みっくん効果/がっくんロス
知的障害で、躁病の長女ほかろんは、定期的に神経内科クリニックに通院しています。
初めは、てんかんの治療のための通院でしたが、てんかんの発作が起きなくなり、成人になってからは躁病が激しくなってきたため、様子を見ながら薬物治療をしています。
国立病院の医師が、定年後に開いたクリニックで、ほかろんはとても気に入っています。
通院のため、朝の通勤時間帯の中央線に乗っていた時です。
あと二駅で着くというところで、電車が止まってしまいました。
信号確認のため、運転再開のめどは立たないとのアナウンスが、何度も何度も流れ、車内は騒然とし始めました。
諦めて降車する人も次々と出てきて、ほかろんは、不穏になりはじめました。
大きな声で、
「どうしたらいいの。」と繰り返し始めました。
運転再開の見通しがつかないという、すべての人にとっても、不安な状態です。
「おくれるよ。おくれるよ。」と大きな声を出すほかろん。
でも、周りの人は、黙って見守っていてくれます。
うるさいとか、黙れとかいう人が一人もいなかったのです。
それで、音を消してYou Tubeでキスマイを見ながら、待つことができました。
一度乗ってしまった電車から降りて、振り替え輸送に切り替えるというようなことができない特性なので、付き添いの私も、できる限り穏やかで不安を見せないようにしながら、「待つ」を楽しみました。
それにしても、もしかしたらだけど、周りの人の視線に厳しさを感じなかったのは、「ライオンの隠れ家」のみっくんが、あわあわしたときに、お兄ちゃんが、落ち着いて
「大丈夫だよ。みっくん。」と声をかけるあのシーンを、皆さん毎週ご覧になっていたとしたら、想定外の出来事に遭遇した障害のある人が、おたおたしても、やさしく声かけをして見守ることで、落ち着くのではないかと、ご理解いただけてきたのではないかしらね。
なんて、勝手に「みっくん効果」なんて名前を付けてみました。
なんといっても、言葉で説明するより、うまい役者さんの演技で、障害を理解いただけるっていうのは、今に始まったことでなく、
「レインマン」「アイアムサム」「フォレストガンプ」「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」「アストリッドとラファエル」などなど、ストーリーが面白い映画やドラマのおかげで、どれだけ助かってきたことでしょうか。
でもって、ロバート・デニーロの顔痙攣演技(レナードの朝)に匹敵する、板東龍太くんの足指演技。
かわいいみっくん、ありがとうございます。
みっくんも、お泊りの練習に行き始めました。
ほかろんも、今年はお泊りの練習を始めました。
今年はいいドラマが多かったです。ライオンもよかったですが、一番は、「宙わたる教室」でした。
ディスレクシアの、がっくんこと柳田岳人くん。
難読症で、文字が読めなかったため、努力しても努力しても、勉強がついていけなかったがっくん。
定時性高校の藤竹先生が気が付いてくれて、
「今まで人生損していた。」と泣くがっくん。
私の孫と同じくらいの年齢のがっくん。
もう、ドラマが終わってしまったと思うと寂しくて、がっくんロスです。
そういえば、以前「大奥」のドラマが終わったときは、私は「瀧山ロス」になったんでした。
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