フワロスやクロノグラフのような「手数そのものを増やすカード」の価値

を総合的に見て、極力40枚まで圧縮する価値は十分あるというのが個人的な結論です。

もちろん、今後の環境や採用カードの変化によって、42枚・44枚構築を選ぶ可能性もありますが、少なくとも S47 時点では 40 枚構築を推しています。


不採用にしたけど検討したカード

  • 《覇王龍ズァーク》+《覇王天龍の魂》

  • 《増殖するG》などのドロー誘発を打たれた際の「止まりどころ」としては、非常に強力なセットだと考えています。
    ただし、シーズン47環境では依然として M∀LICE が強く、《覇王天龍の魂》が M∀LICE に対してほとんど刺さらないと判断したため、最終的には不採用としました。

  • 《紫毒の魔術師》
    《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》+《時空のペンデュラムグラフ》で展開が止まった際に添えると、追加除去として非常に優秀なカードです。
    しかし、環境トップ帯のデッキと比較したときにパワー不足を感じる場面が多く、採用枠を割くほどではないと判断し、不採用としました。

  • 《黒牙の魔術師》
    相手モンスターの弱体化と自軍の展開補助を同時にこなせる、ポテンシャルの高い1枚であることは間違いありません。
    一方で、こちらも Tier1 デッキ群と正面から殴り合う際の出力としてはやや物足りない印象があり、別のカードに枠を譲る形で不採用としました。

  • 《五虹の魔術師》
    効果自体は非常に強力で、過去の構築では実際に採用していたこともあります。
    しかし、現在のリストでは五虹を能動的に機能させるための魔法・罠カードをほとんど採用しておらず、シナジーが薄いと判断したため不採用としました。

  • 《ディメンション・アトラクター》
    カードパワーは申し分なく、強力なメタカードであることは承知しています。
    ただし、本デッキは覇王ギミックとの噛み合いが悪く、自分の動きまで阻害してしまう場面が多いこと、さらに M∀LICE 相手にはほぼ刺さらないことから、今回は採用を見送りました。

  • 《厄災の星ティ・フォン》
    ライゼオル対面の捲り札として一応機能し得るカードではありますが、実戦で「これを出して勝てた」という記憶がほとんどありませんでした。
    枠の重さに見合うだけの勝ち筋上昇には繋がっていないと判断し、不採用としています。

  • 《閉ザサレシ世界ノ冥神》
    月光対面で非常に強力に機能し得る1枚であり、入れても悪くない選択だとは思っています。
    しかし、リンク召喚に必要な素材を揃える過程で妨害を受けやすいこと、また《I:Pマスカレーナ》から出すにしても素材を多く要求し、リソース負担が大きいことから、今回は見送っています。

  • 《ヴァレルソード・ドラゴン》
    月光対面でのワンショットキル要員として非常に強力で、実際に一時期は採用していました。
    ただし、《アクセスコード・トーカー》や《カオス・アンヘル》と役割が被る部分が多く、完全体アンヘル+《調弦の魔術師》のパンプでもライガーを超えられるため、フィニッシャー枠の整理の結果、不採用としました。

  • 《ヴァレルロード・S・ドラゴン》
    単体としては優秀な制圧札であり、採用してもおかしくない性能を持っています。
    しかし、本デッキで活かそうとすると《奇跡の魔導剣士》を墓地に送ったうえで、《破械雙王神ライゴウ》や《アコード・トーカー@イグニスター》といったカードまで採用する必要があり、デッキ全体の構成を大きく歪めてしまいます。
    さらに、サベージがいなくても《フルール・ド・バロネス》と《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》で万能無効が2枚並ぶため、やや過剰妨害気味になると判断し、不採用としました。ニビルケアが取りにくくなる点もマイナス要因です。

  • 《破械雙王神ライゴウ》
    かなり「アリ寄り」のカードであり、採用候補として真剣に検討した1枚です。
    ただし、基本的には先攻の盤面をさらに強くするカードであり、本デッキは現状でも先攻性能が十分に高いと感じています。
    《奇跡の魔導剣士》を場に残した形でも十分強く立ち回れるため、あえてライゴウに枠を割る必要はないと判断し、今回は不採用としました。

  • 《アコード・トーカー@イグニスター》
    正直なところ、指摘されるまでは採用候補として意識していなかったカードですが、話を聞いて選択肢として浮上した1枚です。
    理論上は、《奇跡の魔導剣士》+《アストログラフ・マジシャン》or《クロノグラフ・マジシャン》+奇跡効果でリンク値を供給することができ、展開ルートとして成立し得ます。
    とはいえ、パーミッション効果の発動コストとなるリンクモンスターの捻出がやや難しいこと、前述の通り奇跡を残した状態でも十分強い盤面が作れることから、現時点では「採用しなくても問題ない」と判断しています。
    ただし、アコード込みの展開ルートはまだ十分に精査できていないため、今後の研究次第では再検討したい候補の一つだと考えています。とはいえ、バロネス+ボルテックスで万能無効が2枚立つ現状を踏まえると、これ以上妨害を盛るのは過剰かもしれない、という感覚もあります。


基本的な回し方

先攻の基本プラン

先攻では、ニビルケアを取りながら 4〜5 妨害前後を目指す動き方を基本とします。

  • まずは、

    • 《調弦の魔術師》+《賤竜の魔術師》

    • 《覇王門の魔術師》+《アストログラフ・マジシャン》
      などから、できるだけ早い段階で《フルール・ド・バロネス》または《オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン》にアクセスし、ニビルケアを確保します。

  • そのうえで、

    • 覇王ギミックからアブソリュート→ボルテックス

    • アストロ+クロノ+時読み/星読みで展開ラインを伸ばす

といった形で、ボルテックス+バロネス+《星霜のペンデュラムグラフ》+《時空のペンデュラムグラフ》+αを並べてターンを返すイメージです。

「どこまで展開してからニビルケアに触りにいくか」ではなく、できるだけ早くケアに触ってから、残りの手札を展開に回すことを意識しています。

もちろん、毎回都合よくニビルケアまで辿り着けるわけではなく、アポロウーサ禁止の影響はやはり無視できません。
ニビルケアが間に合わない場合でも、最低限 0 妨害でターンを返さないように、

  • 《軌跡の魔術師》で《虹彩の魔術師》の破壊回数を増やし、《時空のペンデュラムグラフ》を確保しにいく

  • 召喚権を温存できる場面ではしっかり温存しておく

といったラインを意識してプレイしています。


後攻の基本プラン

後攻では、《マルチャミー・フワロス》で手数を増やしつつ、捲り札で盤面を剥がしていく方針です。

後攻では、多少リソースを無理に切ってでも、「このターンでゲームを終わらせるか、相手のリソースをほぼ 0 にする」つもりで強気に踏み込むことが多いです。

魔術師は基本的にミッドレンジに強いデッキなので、後手でライフを削り切れなかったとしても、相手のリソースを削り取りつつ自分のリソースをある程度残せていれば、4ターン目に勝ち切れるゲームも十分にあります。


中盤以降で意識していること

中盤以降は、エクストラの再利用でどこまで粘るかがポイントになります。

  • 《賜炎の咎姫》+《スプライト・エルフ》のラインを使い、エレクトラムを蘇生→追加ドローという、ミッドレンジ寄りの動きを積極的に狙います。

  • 「次のターン返ってくる P 召喚の打点」と「今ターンに用意できる妨害枚数」のバランスを取りながら、

    • 無理に展開しすぎて手札を空にしない

    • とはいえ、相手にフリーハンドを与えるほど緩めない

という、ややミッドレンジ寄りのゲームメイクを意識しています。


まとめ

シーズン47では、前シーズンの巳剣デモンスミスに続いて、覇王魔術師でも二度目の Master1 に到達することができました。
アポロウーサ禁止・M∀LICE 全盛というやや逆風気味の環境の中で、ニビルケアを意識した展開ルートの構築と、フワロスによる手数の確保という二つの軸をはっきりさせたことが、今回の勝率につながったと感じています。

一方で、《覇王龍ズァーク》+《覇王天龍の魂》や、《破械雙王神ライゴウ》/《アコード・トーカー@イグニスター》周りなど、まだ掘り切れていない選択肢が残っているのも事実です。特に、

  • 「先攻性能をこれ以上盛る意味がどこまであるのか」

  • 「後攻の捲りをどこまで厚く取るか」

といったバランスは、環境の微妙な変化によって答えが変わってくる部分だと思います。

今後も環境や規制が変われば、覇王魔術師の立ち位置や構築はそのたびにアップデートしていく必要がありますが、「ニビルケアを取りながら十分な妨害を構える」「フワロスで手数を増やして押し切る」という今回の基本方針自体は、しばらく通用する考え方だと感じています。

この記事が、これからマスターデュエルで覇王魔術師を触ってみたい方や、自分の構築を見直すきっかけを探している方の参考になれば幸いです。
もし「ここってどうしてこうしているの?」という部分があれば、リプライなどで気軽に聞いていただければ、できる範囲でお答えします。

また、つい最近、魔術師について議論する Discord サーバを立ち上げました。
荒らし対策のため URL は非公開にしていますが、もしこの note を読んで参加してみたくなった方は、私宛に DM をいただければ招待します。一緒に魔術師を盛り上げていきましょう。

それではこの辺で。Good luck.

謝辞

本記事は本公開前に、Discordの魔術師研究サーバ「魔術師の右手」メンバーに詳細なレビューをいただきました。
この場を借りて、深く感謝いたします。
ありがとうございました。
また、本記事のサムネのクロノグラフはpotato4dさんのMDCardCropperを用いて作成しました。ありがとうございました。

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