「ラポールを築かない」という勇気──感情的な相手から自分を守るNLP的選択
「感情的な相手とどう関わるか」について以前noteで記事を書きました。
こちらの記事にはたくさんの反響があり、ある弁護士さんからもこんな感想をいただきました。
「私たち弁護士のもとに来る方の中には、社会通念上“境界を越えている”ような状態の方もいらっしゃる。だからこそ、丁寧に寄り添いすぎると、こちらが痛い目にあうこともある。結果として、必要以上に線を引いた対応をしてしまう自分がいる。」
この話を聞いて、改めて伝えたいと思ったことがあります。
それは、ラポールスキルは「信頼関係を築きたい相手」にだけ使えばいいということです。
BtoC対応の多い方や、NLPを学んだ方には、ぜひ読んでいただきたい内容です。
1. 自分を守る、という優先順位
NLPを学んだ人ほど「ラポール=築くべきもの」という意識があるかもしれません。
でも、全員にラポールを築く必要はないのです。
むしろ、自分を守るためには「ラポールを築かない」「ラポールを“あえて作らない”」という選択肢があります。
「この相手に対しては、信頼関係を築くリスクの方が大きい」
心の中で“NO”の反応が出たときには、以下の対応を意図的に選択しましょう。
2. ラポールを「築かない」ためのスキル
私が考える、“あえて築かない”ためのスキルは以下の3つ:
・ミラーリングしない
無意識の反応で相手の身体言語を真似しないようにする。ただし、あえてズラす必要はない。
・マッチングしない
声のトーンやペースなど、自分は自分のリズムを崩さずに話す。
相手に引きずられず、(例えば弁護士さんらしい)「一定のスタンス」を保つ。
・バックトラッキングで“まとめて切る”
要約のバックトラッキングを活用して、長く感情的になっている相手の話を冷静に“収束”させていく。
例:「つまり、こういうご状況ということですね」
→ 話をコンパクトにまとめることで、感情の波に巻き込まれにくくなります。
3. 「相手のために」ではなく、「自分の安全のために」
感情的な相手に巻き込まれすぎると、自分のメンタルや信頼、さらには仕事の継続すら危うくなることもあり得ます。
信頼関係を築くというのは「覚悟」でもあります。
だからこそ、「この人にラポールは要らない」と判断できる冷静さと選択力が必要だと思うのです。
4. 誰にでも優しくしなくていい
特に弁護士、医療、福祉、教育、BtoCの現場では、「相手を守るため」ではなく「自分を守るために」時には距離をとる必要があるのです。
全員に優しくしようとすると、自分が削られてしまうこともあります。
それでも“申し訳なさ”や“冷たく見られること”に抵抗を感じる人もいるかもしれません。でも、あなたが壊れてしまったら元も子もありません。
「この人には成果を見出したい」と思える人にこそ、ラポールを築く。
その意図と選択こそが、“プロ”のコミュニケーションではないでしょうか。
結論
優しさと自己犠牲は違います。
相手と信頼関係を築く前に、自分との信頼関係を築いておくこと。
そして、誰とどんな関係を築くかを「自分で選ぶ力」を持つこと。
それこそが、健やかで続けられる対人支援の根っこだと思うのです。
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