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ジャスティス!

 私の友人は正義感の塊である。
 私の退職理由を知ってからというもの、目ん玉をひん剥いて
「ジャスティース!!!」
と、叫んでいるようなもの。
 あまりの行動力とスピードに私の方が慌てる。
 F1カー並の爆走。もう誰も止められぬ。

 私の退職情報を得てからの数時間に、どれだけの部署に連絡したのか。
 恐る恐る聞いてみる。
 すると、ま~ツテというツテに連絡を取っていた。
 人脈どんだけ??と思うくらい広範囲に。
 挙げ句には、私の退職を撤回するには?!というところまで問い合わせをしていたらしい。
 こんな強制された辞表なんぞ、効力を発揮しないはず!
 弁護士にも、勝てるよね?地位回復できるよね?的なことまで。

 この友人の怒りや、どうしてくれよう!成敗したい!罪には罰を!という気持ちはよく分かる。
 私も立場が違っていたらやりかねない。
 
 だが…、世の中にはこういう理不尽もあるのだよ。私はそれを知ってしまった。
 そして、この友人がまだ過去の亡霊と戦っていることも…。
 友人もまたハラスメントの被害者である。
 なので、その痛みを我が事のように感じてしまうのだろう。
 そして、怒りが再燃してしまうのだろう。
 もはや、友人は赤い目のオームになってしまった。
 暴走は止められぬ。
 私はただ自分の身を差し出し、吹き飛ばされるしか方法は無さそうだ。

 だけどね、友よ。
 君が鉄槌を下したい気持ちは分かるが、そんなことをしなくてもアイツらは、いずれ何らかの形で制裁を受けると思うんだ。
 だから、君がそんなことしなくてもいいんだよ。


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