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全体論:アドラー心理学

アドラー心理学には、5つの基本前提という理論があります。
少し前の記事でもご紹介しましたが、今回は全体論をテーマに挙げて、もう少し深堀りしてみようと思います。


全体論とは:私たちは分割できない存在

アドラー心理学を学ぶ上で大切な考え方の一つに「全体論」というものがあります。
これは、人間を心と体、理性と感情といった要素に分けて考えるのではなく、全体として捉える視点です。

私たちは、何かを理解しようとする時に、つい細かく分けて考えがちですが、アドラー心理学では、人間はそれ以上分割できない、一つのまとまった存在として捉えるのです。
最小単位は個人と考えます。
個人の中に含まれる、理性や感情や器官などは、存在するけども、それぞれが協力して個人を作りだしている。
私という、個人が最小単位です。

心と体の協力:矛盾しているように見える行動の裏側

例えば「すぐに怒ることをやめたいけれど、どうしてもやめられない」という人がいたとします。
一見すると、この人の心の中には「やめたい」という気持ちと「やめられない」という気持ちの葛藤があるように見えるかもしれません。
しかし、全体論の立場から考えると、この人は結局「すぐに怒ることをやめない」という一つの行動をとっています。
これは、「すぐに怒ること」という行動を通して、その人なりの目的を達成しようとしていると考えるのです。
例えば、家族を威圧、委縮することでコントロールしようとしたり、仕事の課題を遠ざけるには都合がいいかもしれません。
つまり、表面的には矛盾しているように見える思考や感情も、「結局している行動」という一つの目的に向かって協力していると捉えるのです。

葛藤はどこに?:個人の中ではなく人間関係の中に

このように考えると、葛藤は個人の内側にあるのではなく、むしろ人と人との間にあると捉えることができます。
先ほどの例で言えば、「すぐに怒ることをやめない」という行動は、委縮する家族との関係性の中で意味を持っている可能性があります。
もしこの人が誰とも関わりなく一人で生きていたとしたら、「やめたいけどやめられない」という葛藤が生じるでしょうか?
おそらく、よりシンプルに「怒りたいから怒る」という状態に近いかもしれません。
もしかしたら、怒る必要もなくなるかもしれません。

全体論を理解すること:全体論から見る私たちの行動

全体論の考え方を理解することは、自分自身や周りの人の行動をより深く理解する一助になります。
何か一つの行動に注目するだけでなく、その人の全体がどのような目的を持っているのか、そして周りの人との関係性の中でその行動がどのような意味を持っているのかを考える視点を持つことができるでしょう。
私たちの思考、感情、行動は、それぞれがバラバラに存在するのではなく、全体として一つの目的に向かっている
この全体論の視点を持つことで、より豊かな人間理解に繋がるきっかけになるかもしれません。

全体論とは:行動の背後にある統一された目的と考えてみてください。
結局している行動を考え、目的を考え、対人関係の中でどんな意味を持っているのかを考えてみると、新たな発見があるかもしれません。

この考えや意味づけも、その人の主観的考え(フィクション)ではありますが、それはまた仮想論の時にでもお話しします。



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