私たちの身体の“57%”は他人でできている?クローンはあなたと同じじゃない?生命進化の影にあるものとは『フワッと、ふらっと、マイクロバイオームの生理心理学』
ウイルスは怖いだけのものではなくて、
善玉菌のような善玉ウイルスもいて私達の身体を構成する要素のひとつでもあります。
そのようなものをマイクロバイオーム(ヒトの体内に存在する微生物やウイルスなど)といいます。
先祖から受け継いだ遺伝子を持つ人間の細胞は全体の43%に過ぎず、
残りは先祖から遺伝子を受け継いだものではない、
バクテリアやウイルス、菌類で私達の身体は構成されているとされています。
そのため、仮にあなたのクローンを作ったとしても、


細胞レベルではあなたと全く同じ遺伝子を持ちますが、
あなたのクローンの身体の57%を構成するマイクロバイオームは、
あなたのものとは言えず、
よって、同一人物とは言えず、
クローンとあなたとは、別の個性を持つと言わざるをえません。

マイクロバイオームは、濃厚接触などによっても、他人のそれを取り込み、

それによっても身体の構成が変わります。
つまりマイクロバイオームを通して他人の個性も実は取り込んでいるということになります。

私達の遺伝子の中には太古のウイルスの遺伝子が刻み込まれている場合もあります。
ウイルスの中には、レトロウイルスというものがあって、
これに感染すると、ウイルスのDNAが、
人間のDNAに組み込まれてしまうのですが、
でもそのおかげで、
お母さんのお腹の中の赤ちゃんが守られています。
私たちの身体の中に、
細菌やウイルスなどの異物が侵入すると免疫細胞がやっつけてくれるのですが、
だとすると、お母さんのお腹の中の赤ちゃんも
お母さんの免疫細胞が異物と捉えやっつけてしまうということになってしまいます。
そこでお母さんと赤ちゃんをへその緒でつなげ栄養の受け渡しをする胎盤には、
合胞体性栄養膜細胞というものがあって、
これはなんと、栄養分だけを通し赤ちゃんに送り、
お母さんの免疫細胞は通さないメカニズムになっています。
そして、
この合胞体性栄養膜を作るための設計図(DNA)は、
人間由来のものではなく、
太古のレトロウイルスから受け継いだものだとされています。
太古の私達の先祖がレトロウイルスに感染したおかげで、
そのDNAに基づき合胞体性栄養膜が作られ、赤ちゃんが無事生まれてくることができるのです。

つまり、私達はウイルスのおかげで無事生まれて来ることが出来たともいえます。

そんなウイルスは、
もともと私達の細胞から飛び出した遺伝子で、
それがフラフラと放浪し、

ウイルスに感染するということは、
家出した子供が戻ってくるようなものだという説もあります。
(これを『脱出仮説(Escape hypothesis)』・『流浪仮説(vagrancy hypothesis)』といいます)
ウイルスは、DNA(あるいはRNA)だけを、
脂のカプセルで包んだようなもので、
(脂なので、石鹸で洗えば壊れます)

細胞のように自己増殖ができるシステムにはなっていないため、
ウイルスが自分のDNA(RNA)を残すためには、
生物の細胞に寄生するしかないわけですが、
細胞(生物)がなければ存在できないとなると、
生物とりわけ高等生物の誕生後に、
高等生物からウイルスは生まれたのではないかと推測されます。
このようにして生物の細胞から遺伝子が飛び出し、放浪したものがウイルスではないかという学説が脱出仮説・流浪仮説です。
ウイルスが、
免疫力が弱っている生物の、
免疫細胞との戦いに優位となり、
細胞に侵入する際、
細胞側が「よく帰ってきたね。」と手招きするようなしぐさを見せ、
誘い入れるかのよう見える、

との報告もあるのですが、それはもとは我が子だったからなのかもしれません。
ではなぜ、そのようなシステムがあるのかというと、
親から子への垂直的な遺伝子情報伝達だけだと、
多様性が手薄になるため、
他人あるいは、種の違う生物からの遺伝子情報の水平伝達を可能にし、
より多くの多様性を確保するためにウイルスのような存在があるのではと説明する人もいます。
もしかしたら生物のバージョンアップのために用意された、
地球生態系のシステムがウイルスという存在なのかもしれません。
少なくとも先般のコロナ禍の混乱で、
いい方向へか、悪い方向へかはわかりませんが、
社会システムのアップデートが余儀なくされたものと思われます。
大変な時期ではありましたが、
ウイルスとは何か?生命とは何か?人間とは何か?さらには社会とは何か?ということまでをじっくり考えさせられる機会でもあったような気もします。
ウイルスは生物のアップデートに寄与するという面だけでなく、
ウイルスを薬として使うファージ療法というものもあって、

ウイルス=絶対悪というわけではありません。
私達を困らせる場合もあれば、役に立つ場合もあるということでしょうか。
(今回の内容に関連するnoteです。ご参照頂ければ幸いです)
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