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アナウンサーから子どものサポートに全振り転身!親子でサバイブした3年間を振り返る【EDUBAL more! インタビュー企画#3】

【EDUBAL more!インタビュー企画について 】
海外駐在・在住ファミリーにまつわる個人のエピソードやユニークな取り組みを行っている団体にインタビュー形式で直接お話を伺い、EDUBAL more!のnoteを通して広くみなさまに情報をお届けして参ります。

今回お話を伺ったのは、ご主人の仕事の関係でアメリカ・ロサンゼルスに駐在して3年になる大塚奈央子さんです。

日本での民放放送局でのアナウンサー経験10年とフリーアナウンサーとしての5年のキャリアを経て、2人のお子さんと共にロサンゼルスに帯同しています。
この夏には日本への本帰国が決まっている大塚さん。3年間の海外生活をふりかえっていただきました。

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現地校生活のはじまり

LAでは珍しく、周囲に日本人は大塚さんファミリーだけという環境でスタートした現地校生活。そこに慣れるまでの道のりは困難と試行錯誤の日々でした。

ーー3年間のアメリカ生活のなかで最も印象に残っている出来事はありますか?

息子が現地校に通いはじめてからの最初の1週間ですね。
5歳で渡米した息子は、異国の地で現地校生活がスタートしました。
英語が全く理解できなかった息子は、初日で現地校の空気を知ったようで、2日目からは「行きたくない!」と朝から号泣。
それでも「学校には行くものだ」ということは理解していて、最終的には繋いだ手を離して門を潜り抜けていく小さな背中を涙をこらえながら見届ける毎日でした。

なんとか毎日学校に通い「最初の週を終えられそう。私も息子もよく頑張った!」と少し晴れやかな気分になっていた金曜日、学校から電話がかかってきたんです。

息子が教室から外に出て、戻ってこないと。

慌てて2歳の娘を連れて学校へ向かうと、そこにはアシスタントの先生と一緒に蝶々を追いかける息子の姿がありました。

「どうして教室飛び出しちゃったの?」と息子に尋ねると、

「うーん……だって、もうわけがわからなくなって」

「いや」「かなしい」という感情さえも「わからない」状態まで追い込まれてしまった息子の姿に、涙がこぼれました。

「私もサポートします、学校側もサポートをお願いします!」と、つたない英語ではありましたが、やや強気で必死に訴えました。この日をきっかけに、私も息子と一緒に現地校生活に溶けこもうと決意しました。

ーーどんなサポートをされましたか?

まずは、英語が全くわからない息子のために、意思表示ができる手作りのひらがな英語カードを作成しました。水を飲みたいときは”みず(water)”のカードを見せる、というようなものです。
でもこれで全て上手くいくなんてことはもちろんなくて、言葉が理解できない現地校生活に苛立ち、カードを破って一緒に泣いたこともありました。
それでも「やっぱり作って欲しい」と息子が言ってくれて、破れたり落としたりを繰り返しながら4代目を作成するに至りました。
これを使うというより”お守りがわり”だったんだと思います。

すると、逆に学校側からも「先生の想いも伝えたいので、’’You did it!”や”All done”なども作ってほしい」と思いもよらぬリクエストが。「De ki ta ne!(できたね/You did it)」や「O shi ma i(おしまい/all done)といったカードを作りました。
こんな簡単なカードですが、日本から来た親が我が子と向き合おうと必死にもがいていることが、学校側に伝わったのかなと思いました。たくさんコミュニケーションを取って、息子のことを気にかけてくれた校長先生や先生方にはとても感謝しています。

現地校で直面した厳しい現実

ーーインスタグラムではお子さんが遭ったいじめや差別などのトラブルについても赤裸々に発信されていますね。

息子は仲間はずれにされたり、差別的な言葉を耳にしてしまったりと、何度か悲しい経験をしています。

「SUSHI(すし)」と呼ばれたり「日本人が嫌い」と面と向かって言われたり、日本ではめったに経験しないようなトラブルもありました。
そういう事があったときは、息子には「これは相手の問題であり、相手が発した言葉だから、あなたには何も影響はないよ」と伝えています。これは以前、現地のママから言われた言葉です。

トラブルが起きたときは、とにかくすぐに学校に相談していました。すると、校長先生自ら対応に当たり、話し合いの場を設けたり、全校集会で子どもに注意喚起をしてくれたりと、驚くほど迅速かつ丁寧に対応してくださいました。

ーー息子さんは、お母さんのその心強い言葉に助けられたのではないでしょうか。

異国の地で「ママパパは絶対味方だ」という信頼関係を子どもと築くことはとても大事だと思います。親は積極的に介入し、何があっても守る姿勢を子どもに見せることが安心に繋がった気がします。だって、異国の学校で、子どもは1人でサバイブしているんですから。
日本には「察する」「空気を読む」なんて言葉がありますが、アメリカでは、声を上げないと誰も気付いてくれません。

現地ママと仲良くなるための英語術

インスタグラムでは、日常に活用できる英語フレーズを「ママ英語」と称して発信されている大塚さん。息子さんと同様、ママも一緒に奮闘している姿がたくさん投稿されています。

ーー大塚さんは、もともと英語は得意でしたか?

数ヶ月の留学経験はありますが、もう20年以上前のこと。決して英語がペラペラ話せるわけではありません。

ママ友に言われた言葉に対して、うまく返答ができなかった日は、その日のうちに「どのように答えたら良かったのか」をAIに相談したり調べたりして復習し、少しずつ話せるフレーズを増やしていきました。ただ、英語学習をするよりも、自分が伝えたかった思いをしっかりと英語に落とし込むことで、その言葉が自分のものになって言った感覚はあります。

英語がうまく話せなくても、不安や悩み、素直な気持ちをオープンに伝えてみることで、想像以上に多くの人が手を差し伸べてくれました。
友達が出来たことで、息子はプレイデートや誕生日会に呼ばれるようになり、私自身も現地のママしか知り得ないような地域情報や生活の知恵を教えてもらうなど、現地の繋がりによって、アメリカ生活が彩られていきました。

1学年1〜2クラスの小規模学校なので、学年問わず色々な家庭と繋がることが出来たのも運が良かったのかもしれません。

今回の駐在生活では、教科書や参考書で学んだ英語・英会話ではなく、現地のママと実際に会話することが、私にとって”今必要な英語力”を高める近道だと肌で感じましたね。

ーー大塚さんがおすすめする、相手と距離を縮めるためのコツはありますか?

私の場合、定型文を用意していました。

  • It’s been three months since I came to America.(アメリカに来て3ヶ月です)

  • I’m learning English.(英語を勉強中です)

  • I’m from Aichi, which is famous for TOYOTA.(トヨタで有名な愛知から来ています)

などなど。
大切なのは「仲良くなりたい」「あなたとコミュニケーションを取りたい」という気持ちを相手にわかってもらうこと。文法が間違っていても、簡単な単語を並べるだけでもいいんですよね。
英語は「恥ずかしい」ものではなく「世界を広げるツール」であり「自分の生活を楽しくするツール」だと気づけました。もちろん、私も未だにwaterが通じなくて凹むこともありますが、最終的に伝わればいいと思って、毎回挑戦しています。

キャリアについて

ーーインスタグラムのほかにAERA with Kidsのアンバサダーとしても活躍・発信されていますが、きっかけは何ですか?

海外駐在中に感じていた焦りやキャリアへの不安を少しでも解消する手段として、そして「専業主婦」である今の自分にできることは何かと考えたのがきっかけです。
もともとアナウンサーとして情報発信を生業としていたので、この貴重な駐在生活での思いや体験をインスタグラムで「公開日記」として発信することにしました。投稿することで自分自身も振り返ることができるし、気づけば、同じような境遇の方にたくさん共感していただけるようになったのは、とても嬉しかったです。
今回のインタビューもそうですが、今の私にとって、インスタグラムは多くの人と繋がるとても大切な自己表現の場になっています。

ーー駐在が決まり、キャリアに悩まれたとのこと。そこからのマインドの変化について教えてください。

渡米して1年半が経ったころ、帰国へのカウントダウンが始まったような感覚があり「自分のキャリアはこれからどうなっていくのだろうか」と漠然と焦りを感じ始めたんです。
そのとき現地のママに相談したら
”I would never trade it for anything(この子育ての期間は何にも代えられない).”

と言ってくれたんです。
「限られているこの時間、子どもと向き合えることはとても幸せなこと。海外で子育てをし、家族をサポートするなんて立派なキャリアじゃない!こんな経験をしている日本人のママはどれくらいいるの?」

今の自分を認めてもらえた気がして、この限られた時間に集中せねばと思い起こさせてくれた瞬間でした。そこからは、ボランティア・教会ママサークル・コミュニティイベント・大学に通ってみるなど、あらゆるものに飛び込み、今しかできないこと、今しか会えない人との時間を大切にしました。

これからのこと

ーー本帰国されるとのことですが、ふり返ってみてどんな3年間でしたか?

「とにかく思い切りアメリカを体験するぞ!」と決意を固め、渡米してから早3年。楽しさと優しさに包まれた、幻のような期間でした。
ワンオペで育児する時間が多かった状況だったからこそ、周囲に頼ることができ、結果的にたくさんの人と積極的に繋がりを深めることができました。正直、こんなに本帰国が寂しく感じるほど、満たされた駐在生活を送ることができるなんて、不安を抱えながら渡米したあの頃の私には想像もつきませんでした。感謝の気持ちでいっぱいです。

ーーご自身やご家族の「これから」について教えてください。

アメリカでは、現地のお母さん方にとても助けられたし、現地との繋がりが生活の質を高めてくれるということを実感しました。
その経験を活かして、名古屋に戻った際には、名古屋に駐在しているもしくは住んでいる外国人のママたちを繋げるコミュニティを作り、お役に立てることができたらいいな…なんて、実現可能かわかりませんが青写真を描いています。

ーー帰国後の心配事はありますか?

全てが心配です(笑)。特に、日本の小学校に通うことになる息子にとっては、また大きなチャレンジだと思います。ルールや仕組みに戸惑うことは多いだろうし、日本語の読み書きも遅れているので。

アメリカでの生活を通じて、学校と密にコミュニケーションをとることが、子どもたちの居心地の良い学校生活に繋がると実感しました。だからこそ日本でも、学校との心地よい距離感を探りながら、丁寧に会話を重ねていきたいです。先生方にも力を借りつつ、私も全力で息子のサポートをしようと思っています。

ーー自分のキャリアについて悩んだり、海外生活に不安を抱いている女性へメッセージをお願いします。

令和の駐在ママさんたちは、日本ですでにキャリアを積んでいる方も多く、迷う事項も多様だと思います。さらに、情報過多な時代だからこそ、人と比較して落ち込んだりしてしまうことも多いですよね。私もその1人でした。
何が正解というのはないからこそ、今の自分を認めてあげて、少しでも自信を積み重ねていくことが大事なのだと感じます。

まずは、日々感謝の気持ちを持ちながら、今しかできないことに、今しか会えない人に目を向けて、小さな一歩を踏み出してみることが大切だと感じています。
ボランティア、ESL、学校に通うなど身近なものから行動すれば、目の前になんとなく道が出来ていくんだと思います。でも、一番大切にして欲しいのは「無理しないこと」。家族のために…という思いが強くなり、自分のことを後回しにしてしまいがちな駐在生活。自分が心地いいと思えることや、人、タイミングに素直に耳を傾けてあげてくださいね。


紡がれる言葉のひとつひとつが、とにかくポジティブ。きらきらとした笑顔で、元気はつらつとお話しされる大塚さんを見ていると、こちらまで心の奥からパワーが湧いてきました。
日本に帰国されてからの活躍も楽しみです!

大塚さんのインスタグラムはこちらから♪

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