スライ・ストーン82歳で死去
スライ・ストーン82歳で死去
【Sly Stone Dies At 82 = Innovator Of Funk, Fusion Of R&B and Rock and Everything】
訃報。
1968年、フラワー・ムーヴメント、ヒッピー・ムーヴメントが巻き起こり一大潮流となっていたサンフランシスコからさっそうと登場したスライ・ストーンが、2025年6月9日肝疾患や様々な疾患のためにロスアンジェルスの自宅で家族に見守られながら死去した。82歳だった。
スライ・ストーンは1943年3月15日、アメリカ南部テキサス州デントン生まれ。本名、シルヴェスター・ステュワート。5人兄弟の2人目。幼少の頃にベイエリア、サンフランシスコ郊外ヴァレホー育ち。幼少の頃からさまざまな楽器を手にするようになり、楽器をマスター。また家族に連れられ教会にゴスペル音楽に親しんだ。1960年代中期、地元サンフランシスコのKDIA局、KSOL局などでラジオDJとして活躍。多くのヒット曲をかけていた。またほぼ同じころ、同地のインディ・レーベル、オータム・レコーズで今でいうA&R(アーティスト&レパートリー、アーティストの制作担当ディレクター)的な仕事をするようになっていた。
1966年、弟のフレディー(1947年6月5日、ヴァレホー生まれ)らと自身のバンド、スライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成。これがユニークなことに、黒人だけでなくさまざまな人種、男女混合のグループとなった。また、当時はやりのソウル、R&Bだけでなく、積極的にゴスペル、ロック、当時の流行のサイケ調の音楽などの要素を取り入れ、ジェームズ・ブラウンが開発し、大きなうねりとなり始めていたファンクなどを取り入れ、マルチ・ジャンルな音楽形態を生み出した。グループには、ベース奏者のラリー・グラハム、また妹のローズ・ストーンも参加。
1967年、エピック・レコーズと契約。『ア・ホール・ニュー・シング』でデビュー。このアルバムのタイトル(完全に新しいもの)からして、斬新なものだった。
1968年、「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」の初ヒット(R&Bチャート9位、ポップチャート8位)を皮切りに、「エヴリディ・ピープル」、「スタンド」、「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユー・ハイヤー」、「サンキュー」、「ファミリー・アフェア」などの大ヒットを飛ばし大スターに。しかし、1970年代に入ると、ドラッグ禍に陥り、ライヴなどのすっぽかしなどが起こるようになり、ライヴができなくなってしまった。
特に大ヒットした「エヴリディ・ピープル」は、人種、階級、性別など、そこに横たわる分断状況を描いている。
~~~
■「エヴリディ・ピープル」のメッセージ
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「エヴリデイ・ピープル」の魅力~映画『サマー・オブ・ソウル』関連で
2021年9月21日
~~~
1979年、エピックからワーナー・ブラザーズ・レコーズに移籍。アルバム2枚を出すが、エピック時代ほどのヒットには至らず、低迷期を迎える。
1980年代から90年代にかけては、ワンショットでいくつかのプロジェクトに参加。たとえば、映画『ソウルマン』のサウンドトラック、プリンスから独立したジェシー・ジョンソンとのコラボ「クレイジー」、あるいは、1996年には日米混合ファンク・バンド、13キャッツの『13ソングス』の中でカヴァーされた「サンキュー」にゲスト出演している。
その後、サンプリングなどの手法で、ヒップホップ界のDJやアーティストから再評価の動きが高まり、2006年のグラミー賞授賞式ではスライ&ザ・ファミリー・ストーン・トリビュートが行われた。2007年頃から、ぼちぼちライヴ活動を始めるようになる。
その流れで、2008年8月末初来日。東京ジャズ出演とブルーノート東京出演を果たした。
また2010年1月には、トニー・メイデンのルーファスの来日時にスペシャル・ゲストとしてスライ・ストーンが参加。ステージに上がった。
2010年代に入ると、一時期ホームレスになっているなどと伝えられていた。
スライ・ストーンを巡っては伝記本、また、スライをおいかけて探すという映画、そして、2025年1月には、クウェスト・ラヴ監督のスライ・ストーンを描いたドキュメンタリー『スライ・ライヴス!(アズ・ノウン・アズ/ザ・バーデン・オブ・ブラック・ジニアス』がネット配信された。
現在は、2024年に出版した自伝本を元にした映画脚本を執筆中だったという。遺族による今回の訃報についての声明の中で、「スライはすでに彼のライフ・ストーリーの(映画)脚本を書き上げており、私たちもこの完成を心待ちにしています」と明かしている。
~~~
スライ・ストーンがジェームズ・ブラウンやジョージ・クリントンらとファンクの礎を作ったことは間違いない。「ファンク三羽烏」と言ってもいい。
そして、スライ・ストーンがこの3人の中で、もっとも抜き出ているのが、彼が下積み時代にラジオDJをしていたこと、レコード会社で制作ディレクター(プロデューサー、A&R)をやってきた経験があったことが大きいと思う。A&Rで言えば、クインシー・ジョーンズがその例にあたる。
売れる物、革新的なものにアンテナが敏感だったのだ。
それにしても、初来日コンサートには胸がときめいた。そして、その登場時間の短さに、「さもありなん」というなかば諦め感もあった。だが、伝説を近くで見た、という事実だけが心の中に残った。レジェンドというのは、そういう存在なのだろう。
当日のライヴ評(下記のもの)を今日、読み返して、行ってよかった、と思った。
~~~~~
緊急決定 スライ・ストーン Sly Stone 今週放送(2025/6/12: 20:00-)の『 #AORSTS 』(
@InterFM897
+JFN各局)で緊急ミニ追悼決定 短いですが、来日時やその他のエピソードも含めて追悼します
@YukiRhinehart
@HigherSlyStone
~~~~~
■訃報記事
ニューヨークタイムズ紙ウェッブ版→https://x.gd/FuR2u (日本時間午前6時51分発信)
ロイター→https://x.gd/U6haZ
BBC→https://x.gd/ivUcR
Billboard
Questlove, Clive Davis & More React to Sly Stone Death: ‘Sly’s Music Will Likely Speak to Us Even More Now Than It Did Then’
Sly Stone died Monday after "a prolonged battle with COPD and other underlying health issues," according to a family statement.
By Heran Mamo
06/9/2025
~~~~
■スライ・ストーン関連記事
初来日コンサート初日(2008/8/31国際フォーラム)詳細ライヴレポ(セトリ、メンバー表付)→
https://x.gd/YAQDA
2日目(9/2)ブルーノートファースト&セカンド→
https://x.gd/jEyER 「36分∔12分の奇跡」のドキュメント→
■スライ・ストーン関連
September 01, 2008
Sly Stone @ Tokyo Jazz (Part 1) : 36 Minutes Long On The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/002658.html
8月31日の国際フォーラム・ライヴ評。
August 29, 2008
Brenda Will Sing For Sam Moore,: Are You Ready For Sly?
http://blog.soulsearchin.com/archives/002655.html
スライは8月31日、何分ステージにいるかのアンケート。
June 19, 2008
Sly & The Family Stone’s Live Review 2007
http://blog.soulsearchin.com/archives/002581.html
2007年スライ&ファミリー・ストーン・ヨーロッパでのライヴ評。
June 18, 2008
What If Sly Stone Would Show Up The Stage
http://blog.soulsearchin.com/archives/002580.html
June 17, 2008
Sly & TheFamily Stone Will Coming To Japan August
http://blog.soulsearchin.com/archives/002579.html
スライ&ザ・ファミリー・ストーン初来日決定
July 04, 2007
Sly & Family Stone Reunion: Hit The European Tour
http://blog.soulsearchin.com/archives/001880.html
2007年ヨーロッパツアー開始
May 07, 2007
Why "Family Stone"? : Are There Black Hippies?
http://blog.soulsearchin.com/archives/001759.html
May 05, 2007
Back In 1968: When LP Records Were New
http://blog.soulsearchin.com/archives/001753.html
May 04, 2007
Sly & Family Stone’s Paper Sleeve Jackets CD Released
http://blog.soulsearchin.com/archives/001752.html
スライ&ファミリー・ストーン紙ジャケット発売
~~~
スライ・ストーンのドキュメンタリー映画『スライ・ライヴズ!』完成、2025年2月13日からHulu、Disney+で公開
2025年2月11日
■過去関連記事
特報。クエスト・ラヴ監督のスライ・ストーンのドキュメンタリー映画、ディズニー系映画会社、オニックスコレクティヴが配給権獲得へ
2023年1月25日
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「エヴリデイ・ピープル」の魅力~映画『サマー・オブ・ソウル』関連で
2021年9月21日
映画『サマー・オブ・ソウル』についてのドミューンでのトーク
2021/9/3
クエスト・ラヴのドキュメンタリー第二作はスライ・ストーン
2021年2月22日 00:01
映画『スライ・ストーン』を見て~命をかけて熱中できるものをサーチンして
2015年05月20日(水)
「ソウル・サーチン~スライ・ストーン」ユーストリーム・アーカイヴに
2012年04月08日(日)
『ソウル・サーチン:ザ・セッション Vol.11~A Tribute To Sly & The
2012年03月30日(金)
「ソウル・サーチン:ザ・セッション~スライ・ストーン・トリビュート」レポート(パート1)
2012年03月31日(土)
「ソウル・サーチン、スライ・ストーン・レポート・パート2」
2012年04月01日(日)
スライ・ストーン、ヴァンで生活中~仕事をくれと語る
2011年09月28日
2010年01月17日(日)
ルーファス&スライ・ストーン、ライヴ@ブルーノート
スライ・ストーンがツイッター開始
2011年04月05日(火)
ルーファス&スライ・ストーン、ライヴ@ブルーノート
2010年01月17日(日)
スライ・ストーン今年も来日していた 衝撃情報
2009年09月10日(木)
スライ&ファミリー・ストーン@ブルーノート
2008年09月03日(水)
スライ・ストーン、36分間ステージに立つ
2008年09月01日(月
~~~~~
■関連書籍
Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin): A Memoir Audible Logo Audible Audiobook – Unabridged
Sly Stone (Author), & 4 more
2023/10/17
スライ&ザファミリーストーンの伝説 人生はサーカス (P-Vine Books) 単行本 – 2009/9/18
ジェフ・カリス (著), 村上敦夫 (翻訳)
(絶版)
スライ・ストーン・ビデオ レンタル
スライ・ストーン(字幕版)
一人のオランダ人ドキュメンタリストの二十年間以上の取材を経て遂に完成した、スライ・ストーン唯一無二のドキュメンタリー。
32
1時間12分
2015
13+
~~~~~
CD
Essential Sly & Family Stone
スライ&ザ・ファミリー・ストーン 形式: CD
4.7 5つ星のうち4.7 (377)
¥2,700¥2,700 税込
2009/9/14
アイム・ジャスト・ライク・ユー:スライズ・ストーン・フラワー1969-70 I'M JUST LIKE YOU: SLY'S STONE FLOWER 1969-70 (直輸入盤帯ライナー付国内仕様)
2014/11/26
V.A. (アーティスト)
OBITUARY>Stone, Sly (3/15/1943 – 6/9/2025, 82 year-old)
ここから先は
¥ 200
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
