クリスマスにやってきた、いたずらっ子 ―― 愛犬リノのこと
我が家には、リノという犬がいます。
シーズーとチワワのハーフで、写真のとおり、まんまるの顔にくりっとした瞳。ちょっと舌を出した顔を見ているだけで、こちらの肩の力が抜けていきます。
リノが我が家にやってきたのは、二年前の十二月二十五日。クリスマスの日でした。

静かだった、あの冬
実はその少し前、それまで一緒に暮らしていたシーズーのカノンが、空に旅立ちました。
カノンがいなくなった家の中は、とても静かでした。
今でもよく覚えています。
足音も、鼻を鳴らす音も、すり寄ってくる気配もない。
当たり前にそこにあったものが消えると、家というのはこんなにも広く、こんなにも寂しく感じるものなのかと思いました。
私は小さい頃から、ずっと犬と暮らしてきました。
猫を飼っていた時期もありますが、振り返ってみると、いちばん長く隣にいてくれたのは犬でした。
カノン、そしてその前のキャロ。どちらもシーズーで、私の人生のいろいろな時間を一緒に過ごしてくれた家族です。
だからこそ、カノンを見送ったあと、心のどこかで思っていたのだと思います。――この家には、やっぱり犬がいなくちゃいけない、と。
リノとの出会い
そうしてブリーダーさんを探し、めぐり会えたのが、今の愛犬リノでした。
家に来たばかりの頃のリノは、とにかく小さくて、おとなしい子でした。
「ワン」と鳴くこともほとんどなく、静かにこちらの様子をうかがっているような、控えめな性格。最初は緊張していたのかもしれません。
ところが、大きくなるにつれて、リノはどんどん元気になっていきました。
今ではすっかり甘えん坊のいたずらっ子。
家のあちこちでやんちゃを働いては、「ワンワン!」と元気いっぱいに鳴くようになりました。
あの静かだった子はどこへ行ったのやら、と笑ってしまうほどの変わりようです。
でも、その鳴き声が、にぎやかさが、私にはたまらなく愛おしいのです。
一度は静まりかえってしまった家に、リノがまた音と気配を取り戻してくれました。
妻と、リノの初対面
ここで少し、妻の話をさせてください。
私が妻と知り合ったのは、まだカノンが元気だった頃のことです。
妻は海外に住んでいて、いわゆる超遠距離。
日本に来られるのは、年に何度かだけです。
それでも妻はカノンに会ってくれていて、だからこそ、カノンが亡くなったと伝えたときには、自分のことのように悲しんでくれました。
そんな妻に、新しい家族としてリノを迎えたことを伝えると、彼女は「早く会いたい」と、それはもう楽しみにしてくれていました。
そして迎えた、初対面の日。
妻が部屋のドアを開けた瞬間、まだ小さかったリノは、家族の誰かが帰ってきたのだと思ったのでしょう。
トコトコと入り口まで、お出迎えに駆けてきました。
ところが、そこに立っていたのは見知らぬ女性。
リノはピタリと足を止め、しばらく彼女の顔をじっと見つめたあと――くるりと後ろをむいて、一目散に部屋の奥へ逃げていってしまったのです。
私と妻は、思わず顔を見合わせて大笑いしました。
あの時のリノの動画は、今でも二人で見返したりします。
すくすくと、けれど少しだけ心配なこと
そんなリノも、今ではすっかり大きくなり、毎日すくすくと元気に過ごしています。
ただ、ひとつだけ気がかりなことがあります。
リノは膝の関節が少し外れやすいようで、ときどき後ろ足を上げたまま、ピョコンと走ったりするのです。
場合によっては手術が必要になるかもしれず、今はかかりつけの獣医さんと、そのことについてじっくり相談しているところです。
心配がないと言えば嘘になりますが、リノが少しでも快適に過ごせるよう、できることを一つずつ考えていきたいと思っています。
犬と暮らすというのは、別れの悲しみも、出会いの喜びも、そして時には小さな心配ごとも、まるごと引き受けることなのかもしれません。
それでも私は、これからもこの小さな家族と、にぎやかな毎日を重ねていきたいと思っています。
リノの事をたまには書いていこうと思います。
