AI:DEA#26 Apple Visionの先にある「どこでもドア」みたいな未来
Apple Vision Proを何度か体験したことがあるんだけど、その中でも特に「これはヤバいな」と思ったのが、Apple Immersive Videoみたいな没入型の動画。
あれ、かなりすごい。
普通の映像を見るのとは全然違って、画面の向こう側を見ているというより、もうその場に入っている感じがする。

正直、今のApple Vision Proは高すぎる。
一般の人が気軽に買うにはまだまだ厳しいし、今は一部の開発者とか、ガジェット好きとか、映像関係の人が触っている段階に近いと思う。
でも、これが将来的にもっと小さくなって、軽くなって、価格も下がって、普通に買えるものになっていったら、かなり面白いことが起こると思っている。
家にいながら世界中の特等席に座れる

ざっくり言うと、「どこでもドア」みたいな体験が手に入るんじゃないか、という話。
スポーツ観戦、ライブ、コンサート、演劇、ブロードウェイ、オペラ、花火大会。
世界中のいろんなイベントに、家にいながら参加できるようになる。
しかも、ただの配信ではない。
テレビで見るとか、YouTubeでライブ配信を見るとか、そういう感覚とはたぶん別物になる。
目の前にステージがある。
ピッチのすぐ横にいる。
客席の最前列に座っている。
花火が頭の上で広がっている。

そういう体験にかなり近づいていくと思う。
今のイベントって、基本的には物理的な席の取り合いだ。
S席は何人分。アリーナ席は何人分。劇場のキャパは何人まで。
全部、会場の大きさで決まってしまう。
でも、VRチケットとかイマーシブ配信になってくると、その制約がかなり変わる。
理屈の上では、1万人でも10万人でも、同じような特等席体験を届けられる。
「最前列が足りない」という問題が、かなり変わってくる。
これは普通に夢がある。
サッカー観戦とか、かなり相性が良さそう

たとえばサッカー。
ワールドカップみたいな大きな大会を現地で見るのって、かなり大変だと思う。
チケット代も高いし、飛行機代も宿泊費もかかる。
そもそもチケットが取れるかどうかもわからない。
でも、VRゴーグルがもっと一般的になったら、家にいながらテレビとは比べ物にならない臨場感で試合を楽しめるようになるかもしれない。
ピッチサイドにいるような視点。
ゴール裏の迫力。
スタジアム全体の熱気。
選手との距離感。
これを家で体験できるなら、かなり楽しい。
しかも、複数台のカメラがあれば、自分で視点を切り替えることもできそう。
ボールを追う視点。
ベンチを見る視点。
全体を俯瞰する視点。
ゴール前に固定された視点。
今のテレビ中継は、基本的に制作側が選んだ映像を見る形になっている。
もちろんそれはそれで見やすいんだけど、VRや空間映像なら、見る側が「どこから見るか」を選べるようになるかもしれない。
観戦の自由度が一気に上がる感じがする。
見る側だけじゃなく、イベント側にもかなり大きい

これ、見る側が楽しいだけじゃなくて、イベントをやる側にもかなり大きいと思う。
ライブでも舞台でもスポーツでも、会場のキャパにはどうしても限界がある。
どれだけ人気があっても、会場に入れる人数以上には売れない。
しかもイベントって、めちゃくちゃお金がかかる。
会場費、設営、音響、照明、演出、人件費、警備、移動費。
チケットが完売しても、意外と余裕がないケースもあると思う。
黒字にするにはチケット代を上げる必要がある。
でも上げすぎると、今度は来られる人が限られてしまう。
だからグッズ販売とか、VIP席とか、スポンサーとか、配信チケットとかで補っているわけだけど、ここにVRチケットが入ってくると、かなり構造が変わる気がする。
物理会場の席数はそのまま。
でも、その外側にもうひとつ大きな観客席を作れる。
しかも、ただのライブ配信ではなくて、かなり臨場感のある体験として売れる。
地方に住んでいて行けない人。
海外公演で行けない人。
抽選に外れた人。
体調や家庭の事情で現地に行けない人。
チケット代や移動費が高くて諦めた人。
そういう人たちにも、イベントを届けられるようになる。
これはかなり大きい。
無限キャパのコンサートホールみたいになる

物理会場には、どうしても限界がある。
1万人の会場なら最大1万人。
5万人のスタジアムなら最大5万人。
どれだけ人気があっても、それ以上は入れない。
でもVRチケットなら、ここが変わる。
世界中のどこにいても参加できる。
同じような最前列体験を、何万人にも届けられる。
つまり、イベント会場が「無限キャパを持つコンサートホール」みたいになる。
これ、かなり面白い未来だと思う。
チケットをもっと多く売れるようになれば、その分だけイベント自体にもお金をかけやすくなる。
ステージをもっと豪華にする。
照明や映像演出をもっと強くする。
空間映像用のカメラ位置をちゃんと設計する。
現地向けの演出と、VR向けの演出を分けて考える。
そうすると、現地体験もさらに良くなるかもしれない。
VRが現地の代わりになるというより、現地は現地で特別。
VRはVRで別の特等席。
そういう分かれ方をすると、かなり良い。
技術的にはまだ大変。でも来ると思う

もちろん、今すぐ全部できるわけではない。
4Kとか8Kみたいな高品質な映像を、リアルタイムで安定して配信するのはまだ大変だと思う。
カメラの設置も必要だし、映像処理も必要だし、通信帯域もいる。
遅延の問題もあるし、デバイス側の性能、熱、バッテリーの問題もある。
ただ、このあたりは時間とともに解決されていくと思っている。
大容量・低遅延の通信基盤も進んでいる。
NTTが進めているIOWNみたいな構想もあるし、今後はもっと大きなデータを扱いやすくなっていくはず。
デバイスも今は高いけど、技術が成熟すれば、小さくなって、軽くなって、価格も下がっていく。
スマホだって、最初から今みたいに誰でも持つものだったわけではない。
Apple Vision Proは、今の時点ではまだ「みんなが持つ完成品」というより、未来の体験を先に見せてくれているプロダクトに近い気がする。
イベントの楽しみ方が変わりそう
この技術が広がっていくと、イベントの楽しみ方そのものが変わりそうだなと思う。
今までは、イベントに参加できる人は限られていた。
その場所まで行ける人。
その時間に予定を合わせられる人。
チケットに当たった人。
移動費や宿泊費を払える人。
身体的にも家庭的にも外出できる人。
でも、VRチケットが普通になれば、その制約がかなり減る。
もちろん、現地に行く価値は残る。
むしろ現地体験は、今よりもっとプレミアムになるかもしれない。
一方で、現地に行けない人にも、かなり高いレベルの体験を届けられる。
テレビ中継より深くて、普通のライブ配信よりも没入感がある。
家にいるのに、世界中のイベントの特等席に座れる。
これ、かなり楽しい未来だと思う。
まだ高い。でもこれは来そう

今のApple Vision Proは高い。
重さもあるし、普及にはまだ時間がかかると思う。
でも、Apple Immersive Videoみたいな体験を一度見ると、「これはいつか普通になるやつだ」と感じる。
単なるガジェットの話ではなくて、スポーツ、ライブ、演劇、音楽、観光、教育、報道みたいな、いろんな体験の届け方そのものを変える可能性がある。
会場キャパの限界。
チケット収益の限界。
地方や海外のファンに届けられない問題。
抽選に外れた人を取りこぼしてしまう問題。
そういう制約を、一気に変えるポテンシャルがあると思う。
家にいながら、世界中のイベントの特等席に座れる。
どこでもドアみたいに、行きたい場所へ行ける。
まだ少し先の話かもしれない。
でも、あの体験を見てしまうと、かなり期待したくなる。
