#10 【仕事】「いつでも聞いて」と言うから聞いたのになんで不機嫌?
(ピアノとサックスによる、ジャズ風の落ち着いたBGM)
どうも、こんばんは!
身長10cmの妖精、小さいおっさんやで!
(カチャッ!ウィーン!…派手なブレイクダンスを踊りながら登場する音)
いや~、最近暑なってきたなあ。
ワシみたいな“ちっさい族”にとっては、アスファルトの照り返しが地獄やねん。
こないだなんか、道の隅っこ歩いとったら、前からセミが歩いてきてな。
向こうもワシに気づいて「ジーッ!」て威嚇してくんねん。
いや、鳴き声デカすぎやろ!
鼓膜破れるか思うたわ!
ワシかて、伊達に青ジャージ着とるわけちゃうねんぞ、と。
ブレイクダンスで応戦したろか思たけど、大人げないからやめといたわ。
大人やからな、ワシ。見た目ちっさいけど。
ま、そんなこんなで、今週もゆるーく始めていきましょか。
(♪~『小さいおっさんの、心が軽くなる人生相談~!』~♪ ←おっさん本人が歌っている、ちょっと音程が外れたジングル)
さ、今夜もワシの元に、お悩み相談のメールが届いとるで。
どれどれ…ラジオネーム「忖度ヘタクソ」さんからや。
(プッ)
…ど直球やな!
清々しいくらいに、己を理解しとるやないか!
ええで、そういうの、嫌いちゃうで。
えーっと、プロフィールは…「20代・新人さん」か。
なるほどなあ、社会の荒波に揉まれ始めた頃やな。
ワシも若い頃は、よう失敗したもんやで。
新人の歓迎会で、ブレイクダンスのやりすぎで天井の照明割ってもうてな。
まあ、ワシの身長やから、ジャンプせんでも届いてしまうんやけど。
(シーン…)
…はい、スベったところで、相談内容を読んでいくで!
「小さいおっさん、こんばんは。
いつも楽しく拝聴しています。
私には、最近悩んでいることがあります。
それは、上司との関わり方です。
上司は口癖のように『分からないことは、いつでも聞いてな』と言ってくれます。
先日、どうしても分からないことがあったので、意を決して質問しに行きました。
すると、すごく忙しかったのか、
『…で?何が言いたいの?』
『そんなことも分からんの?』
と、ものすごく不機嫌な対応をされてしまいました。
『いつでも聞いて』って言うたやん…と、心の中で泣きそうになりました。
それ以来、怖くて質問しに行くタイミングが掴めません。
また不機嫌にさせてしまったらどうしよう、と思うと、何も聞けなくなってしまいました。
私はどうすればよかったのでしょうか?」
(静かなBGMに戻る)
うーーーーわーーーー!
これはキッツイなあ、「忖度ヘタクソ」さん!
よう頑張って相談してくれたな。えらいで。
わかるで、その気持ち。
ほんま、「どっちやねん!」って叫びたくなるよな!
『いつでも聞いて』は、社交辞令界のラスボスやからな。
真に受けて突撃したら、だいたい返り討ちに遭うねん。
これ、例えるなら、あれや。
家電量販店の店員さんが「何かお探しですか~?」って寄ってくるけど、こっちが「いや、別に…」って言うたら、「そうですか…(シュン…)」ってなるやん?
あの時こっちが感じる、謎の罪悪感!
あれと構造は一緒や!
…ちゃうか。なんかちゃうな。
もっとええ例えあったわ。
「言うてることとやってることがちゃうやん選手権」があったら、間違いなく日本代表やで、その上司!
「押すなよ!絶対に押すなよ!」って言いながら、背中向けて熱湯風呂の前で待ってるダチョウ倶楽部さんみたいなもんや!
押してほしんか、押してほしくないんか、どっちやねん!っていう。
…なんてのは、まあ、半分冗談でな。
(BGMの音量が少し下がる)
ここからは、真面目な話をしようか。
忖度ヘタクソさん、よう聞いときや。
まず、大前提として、君は何も悪くないで。
これは断言できる。
「いつでも聞いて」って言われたら、そら聞きに行くやろ。
新人の仕事は、分からんことを分かるようにすることやからな。
ただ、今回はちょっとだけ、運とタイミングが悪かったんやろな。
上司も人間や。
たまたま虫の居所が悪かったのかもしれんし、ホンマに秒を争う仕事の真っ最中やったのかもしれん。
せやから、君が自分を責める必要は一切ない。
そこは、まず安心しいや。
その上で、これから同じようなことで心をすり減らさんように、いくつか“ちっさな工夫”を教えたるわ。
ワシでもできる、ちっさな工夫や。
まず一つ目は、「聞き方の呪文」を覚えることや。
いきなり「分かりません」って突撃するんやなくて、
「お忙しいところすみません。1分だけ、よろしいでしょうか?」
って、時間を区切って許可を取るねん。
「1分」って言われると、相手も「まあ、それくらいなら…」って心の準備ができるやろ?
その上で、
「〇〇の件で、△△までは自分で調べてみたのですが、ここの部分が分からなくて…。少しだけヒントをいただけませんか?」
って聞くねん。
ポイントは2つや。
「ここまで自分で努力しました」っていう姿勢を見せること。
そして、「全部教えて」じゃなくて「ヒントをください」って、相手の負担を軽くする聞き方をすることや。
これだけで、印象は全然ちゃうで。
「お、こいつ、丸投げやなくて、ちゃんと自分で考えようとしとるな」って思ってもらえるからな。
二つ目は、「質問リスト作戦」や。
分からんことが出てくるたびに、その都度聞きに行くと、相手の仕事も中断させてまうやろ?
せやから、メモ帳に「質問リスト」を作っとくんや。
で、2~3個たまったら、「まとめて質問よろしいですか?」って聞きに行くねん。
これなら、お互い効率ええやろ?
そして、三つ目。これが一番大事かもしれんな。
「相手の機嫌は、相手のもん」と割り切ることや。
君がどんなに工夫しても、上司の機嫌が悪い時は悪いねん。
それは、君のせいとちゃう。
上司の家庭で何かあったのかもしれんし、ただ単に、腹が減ってただけかもしれん。
人の不機嫌をもろに食らってまうと、こっちの心も削れていくばっかりや。
だから、「あ、今、この人は“不機嫌”っていう天気なんやな」くらいに思うとくんや。
嵐が来たら、ちょっと軒下で雨宿りするやろ?
そんな感じで、やり過ごすスキルも大事やで。
君は真面目やから、「自分が悪いんちゃうか」って考え込んでしまうんやろな。
その真面目さは、ええところや。
でもな、全部ひとりで背負わんでええねん。
「いつでも聞いて」って言葉の裏には、いろんな意味が含まれてる。
それを読み解くのが“忖度”なんかもしれんけど、そんなもん、新人さんにできるわけないやんけ。
やから、まずは自分を守るためのちっさな工夫から、始めてみ?
それだけで、心はだいぶ軽くなるはずやで。
応援しとるからな、忖度ヘタクソさん!
(BGMが盛り上がってくる)
さて、そろそろお別れの時間やな。
上司の機嫌は天気みたいなもんや。
自分でコントロールできひんことに、悩みすぎるなよ。
君がやるべきは、傘を持つとか、雨宿りするとか、そういうちっさな備えだけや。
晴れた日に、思いっきり走り回れるように、今はしっかり根っこを張るんやで。
ほな、また来週、この時間に待ってるで。
お相手は、小さいおっさんでした!
おやすみ!
(BGMがフェードアウトしていく)
この番組は、あなたの心のスキマを埋める、にちよう村(公認心理師)の提供でお送りしました。
【今回の話のタネ】
◯ ダブルバインド
言葉によるメッセージ(「いつでも聞いて」)と、態度や口調といった非言語的なメッセージ(不機嫌な対応)が矛盾している状態のこと。
これを受けた側は、どう行動すればいいか分からず、混乱やストレスを感じてしまいます。
◯ 非言語コミュニケーション
表情、声のトーン、視線、身振り手振りなど、言葉以外の手段で行われるコミュニケーションのこと。
人は、言葉そのものよりも、こうした非言語的な情報から相手の感情を読み取ることが多いと言われています。
「不機嫌さ」は、まさにこの非言語コミュニケーションによって伝わります。
◯ 心理的安全性
組織やチームの中で、自分の考えや気持ちを、誰かに拒絶されたり、罰せられたりする不安を感じることなく、安心して発言できる状態のこと。
今回の相談者のように、質問することをためらってしまう状況は、この心理的安全性が低い状態であると言えます。
☆最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
☆この番組が、あなたの心に何かを残せたら幸いです。
他の番組でも、またお会いできるのを楽しみにしています。
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