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今年の夏 大丈夫か銀之助

朝早くから庭の草取りを始めると、
どこからか銀ちゃんの鳴き声が
聞こえてきます。

「にゃあ にゃあ」

銀ちゃんは、何度も私を呼んでいます。

銀ちゃん、早起きね!

近くの空き家の方から、
銀ちゃんがやって来ました。

もしかしたら、
空き家のどこかで寝ていたのかしら?

そうじゃなかったら、
こんなにすぐ私の気配に気がついて、
やって来られるはずがありません。

「ニャァ」

銀ちゃんは今朝、何度も鳴いています。
さすがの私も、
いったん草取りの手を止めて、

「銀ちゃん!」

声をかけると、道路からこっちへ、
しっかりとアイコンタクトを
して来ます。

「銀ちゃん!」

私は、銀ちゃんが
塀を越えてこちらへ来ないかと、
誘うのですが、
銀之助は、
猫らしく直ぐには近づいて来ません。
こちらを見ています。

銀ちゃんと私の間に、
ちょっとした駆け引きが始まりました。
私がどうするのか、
じっと待っています。
自分からこちらへ来る気配は
ありません。

銀ちゃんもずっと私を見ています。
私も、草取りの手を止めて、
しばし銀ちゃんの目を真っ直ぐに見て、
お互いにちょっと見合っていました。
けれど、やっぱり銀ちゃんは、
ひょいっと塀を越えて来ることもなく、
座ってこちらを見ているだけです。

私の方が根負けしてしまいました。

仕方なく、草取りをやめて、
急いで家へ戻りました。

今日は暑くなりそうだと思い、
ドライシャンプーと、
銀之助のために用意しておいた
専用の猫ブラシも持って行きます。

そして、ちゅーるは
3種類くらい用意します。
いろいろ抱えて玄関を開けると、

すでに銀之助は、
玄関の前まで来て、
すぐそこにちょこんと座って待っていました。
銀ちゃん、玄関じゃないとご飯もらえないこと
わかっていたのかも?

銀ちゃん、あてにしてても良いからね!

先ずは、チキン味のちゅーる
銀ちゃんは、袋を3センチくらい
食べたところで、

「これは好きじゃない」

すぐに食べるのをやめました。

野良だけど、
ちゃんと好みわかってるのね。

次に、「日本の食材なんとか……」
っていう、半分サイズの、
おいしそうなちゅーるをあげてみます。

銀ちゃんは、
「これ、この味だよ。
僕、これが好きなんだ!」

とでも言いたげに、
今度は目を輝かせて、
おいしそうに食べました。

もっとお代わりが欲しそうだったので、
もうひと袋あげると、
喜んで平らげました。

試しに別のちゅーるもあげて
みましたが、こちらは知らんぷり。

         🧤💦

今日は暑くなりそうなので、
急いで、手袋をはめて、
ドライシャンプーを手袋に
たっぷりと染み込ませます。
そして銀ちゃんの身体を
左右の手で、挟み込んで、
銀ちゃんの肩甲骨の辺りから、
しっぽの付け根まで、
左右の手袋でそっと身体を
包み込むようにして、
優しく拭いてあげました。

銀ちゃんは、毎回これをすると、

「え? なにするの?」

って少し驚くんだけど、
それでも、されるがままにしています。

次に、素早く手袋を外して、
銀ちゃん専用の猫ブラシで、
そっと毛並みを整えてあげました。
思ったほど、毛は抜けませんでした。

ブラシが銀ちゃんの骨格にあたります。
特にお腹がガリガリに痩せていて、
骨と皮だけになっています。
ろっ骨は、お肉がついてて、
未だ骸骨☠️ではありませんね。
それにしても、
銀之助がこんなに痩せこけてしまったとは!
半年前は、ずっと太ってて、
大柄な猫だったのに💦
銀之助、豹変してしまいました。
生きるという意志は、
変わらずに強く伝わってきます。

私は、力を入れないで、
そっとブラシを動かしました。
ブラッシングをすると、
改めて銀ちゃんをゆっくり観察出来ます。

けど銀ちゃんは、思っていたよりずっと、
ヨレヨレになっていました。

今日はお腹がぺこぺこな銀ちゃん。
昨晩はどうやら野宿をしていたのかな?
朝早いから、まだ誰にも
ご飯をもらっていないようです。


それじゃあっと、
家の中に入って、
気に入っているちゅーるのお代わりを
もうひと袋用意して持っていく。

戻ってみると、
銀ちゃんはあっさりと、
もうこちらに背を向けて、
行こうとしていました。
けれども、ちゅーるを見るとまた、
すぐに戻って来て食べ始めました。

ちゅーるを全部食べ終わると、
銀ちゃんは、満足そうな顔になり、
道路の方へ去って行きました。

行くところはあるようですが、
銀之助、
この夏をどう乗り切るのでしょう。

冷房のない外で暮らす銀ちゃん。
夏じゅう夜は、野宿なのでしょうか?

大丈夫か?
銀之助!


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