酒井の視点――Xで賛否が広がるカフェでのケープ授乳について
「酒井の視点」は、ざっくばらんに最近の子育てのことを語ります。ぜひ気軽に読んでください!
最近Xで、「カフェでケープを使って授乳していたら、『たくさんの方がいますので…』とお店の方に注意されてしまった」という体験談が賛否の声を呼んでいます。
ママを支持する人は「赤ちゃんの食事だから」と擁護し、反対する人は「プライベートな行為は避けてほしい」と反発しています。
突拍子もない意見は別として、私は賛成派だけでなく反対派の意見にも「そう感じる理由があるのだろうな」と思いました。Xのコメントを見ていると、お互いの正しさを主張するばかりで、理解が深まるというより溝が深まっているように感じます。
私の仕事はマタハラ防止です。だからこそ、「なぜ反対するのか」「どうしたらお互いに理解し合えるのか」を考えてみました。
「カフェでケープ授乳」の背景
街のカフェで、赤ちゃんを連れたお母さんを見かけることはありませんか? もしかすると「平日の昼間から、のんびりコーヒーを飲んでいいな」と感じる方もいるかもしれません。
でも、その背景には、多くの方が知らない「過酷な日常」があります。
▼ なぜ、彼女たちはカフェにいるのか
産後のお母さんの毎日は、24時間体制で3時間の細切れ睡眠、言葉の通じない赤ちゃんと二人きりの「閉ざされた空間」での格闘です。一睡もできないまま朝を迎え、社会から取り残されたような孤独感に襲われる。そんな時、カフェは単なる飲食店ではなく、「社会と繋がれる唯一の窓」であり、心折れそうな時の「避難所」なのです。
深夜の孤独を紛らわせるのに歌舞伎町のライブカメラが人気だと教えてくれたママがいました。人が沢山いるのを見ると孤独感が薄らぐとのことでした。
▼ 「子どもを置いてこれない」という当たり前の事実
赤ちゃんは、お母さんがリフレッシュしたい時でも置いてくることはできません。 そして、赤ちゃんのお腹が空くタイミングは突然やってきます。カフェで授乳ケープを使って授乳するのは、決してマナーを軽視しているわけではありません。むしろ、「今すぐ飲ませないと泣き声で周囲を騒がせてしまう」「でも近くに授乳室がない」という追い詰められた状況で、お母さんなりに周囲へ配慮しようとした結果である場合も少なくありません。
▼ カフェで授乳する産後ママに求められるマナー
上記の理由があるにせよ、ママ達にはなるべく端の席に座る、静かに周囲に気を付けながら授乳する、といった配慮はもちろん必要です。
もし「泣き声」や「授乳」に遭遇したら
授乳そのものに抵抗感を持つ人や、食事をする空間では見たくないと感じる人がいることを私は否定しません。
もし「泣き声」や「授乳」に遭遇したら?
そんな時、周囲の皆さんに知っていただきたいことがあります。
「気づかないふり」も一つの配慮
お母さんは、周囲の視線に誰よりも敏感になっています。授乳中(ケープ使用中)であれば、あえて視線を向けず、普段通りに過ごしていただけると助かります。
その「いつも通り」の空気が、お母さんの安心につながることがあります。
少しの安心感が支えになることも
赤ちゃんの泣き声に焦っているお母さんは少なくありません。
もし余裕があれば、温かい表情を向けたり、「大丈夫ですよ」という雰囲気を示していただけるだけで、お母さんの気持ちが軽くなることがあります。
どうしても気になる時は距離を取る
仕事や勉強、大切な会話などで集中したい時もあると思います。
本当は相手に移動してもらいたいという気持ちにもなるかもしれません。
でも、そんな時は無言で席を移るのがスマートな大人の振る舞いです。
自分にとって心地よい環境を選ぶことも一つの方法です。
私は授乳に抵抗感を持つ人の気持ちを無理に変えようとは思いません。
というか、人の気持ちは簡単に変えられません!
でも「なぜカフェでわざわざ授乳するのだろう?」と背景を知ることで、見え方が少し変わることはあるのではないかと思います。
Xでは賛成か反対かの議論になりがちですが、相手にも理由があるのだと想像するところから、本当の理解は始まるのではないでしょうか。
