「海外在住」で英語は話せる。でも英検準1級になると苦戦するのはなぜ?
はじめに
海外で生活しているお子さんの英検受験について、
ご相談をいただくことがあります。
特に最近感じているのが、
「日常的に英語を使っている。会話にもそれほど困っていない。
でも、英検準1級になると急に難しくなる」
というケースです。
海外在住のお子さまについて、
英検準1級受験に向けたお問い合わせをいただくことがあります。
海外生活の中で日常的に英語を使っていても、
「英検特有の語彙や長文が難しい」
「ライティング対策が十分にできていない」
「スピーキングも英検向けの練習が必要」
というご相談です。
これは決して珍しいことではありません。
英語が話せることと、英検準1級に合格することは別
海外在住のお子さんの場合、
日常会話や学校生活で使う英語には慣れていることが多くあります。
発音もきれいですし、リスニングにも強い。
ところが英検準1級になると、
それだけではなかなか得点につながりません。
なぜでしょうか?
一つは、英検準1級で扱われるテーマそのものが難しいからです。
たとえば、
森林伐採
環境問題
再生可能エネルギー
少子高齢化
教育格差
観光と地域社会
科学技術の発展
など。
大人ならある程度イメージできるテーマでも、
小学生、特に低学年のお子さんにとっては、
「そもそも、それってどういうこと?」
というところから始まることがあります。
小学生に「森林伐採について書いて」と言っても、
たとえば英作文で環境問題が出てきたとします。
「森林伐採が環境に与える影響について考えましょう」
と言われても、小さなお子さんの場合、
「森林伐採って何?」
となっても不思議ではありません。
これは英語力の問題ではありません。
日本語で聞かれても、まだ十分に考えたことのないテーマなのです。
そんなお子さんに、
いきなり英語で意見を書かせても難しいのは当然です。
そこで、まず、
「森の木をたくさん切ったら、動物たちはどうなると思う?」
「木がなくなったら、森はどうなるかな?」
「私たちの生活にはどんな影響があるかな?」
そんな身近な言葉に置き換えて、一緒に考えていきます。
「ああ、そういうことなんだ!」
とテーマを理解できれば、そこから自分の意見が生まれます。
そして、その考えを英検準1級で求められる英語にしていくのです。
必要なのは「英語を教えること」だけではありません
私は、海外在住のお子さんの英検準1級対策では、
次の3段階がとても大切だと感じています。
① 問題のテーマを理解する
まず、その社会問題が何なのかを年齢に合わせて理解する。
② 自分の意見と理由を考える
賛成・反対だけではなく、「なぜそう思うのか」を整理する。
③ それを英検で評価される英語にする
語彙・構成・文法を整え、ライティングや面接で得点できる形にしていく。
海外で英語を使って生活しているお子さんの場合、
③の「英語にする力」はすでにかなり持っていることがあります。
ところが、①と②で止まってしまう。
ここが意外な落とし穴なのです。
「英語はできるのに、なぜ英検では点が取れないの?」
保護者の方からすると、不思議に感じるかもしれません。
海外の学校に通い、友達とは英語で話している。
授業も英語で受けている。
それなのに、なぜ英検準1級のライティングや面接で苦戦するのだろう?
でも、英検準1級で必要なのは、単なる英会話力ではありません。
難しい語彙を理解する力。
社会的なテーマについて考える力。
自分の意見を理由とともに整理する力。
そして、それを試験で評価される形で表現する力。
これらが組み合わさって、初めて得点につながります。
ですから、
「英語ができないから準1級に受からない」
とは限りません。
むしろ海外在住のお子さんの場合、
すでに持っている高い英語力を、
まだ「英検で得点する力」に変換できていないだけ
というケースも少なくないのです。
海外在住のお子さんには、その子に合った英検対策を
年齢も違えば、海外在住歴も違います。
得意な分野も違います。
会話やリスニングは十分だけれど、英検特有の語彙が弱いお子さん。
英語は流暢だけれど、ライティングになると
何を書けばよいか分からなくなるお子さん。
面接で英語を話すことには抵抗がなくても、
社会的な質問になると答えが浮かばないお子さん。
必要な対策は一人ひとり違います。
だからこそ、まず現在の英語力だけでなく、
「英検準1級の問題をどこまで理解し、自分の考えを作れるか」
を見ることが大切だと思っています。
英語を一から教える必要はないかもしれません。
必要なのは、
その子がすでに持っている英語力を、
英検準1級合格につなげてあげること。
海外在住のお子さんを長く見てきて、
私たちが大切にしたいと感じていることの一つです。
「英語は話せるのに、なぜか英検準1級になると難しい」
もし同じように感じているご家庭がありましたら、
まずはお子さんがどこでつまずいているのかを
見つけるところから始めてみてください。
英語力そのものではなく、
英検のために足りないピースが見つかるかもしれません。

