うちには虎がいる
うちには立派な虎がいる。
虎のぬいぐるみなのだが、去年の息子の誕生日にやってきた。
高校の同級生からの、
「あってもどうしよう?」
というコンセプトのあるプレゼントらしい。
おととしは、吸わないのに葉巻をもらっていた。
思いのほかでかい。
部屋に置くのもどうなんだという理由で、リビングに移された。
いや、リビングでもいらない。
やたらでかいからだ。
そして猫が怖がる。
類友だろうとは思ったが、警戒心が半端ない。
最初は、ちょっかいをかけては逃げる始末。
とても厄介だった。
ただ、つくりはしっかりしていて、お値段もそこそこしそうな代物だ。
捨てるのもなあ……。
そんなこんなで、虎はリビングに鎮座することになった。
そして私は、有益な使い方を発見した。
枕だ。
ちょっと横になった時、適度な固さが頭にフィットするのがたまらない。
手触りも悪くない。
たまにしっぽを踏んで、猫のしっぽを踏んだかとびっくりするくらいだ。
もう猫も、なんとも思っていない。
敵でも味方でもない。
ただ、そこにいる。
そうして、まとまりのないリビングに放たれた虎は、今日も主を守りながら、理想のまどろみへと誘うのだ。
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