【毎週ショートショートnote】お題:「フフン賞」
大手商社で企画提案のコンテストが行われた
3位、2位、1位、名前が呼ばれるたび、会議室には歓声と落胆が交じる
「次に特別賞を発表します。敢闘賞 大谷君」
「頑張ってたからな!」拍手が沸き上がる
「そして…最後はフフン賞 山下君」
会議室は一瞬静まり返った
「久しぶりだな」パチパチと拍手がおこった
私がもらった「フフン賞」。
あの会場の微妙な空気…どういう位置付けだろうか。
コンテスト後、部署は興奮していた
「3位に竹内君が入った!よくやった!」
「この企画、みんなで予算が付くように後押ししてやろう」
「あの、私もフフン賞で」
「おう、そういえば、山下君よかったな」
__あれ、軽い。明らかにどうでもいいような空気。
<僕はフフン賞について仮説を立ててみた>
見せしめ
方向性が違う企画
将来への期待
1~2は上司の態度を見ると違うようだ。なら3だろうか。それなら敢闘賞との違いがわからない。
<私はモヤモヤしたので敢闘賞の大谷君に聞いてみた>
「敢闘賞おめでとう」
「ありがとう。そういえば山下君も『フフン賞』だったね」
「ぶっちゃけ、敢闘賞とフフン賞どちらが良かった?」
「比べる意味ないよ。将来、プロ野球選手になるのと仮面ライダーになるの、どちらがいいか決めれるのかい?」
___ちょっとまて、仮面ライダーは魅力的だが職業なのか?リアルでどうやって収入を得てるんだ?ローンや保険は降りるのか?この例え、どっちが仮面ライダーなんだ?
私は混乱した、「フフン賞」は
「フフン!」「ウッフーン」「フフーン」どれだよ!
私は社内データベースで過去のフフン賞を調べた。3年前、10年前、やはり数年に1度しか出でいない。私は受賞者の企画を読んだ。
〇スマホ背景音アプリの有効性
とっさの言い訳に対応。「駅」「会議室」「オカン」など、背景の環境音を偽装する
〇「表示眼鏡」の開発と展望
ディスプレイレンズに架空の目を映し出し、眠たい会議でも真剣な表情を表示。クレーム対応では涙目モード
私はようやく理解した。
「フフン」
田原にか様 いつもお世話になっております。
