【読書感想文】踊りつかれて 塩田武士著
直木賞候補作で読了した作品の感想文シリーズ、最後となるのはは塩田武士さんの「踊りつかれて」です。
塩田さんというと、映画化された「罪の声」や、これまた映画化された「騙し絵の牙」など話題作の多い方ですが、なにげに好きなのが「デルタの羊」。
アニメ業界を舞台にした作品ですが、登場人物が魅力的で、また愛媛県松山市が舞台だったのもいい!印象深い一作です。
さて、「踊りつかれて」ですが、冒頭から過激的な言葉が並びます。
ネットでの炎上をきっかけに自殺した芸人の天童ジョージと、週刊誌の記事がきっかけで実質芸能界を引退した歌手の奥田美月。
彼らに対し、ネットで悪質な書き込みをした一般人や悪意ある記事を書いた記者の個人情報が突如ネット上で公開される事件が発生。もしも自分の身に起きたらと思うと、それだけでぞっとします😟
犯人はあっさりと判明し、なぜ犯人の瀬尾がこのようなことをしたのか?に物語の大半が費やされます。
明らかになったのは、美月の壮絶な過去と、美月からジョージへと繋がる不思議な縁。
媒体が変わっただけで、今も昔も変わらぬ、有名人に対する誹謗中傷。
自分がそれをした時、どんな反撃も受け止める覚悟はあるのか?いや、誰もあるわけがないという、警鐘を鳴らす濃厚な作品でした。
追伸・僕が今回読んだ直木賞候補作の中で、この「踊りつかれて」がストーリーといい、テーマといい、一番受賞する可能性があるのでは?と思っていました。
結果は残念でしたが、塩田さんなら受賞にふさわしい作品を出してくるはずと願ってます。
