【なぜ?】何十年も前の歌を覚えているのはなぜ?
テレビやお店で、子どもの頃によく聴いていた曲が流れた瞬間、
「あ、この歌知ってる!」
と、自然に口ずさんでしまった経験はありませんか?
何十年も聴いていなかったはずなのに、
歌詞を覚えている
メロディーを覚えている
当時の景色まで思い出す
ことがあります。
一方で、
昨日会った人の名前は思い出せなかったり、
数日前に読んだ本の内容を忘れてしまったりすることもあります。
では、なぜ歌だけは何年、何十年たっても忘れにくいのでしょうか?
今回は、その不思議な仕組みを科学的な研究をもとに、できるだけわかりやすく解説します。
まず結論
歌を長い間覚えていられるのは、
脳が音楽を「特別な記憶」として保存しているからです。
音楽は、
メロディー
リズム
言葉(歌詞)
感情
思い出
が一緒になって記憶されます。
そのため、普通の出来事よりも忘れにくくなるのです。
歌は「いろいろな場所」で記憶される
私たちは、
人の名前や数字を覚えるときと、
歌を覚えるときでは、
脳の使い方が少し違います。
名前や数字は、
主に「言葉」や「記憶」を担当する場所で覚えます。
しかし音楽では、
メロディー
リズム
歌詞
感情
当時の出来事
など、複数の脳の領域が同時に働きます。
つまり、
歌は一つの場所ではなく、
脳全体を使って記憶されるのです。
だから、とても忘れにくくなります。
感情が入ると記憶は強くなる
もう一つ大きな理由があります。
それは、
感情です。
例えば、
卒業式で歌った曲
初めて買ったCD
運動会で流れていた音楽
家族とよく聴いた曲
これらを思い出すと、
その頃の景色まで思い浮かぶことがあります。
これは、
脳の「感情」を担当する部分と、
「記憶」を担当する部分が強く結び付いているためです。
つまり、
歌だけではなく、
そのときの思い出まで一緒に保存されているのです。
何度も聴くことで長期記憶になる
好きな曲は、
何回も聴きますよね。
同じ歌を何十回、
時には何百回も繰り返し聴くことがあります。
脳は、
何度も入ってくる情報を
「これは大事な情報なんだ」
と判断します。
すると、
短期間しか覚えていない「短期記憶」ではなく、
長く保存される「長期記憶」へと移されます。
これが、
何十年たっても歌を思い出せる理由の一つです。
イントロだけで分かるのはなぜ?
面白いことに、
歌詞を忘れていても、
イントロを数秒聴いただけで
「あ、この曲だ!」
と分かることがあります。
これは、
脳がメロディーやリズムの特徴を、
ひとかたまりの情報として記憶しているからです。
ほんの少しの音をきっかけに、
保存されていた記憶全体が呼び起こされるのです。
認知症でも昔の歌を歌えることがある
音楽の記憶が特別だと言われる理由の一つが、
認知症の研究です。
認知症になると、
最近の出来事を思い出しにくくなることがあります。
しかし、
若い頃によく歌っていた曲は、
歌えることが少なくありません。
これは、
音楽の記憶が複数の脳の領域に広く保存されていることが関係していると考えられています。
もちろん個人差はありますが、
音楽療法でも昔の歌が活用される理由の一つになっています。
人の名前は忘れるのに、歌は忘れないのはなぜ?
人の名前は、
一度聞いただけでは忘れてしまうことがあります。
しかし歌は、
何度も繰り返し聴き、
さらに感情や思い出も一緒に記憶されます。
つまり、
脳にとって「歌」は、とても強い記憶になりやすい情報なのです。
まとめ
何十年も前の歌を覚えているのは、
音楽は脳の複数の場所で記憶される
感情や思い出と一緒に保存される
繰り返し聴くことで長期記憶になる
少しのメロディーでも記憶が呼び起こされる
という理由があるためです。
普段何気なく口ずさんでいる懐かしい歌も、
実は脳が長い時間をかけて大切に保存してきた記憶だったのです。
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