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第41話 General Terms and Conditions は交渉不可なのでしょうか?

「こちら、当社の一般条項となっております」

商取引がまとまると、契約書を作成する必要がでてきます。そのとき相手方から出てくる契約書に、しばしば「一般条項」というものがついてきます(どのようなことが書いてあるかは、第30話から34話参照)。売買契約や代理店契約に限らず、サブスクリプション契約、ファイナンス契約など、大抵の取引に存在します。 

一般条項とは何ですか?

「一般条項」は、商品名や価格のように個別の取引ごとにではなく、その「型」の取引について、すべての顧客に共通に適用されるべきものを取りまとめておいて、契約交渉の簡略化を図ると共に、権利義務を統一的に管理するために作られた契約条件です。(☚これがポイント)
 
英語では ’General Terms and Conditions’、’Terms of Trade’、’Conditions’ などと呼ばれます。
 
一般条項は契約書本体に組み込まれていることもあります。そのときは最後の方に、’General Provisions’ とか、’Miscellaneous’ といった標題のもとにまとめられていることが多いようです。 

しばしば契約書式の裏面に印刷してあったり(そのため「裏面約款」と呼ばれます)、別紙になっていたり、また契約書の最後の方に「こちら参照」としてURLが書いてあったりもします。

一般条項の現実

理論は上の通りですが、渡された側からすれば、こんな気の重くなるものはありません。
 
量は膨大で、しばしば小さな字で印刷され、インクの色もうすく、当たり前ですが、必ず作成者に有利にできています。さらによく読むと当該取引には必ずしも関係ないことが書いてあることも少なくありません。また、国際的な企業の提示してくるものには、本社所在国の法律家が書いたと思われる、我々にはなじみのない思考経路と構成によるものもあります。 

交渉封じ(?)

一般条項の作成者は自らの法的利益に加えて、「如何に交渉しにくくするか」ということを考えます。過去の経験に照らして条項数を増やし、ほとんど起こりえない事柄も含めて、ありとあらゆることを想定し、訂正しにくいように複雑怪奇な文章にし、クモの巣のように相互に関連したことを書いた上で、あたかも芸術作品のように「完成品であって変更不能」に感じられるように作って…、と手練手管を尽くすのです!

一般条項も「交渉可能」です

相手は「一般条項は交渉できないもの」と思ってもらいたいのです。しかし全くそんなことはありません!そう思ってしまった瞬間に相手のワナにはまったも同然です。値段、数量、引渡日と同じく、契約書に書いてあることはすべて交渉の対象になりえます。(☚これがポイント)

取りあえず読むための工夫

一般条項を示されたら、ため息をつかないでまず読んでみましょう。くじけずに読むために、相手のフォーマットをそのまま受け入れないで、読みやすくする工夫をします。
 
① 紙で渡された場合は、スキャンしてデータに変換する
② 自分の気に入ったフォントに変える。
③ 大きなフォントで表示する。
④ 文章毎に(段落毎ではありません)スペースを挿入して改行する
⑤ 検討のために、紙に印刷する
 
これだけで「読もう!」という気になれるので不思議です。

内容を分類する

読みながら内容を大まかに分類します。
 
① 受諾可能なもの(’acceptables’)。
② 譲歩すらも不可能。削除に応じてもらえないなら、破談もやむを得ないもの(’unacceptables’、’deal-breakers’)。
③ 変更してくれれば受けてもよいもの、つまり交渉可能なもの(’negotiables’)。
 
こうして方向性を確立してから交渉に臨みます。 

分からないことは質問する

質問事項を明らかにすることも大切です。意味が分からないことは当然として、目的や妥当性が分からないものについても質問します。
 
例えば食料品の取引をしているときに「安全保障」条項が出てきたら、「なぜその条項が必要なのか」を尋ねるのです。何十万トンの単位で小麦を売り買いするときには、現今の世界情勢では確かにその懸念があるかもしれません。しかしチョコレートをキロ単位で売る契約にはあまり関係なさそうです。ちゃんとした質問には相手も答える義務があるでしょう。
 
山ほど適切な質問をすることによって、相手方に「まだあるのか !?」、と思わせて気落ちさせるのも立派な交渉のテクニックの1つです。(☚これがポイント)
 
次回から何回かに分けて「一般条項」にどのように対処するかを考えてみます。

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