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【創作大賞感想】イセハラのモトニは「描写の愉悦」を思い出させてくれた

・・・
ええと、どうだっけ?

元高校教師 枝瀬は、
過去うけもったクラスを
思い出そうとしている。

10回担任を
務めたけれど、
あったけ?

5組が最多で5回。
3組が2回。
7組と1組もあったけど、、

あ、あった!!

2組も一度だけやったことがある。

よかった、
これで語る資格がある。。

#なんのはなしですか

何度繰り返しても気持ちいい「言葉の彫刻」

夏目漱石の小説で、

運慶が木彫りの「仁王像」を
作る場面がある。

刀の入れ方がいかにも無遠慮で
少しも疑念をさしはさんでいないようなのに、

仁王の怒り鼻の側面が
たちまち浮き上がってくるので、

見物人が感心して言う。

あれは眉や鼻を鑿(のみ)で作るんじゃない。
あの通りの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、
鑿と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。
まるで土の中から石を掘り出すようなものだから
けっして間違うはずはない。

夏目漱石『夢十夜』(第六夜)より

その様子を見て
語り手(漱石?)は

それなら自分もできるはずだ


樫の木を手あたり次第
彫り始めるのだけど、

ちっとも仁王にならない

が、オチ。

なんで、
そんな小説の筋書きを
紹介したかというと、

コニシ木の子さん
『イセハラのモトニ』は、

2年かけて
彼が作り上げた
文章の彫刻だと思ったからだ。

運慶のように
はじめからあるようには
彫れなかったかもしれないが、

コニシさんは
何度も何度も言葉に挑戦して、
やり直しながら、

ようやく
自分なりに手ごたえのある
作品を彫り起せたという自信に
溢れている。

文学の描写というものは、

何度読み直しても、
気持ちよいものだ。

それは、
『人志松本のすべらない話』のコンセプト

「誰でも“すべらない話”を持っている。
 それは、誰が何度聞いても面白い。」

すべらな~い

に通じている。

きっと、コニシさん自身も
気持ちよく書いたのだろう、
と思った。

自分を描くことにウソがない

舞台の
「イセハラ(伊勢原)」からして、
語り口が気持ちいい。

・山の湘南
・毎年高齢化(お年寄りが自然とやってくる)
・車のナンバーが湘南
・途中の車窓から植木鉢をヘルメット代わりにしている少年を見かけたような気がした

それが伊勢原

これは箇条書きだけど

一つ一つの描写が、

実際、こんな風に地元を
いじくり、ディスりながら
語り続けてきたのだろうな、と

想像できるもので、

通底に感じられるのは
ありきたりだけど、
「地元愛」。


そんな描写の心地よさは、
小説の舞台だけじゃなくて、

・人物設定(ヨッキ、セイセイ、ナオミ婆ちゃん)
・会話文(たとえば「欲は秘めてこそよ」)
・小道具(卵焼きやメモ帳など)

の端々にも感じられる。

実際、
コニシさんの過去の記事に
似たような記述があったよな、

と思わせる箇所もあり、

要は、
この小説は、
一から十まで

コニシさんの
コニシさんによる
コニシさんのための

□□□□□□□□□□□□□□□□
何度読み直しても
グッとこころに響く
言葉群なのである。
□□□□□□□□□□□□□□□□

noteの路地裏には、
コニシさんのファンが
うじゃうじゃ溢れているけれど、

この小説は
路地裏界隈以外の人にも、
ぜひ読んでいただきたい。

ものごとを斜に構えて
ときに拗ねたり、
拗らせたりしながら

ずっとずっと内に秘めていた
自分の中にあるものを

40を過ぎた
中年になって
素直に吐露する。


その情熱に頭が下がる。
カッコいいなあ、と憧れる。


何度も何度も
自分の内側を彫り起こすことに
チャレンジして、

相手に伝わらないこと、
自分への違和感がぬぐえない
表現もあったろう。

コニシさんは
自他に律儀な方だから、

うまくいかないときこそ
自分の言葉に向き合って
彫ってきたはずだ。

この小説の描写は

自分にウソをついていない。

耽美主義

まったくもって
自分勝手な憶測で
感想文を書いている。

ここまで書いて、
はたと気づいた。

コニシさんは
やっぱり運慶だ。

はじめっから

#なんのはなしですか

という言葉の価値は
まっすぐ見抜いていたし、

noteの路地裏で、
ずっとずっと、
その言葉を彫ってきたではないか。

それは、
谷崎潤一郎『刺青』に通じる。

彫り師 コニシ木の子は、
ずっとずっとnoteの路地裏で

(主に)女性の背中めがけて、
「なんのはなしですか」という入れ墨を
彫っていたのだ。

そして、今や
「なんのはなしですか」の
主従関係は完全に逆転し、

コニシさんは
自らが見出した

「なんのはなしですか」の価値に

自らひざまずき、
肥料(こやし)になり、
四つん這いになって、
ふりまわされることに

快楽を見出している。

誰一人到底真似できない
「回収します」コメントの
スピードと的確さ。

あんなの絶対に真似できないと
畏敬の念を抱いていたのだけど、

あれは
真正のMプレイだったのだと
思うと妙に納得できた。


『イセハラのモトニ』は、

徹頭徹尾

なんのはなしですか

の奴隷 
コニシ木の子さん臭の漂う
純文学です。

・・・・そんな感想を言葉にすると
あんまり長くなりそうだったので、
以前の拙記事で、

読んでいない友人に
分かりやすく伝えるには、
言葉を極端にまで
削ぎ落とす必要があるのですが、

3年間noteで彫りつづけた
「なんのはなしですか」という
刺青の魅力に翻弄され続け、

その魔性の力の肥やしとして
四つん這いになって喜んでいる
ご自身の性癖が

端々に垣間見えます。

#なんのはなしですか

拙記事『note19か月】ようやく見えてきた』より

と書いたのだけど、

やっぱり、
この作品については
しっかり言葉にしたくなってしまった。

改めて素敵な作品を
ありがとうございます。

気付けば
1年以上前から
コニシさんのことを記事にしていました。

コニシさんは女性好きと
うかがいましたが、

大変残念なことに
同世代のおっさんにも熱烈なファンがいること、
気味悪がらないで受け入れて下さいね(˶˙๏˙˶)♡‬

7月13日もよろしくお願いします。

人見知りなんで、
たぶんずっと下を向いていると思いますが。

今日はここまで。

最後までお読みくださり、
ありがとうございました。
嬉しくてタコ吹いちゃいます‪(˶˙๏˙˶)♡‬


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