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新車の価格は家ですか?アメリカで震えながら車を買った話

(3506文字:読了予想時間7分)

家族で車1台で巻き起こる不便な生活

アメリカ、特に私の住むワシントン州は、言わずと知れた超・車社会です。
我が家に渡米当初からあった一台は、旦那が職場の人が買い替えるからタイミングで相場で買いとり、なんなくゲットできました。
渡米当初、我が家が車は一台しかなくて〜と周囲に漏らした瞬間、全員から200%の確率で心配されました。「えっ!?本当に大丈夫!?」「どうして!?」と言わんばかりの困惑した表情、今でも忘れられません。しかし、心配されるのも無理はない。最寄りのスーパーは徒歩35分。米は買えない。きっと途中で泣いちゃう。買い物すらままならないのだ。
しかし、生活の基盤が整ってきた2.3ヶ月の頃、いざ2台目の車をと思って新車の価格設定を見て我が家は速攻で白目を剥きました。

新車のお値段、家ですか?

ワシントン州の新車の平均価格は約800-850万円だそう。日本の平均価格300-350万円と考えるとここでもやはり2.5倍。日本で「予算800万」と言ったら、アルファードの最高峰グレードや、レクサスの高級SUVが余裕で視野に入る大金です。さぞかしアメリカでも、ピカピカの高級外車が買えるのだろう…と思いきや、大間違い。この国でそれだけ出して買えるのは、ごくごく普通の大衆向けファミリーSUVなのです。どこに行っても走っている、至って普通の家族の車が800万円。円安のダブルパンチもあり、一瞬で「新車」という選択肢は宇宙の彼方へ消え去りました。日本で言うアルファードクラスを買うとなると1500万前後です。
円安も相まって、日本の感覚で見ると目玉が飛び出るお値段。というわけで、我が家の選択肢は光の速さで「中古車一択」に絞られたのでした。

トヨタのノアに甘やかされた私vs 弱肉強食の中古車市場

中古車を探すにあたり、私には絶対に譲れない条件がありました。それがACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール/自動追従機能)です。
日本にいた頃、トヨタのノアのACCにそれはそれは甘やかされて育った私。「アメリカの広大なフリーウェイをACCなしで走るなんて、もうこの堕落しきった運転能力では無理」と、検索条件には迷わずACCをチェック。
しかし、ここからがアメリカ中古車市場の本当の恐ろしさでした。
ネットで「お、この車いいじゃん!条件もぴったり!」と見つけて、「じゃあ今週末にでも見に行こうか〜」なんてのんきに構えていると、その週末には跡形もなくネットから消えているのです。
アメリカの中古車市場は、完全に「早い者勝ち、先にお金払った人が正義よ」制度。迷っている暇なんて1秒もありません。いい車は一瞬でハントされていく。私たちがいいと思う車は、みんなもいいと思うのよ。そりゃそうか。

ローン不可!クレジットヒストリーの高い壁

なんとか「これだ!」という1台を見つけ、いざ契約のフェーズへ。
ここで、渡米直後の日本人が必ずぶち当たる壁が登場します。
「クレジットヒストリー(信用の歴史)がないから、ローン組めない問題」
そう、いくら日本で真面目に働いていようが、アメリカに一歩足を踏み入れれば私たちは「生まれたての赤ん坊」と同じ。信用ゼロなので、ローンなんて組ませてもらえません。
ちなみにクレジットヒストリーとは「クレジットカードの審査に通るための信用情報」です(日本でも携帯の分割払いやカードの履歴が裏で記録されていますが、アメリカではそれがもっとオープンに数値化・重視されます)。

じゃあ、どうやって払うの?

ディーラーが提示してきたのは、ニコニコ現金払い、得体の知れないディーラーの得体の知れないオリジナルローン、クレジットカード決済の3択。クレジット不可のところもあると聞くので、まだ良かった。
「カード使わせてあげれるから、1ヶ月の猶予はあるよ(ニッコリ)」と言われますが、ここでもまた問題発生。渡米してたかだか半年、アメリカのクレジットカードで切れる限度額が全然足りてないのです。日本のクレジットカードを切るとも聞いたことがありましたが、日本のクレジットカードでいきなりこんな高額切ったら今度は300%止められてしまう。
張り切って土曜日の朝イチに試乗し、そのままニコニコ契約の流れだったので日本のクレジット問い合わせ窓口が開いてない。今は日本の夜中でクレジット窓口が開いていなくて契約できないので少し待って欲しいと交渉しましたが、待つことはできないの一点張り。その間に買いたいと言って支払える人が来たらその人に売ると言うので、どうぞ!と返し、うちのローン組めばいいのにと言われながら一度席を外しました。

昼過ぎにクレジットカードの窓口が開いたので電話をかけて外貨で高額決済する旨を伝え、分割にできるかダメ元で聞いてみました。結論、ダメでした。
電話を終えたのが店を出てから約6時間後。Uターンして販売店に戻ると、車は動いた形跡もなくその場にあり、店員さんはニコニコ顔で迎えてくれました。安くはないんだからそんな簡単には売りきれないよね。。
支払い金額の桁数に慄きながら、カードをインサート。ボタン一つで信じられない額の決済が完了した瞬間、背筋に冷たいものが走りました。

泣きそう!契約書の千本ノック

なんとか価格交渉が終わり、いよいよ契約(ペーパーワーク)へ。
差し出されたのは、暗号のような専門用語がびっしり詰まった、英語の契約書の山でした。
変なオプションをつけられてはたまらないと、スマホの翻訳アプリを片手に、一行ずつ「いちいち翻訳」を入れながら読み進める我が家。「えっと、この単語の意味は…?」とフリーズする私、焦る旦那、迫る時間。ディーラーの担当者からの「早くサインして」という無言のプレッシャーを感じつつ、冷や汗を流しながらひたすら翻訳とサインを繰り返す苦行は、気が遠くなるほどの時間がかかりました。
そんな中、担当者が熱心に勧めてきたのが「Extended Warranty(延長保証)」。
「故障した時に修理代を補助してくれるよ!」という甘い言葉でしたが、翻訳アプリで目を皿のようにして読むと、どうにも怪しい。「これ、使いたい時に免責(自己負担)があって結局使えないやつでは…?」と疑い始めた私は、強い意志で「いりません」とスルー。いまだにあの保証は何だったのかよく分からないまま。まあいいか。

契約おめでとう〜からの、まさかのお留守番お断り攻防戦

なんとか「延長保証」の誘惑も断ち切り、山のような書類にサインを終えると、ディーラーの担当者が満面の笑みで言いました。
「契約完了!おめでとう!さあ、新しい車で新しい生活!最高だ!どの道から帰る!?」
テンションMAXの彼に対し、自動車保険は主人の会社に手配してもらうから、会社に車を登録してからじゃないと乗れないの。だから来週までここに置いておいて欲しいと頼みました。すると、さっきまであんなにフレンドリーだった担当者の顔がフリーズ。
「えっ、うちに置いていくの…? それはちょっと、、社長に相談してくる」と、雲行き怪しく渋り始めたのです。日本の感覚だと「納車日までディーラーが大切に保管してくれる」のが普通ですが、ここはアメリカ。彼らにとって「売れた車」は、1秒でも早く敷地から追い出したい代物なのかもしれません。タダで駐車スペースを占領されるのも嫌だし、早く車を引き渡して今月の売上実績を確定させたいという大人の事情でしょうか。なんとか許可が降りたよ、ふぅ!みたいな顔をされましたが、ワシントン州は無保険で走るのは違法だから販売店も罰せられるはず。。と、ところどころもやもやを残しながら、翌週、満を持して車を正式に取りに行ってゲットしてきました。

これからアメリカで車を買う同志たちへ

ドタバタと冷や汗の末に、ようやく我が家の一員となった車。すべてのお支払いを終えた今、ようやくこの愛車を愛おしく眺める余裕ができました。
これからアメリカで車を買う皆さんに、私から送りたいアドバイスは3つです。

1. ネットで見つけたいい車は、今すぐ見に行きましょう!(週末には消える)
2. 渡米直後のカード決済は、心臓の毛をむしり取られる覚悟で挑みましょう
3. 保険や保障については事前に勉強してから望むとストレス減!

皆さんが、お気に入りの相棒と出会えることを心から応援しています!
我が家もこの車と一緒に、アメリカの広大な景色をたくさん見に行く予定です。



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海を渡ったエビフライinアメリカ ありがとうございます!糸車とか、お酒の蒸留機とか、僻地への探検とか、無くてもいいけど人生を充足させてくれるもの・ことに使ってレポートします。