#2 【仕事】やる気スイッチ、どこで売ってんねん!
(ピアノとサックスによる、ジャズ風の落ち着いたBGM)
どーもー!
世界一ビッグなハートを持つ、身長10cmの妖精!
小さいおっさんやで!
(シャキーン!という効果音と共に、ブレイクダンスで登場)
今日も元気にスタジオの隅っこからお届けしとりますー!
いやー、しかしアレやな。
最近、夜中でもちょっとムシっとする日ぃ、増えてきたんちゃう?
ワシみたいな小さいサイズの生き物にとってはな、
この時期の夜は、ジャングルみたいなもんやねん。
こないだもな、寝てたら顔の横を「ブゥゥゥン…」て。
蚊や、蚊!
ワシからしたら、戦闘機が横切ったんか思うたわ!
(ブォォォン!という戦闘機のSE)
思わずベッドから転げ落ちて、
「敵襲ー!敵襲ー!」て叫んでもうたわ。
まあ、ワシのベッド、ティッシュの箱やから、
大したダメージはなかったんやけどな。
(カハッ、と短い咳払い)
でもな、ほんま、朝起きるのって大変やんな。
ワシなんか、毎朝ティッシュの箱から這い出るだけで、
ヒマラヤ登頂くらいの達成感あるで。ほんまに。
「やる気スイッチ」なんて言うけどな、
ワシのやる気スイッチ、たぶん米粒より小さいから、
すぐどっか行ってまうねん。
誰か見つけたら、着払いで送ってださい。
宛先は「にちよう村」の小さいおっさん宛で頼むわ!
さて、今宵もワシの小っさいボヤキはこの辺にして、
そろそろ始めよか!
(おっさんの甲高い声で)
ラジオの前のリスナーの皆さん、今宵もワシが来たで〜!
(♪~『小さいおっさんの、心が軽くなる人生相談~!』~♪ ←おっさん本人が歌っている、ちょっと音程が外れたジングル)
(BGMがフェードイン)
さーて、今週も早速、お便り紹介していくでー!
ラジオネーム…「五月病患者(年中無休)」さん!
年中無休て!
ワシより働いとるやないか!
ブラック企業も真っ青やで、ほんまに。
ちゃんと休んでるか?心配になるわ。
えーっと、プロフィールは…
20代の、事務職の女性の方やな。
いつもお勤めご苦労さんやで。
ほな、早速お悩み、読ませてもらうで。
(ゴソゴソと便箋を広げる音)
「小さいおっさん、こんばんは。
いつも楽しく拝聴しています。
早速ですが、相談があります。
私は月曜の朝、どうしてもやる気が出ません。
日曜の夜から『明日から仕事か…』と憂鬱になり、
当日の朝は、まるで全身に鉛が詰まっているかのように体が重く、
ベッドから出るのが本当に辛いです。
なんとか準備して会社に行っても、
午前中は全く頭が働かず、簡単なミスを連発してしまいます。
『やる気スイッチ』があればいいのに、と本気で思います。
どうすれば、月曜の朝をシャキッと乗り切れるでしょうか?
何か良い方法があれば、教えてください」
…とのことや。
(フゥー…と長いため息)
わかるで。
わかる。
めっっっちゃ、わかるでぇ…。
月曜の朝な。
アレは、全人類に課せられた試練や。
ベッドの中にだけ、特殊な重力が発生しとるんやないかと、
ワシは本気で思っとる。
学会に発表したろか、思うくらいや。
(そんな学会は、ない)
日曜の夜にやってくる絶望感は、
人気アニメの最終回を見終わった後みたいな、
あの言いようのない寂しさに似とるよな。
「ワシの週末は…もう…終わったんや…」て。
(遠くで山寺の鐘が鳴る音)
会社着いても、午前中は魂がまだ家におるもんな。
パソコンの画面見ながら、
(ポクポクポク…チーン!)
って、木魚叩いてるみたいなもんやろ。
わかるで。
ええか?
「五月病患者(年中無休)」さん。
そんな君に、とっておきの秘策を教えたる。
まずな、月曜の朝、目が覚めたら、
こう叫ぶんや。
「ここは…戦場や!」と。
(緊迫感のあるBGM)
ベッドは「塹壕」。
布団は「身を隠すための遮蔽物」。
目覚まし時計は「敵の砲撃開始の合図」や。
君は一人の兵士として、
この「月曜」という名の戦場を生き抜かなアカン。
まず、第一ミッション。
「塹壕(ベッド)から、指一本だけ出す」。
クリアできたら、第二ミッション。
「片足だけを、ゆっくりと塹壕の外へ」。
そうやって、自分を兵士やと思い込んで、
ミッションを一つずつクリアしていくんや。
最終ミッションは「洗面所(補給地点)への到達」や!
そこまで行けば、君の勝ちや!
…なんてのは、まあ、半分冗談でな。
(BGMが、いつもの穏やかなジャズに戻る)
でもな、あながち間違いでもないねん。
いきなり「よし!会社行くで!」って思うから、
心が「うわ、無理…」って拒否反応を起こすんや。
エベレスト登るのに、
麓からいきなり山頂見上げたら、誰だって気絶するやろ?
「え、あんなとこまで登るん…?」て。
そうやなくて、
まずは「目の前の、小さな一歩」だけを考えるんや。
月曜の朝、どうしても起きられへんかったら、
「会社に行く」とか「仕事する」とか、
そんなデカい目標は、一旦ポイっと捨ててまえ。
まずは、さっきワシがふざけて言うたみたいに、
「ベッドから片足だけ出してみる」
「布団の中で伸びをしてみる」
「スマホで好きな音楽を1曲だけかける」
これくらい、アホみたいにハードルを下げた
「ちっさい目標」を立てるんや。
これなら、できそうやろ?
ポイントはな、
「とりあえず、何か一つでも行動してみる」ってことやねん。
人間の脳みそはな、面白いもんで、
やる気がない時でも、
無理やり体を動かしてると、
だんだん脳が「あれ?もしかして、やる気ある感じ?」って勘違いして、
後からやる気が出てくるようにできとるんや。
これをな、難しい言葉でいうと「作業興奮」て言うんやけどな。
エンジンかかりにくい、ポンコツの車と一緒や。
一回走り出してしまえば、あとはスイスイ進むもんやねん。
せやから、最初の「ブルン!」ていう、
一番しんどいエンジンをかけるために、
めちゃくちゃ簡単なことから始めてみるん。
「顔を洗う」とか、
「着替える」とか、
何も考えんでもできる、ルーティン作業でええ。
そこまでクリアできたら、
自分をめっちゃ褒めたって。
「ワシ、天才!もう今日の仕事の8割は終わったわ!」くらいに思うとったらええねん。
それともう一つ。
たぶん君はな、
「会社のために起きなアカン」
「仕事せなアカン」
っていう「義務感」で、自分を動かそうとしてるんちゃうかな。
もちろん、それも大事やで。
社会人やからな。
でもな、「~せなアカン」ばっかりやと、
心はどんどんすり減っていくで。
だからな、月曜の朝に、
「自分のための、ちっさいご褒美」を用意しとくんや。
例えば、
「月曜の朝だけは、ちょっとええパン屋さんのパンを食べる」
とか、
「大好きなアイドルの曲を、大音量で聴きながら準備する」
とか、
「会社のデスクで飲むコーヒーは、一番お気に入りの豆にする」
とか。
なんでもええねん。
君が「ちょっとだけ、テンションが上がるな」って思えること。
「会社に行くために起きる」んやなくて、
「あのパンを食べるために起きる」
「あの曲を聴くために起きる」
みたいに、目的をすり替えるんや。
これはな、「内発的動機づけ」っていう、
自分の「やりたい!」っていう気持ちをエネルギーにする方法やねん。
義務感っていう外からのエネルギー(外発的動機づけ)だけやと、
ガス欠になるのは当たり前や。
せやから、自分の中から湧き出る、
ちっちゃい「楽しみ」っていうエネルギーも、
ちゃんと使ってやらなアカンねん。
月曜の朝を乗り切るんは、
気合いや根性の問題やない。
ちょっとした「技術」と「工夫」の問題なんやで。
完璧な月曜日なんて、目指さんでええ。
午前中はボーッとしてても、簡単なミスしても、
「まあ、しゃあない。だって月曜やもん」
って、自分を許したってな。
満点取る必要なんてないねん。
30点くらい取れたら、「今日はハナマル!」って言うて、
自分をヨシヨシしたってや。
ワシはいつでも、
君の心の隅っこで、ブレイクダンス踊りながら応援しとるで!
(BGMがフェードアウトしていく)
さて、そろそろお別れの時間やな。
最後に一言だけ。
どうしてもアカン日は、休んだらええ。
地球は、君が一人休んだくらいじゃ、ビクともせんで。
大丈夫や。
ほな、また来週!
元気でな!
(BGMが完全に消える)
この番組は、あなたの心のスキマを埋める、にちよう村(公認心理師)の提供でお送りしました。
【今回の話のタネ】
◯ ベイビーステップ
大きすぎる目標は、やる気を削いでしまう原因になります。目標を細かく分解し、最初の一歩を踏み出しやすくする考え方です。
「まず布団から指一本出す」のように、行動のハードルを極限まで下げるのがポイントです。
◯ 作業興奮
やる気がなくても、行動を始めると脳が刺激され、だんだんと興奮状態になり、やる気が出てくる現象のことです。
「やり始めれば、やる気は後からついてくる」という考え方ですね。
◯ 内発的動機づけ
「~しなければならない」という義務感や報酬(外発的動機づけ)ではなく、自分自身の内側から湧き出る「楽しい」「やりたい」という好奇心や関心を原動力にすること。
月曜の朝に「自分のためのご褒美」を設定するのは、この内発的動機づけを利用するテクニックの一つです。
☆最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
☆この番組が、あなたの心に何かを残せたら幸いです。
他の番組でも、またお会いできるのを楽しみにしています。
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