#18【人間関係】ドタキャンされたら、もう誘われへん
(ピアノとサックスによる、ジャズ風の落ち着いたBGM)
まいど!
小さいおっさんやで!
(勢いよく床でヘッドスピンする音)
(ビタッ!とポーズを決める音)
みんな、夜更かししとるかー?
夏の夜は、なんかこう、センチメンタルな気分になるよな。
こないだ、網戸に張り付いて涼んでたらな、
カナブンが「ブーン!」ってすごい勢いで飛んできてん。
ワシくらいのサイズになると、アレ、もう暴走ダンプと正面衝突するくらいの衝撃やねん。
あまりの衝撃に3回転半くらいして、隣の家の植木鉢に不時着や。
「いった〜…」って起き上がったら、アリさんたちがワシのこと、ひっくり返ったセミやと勘違いして、巣に運ぼうとしとるねん。
「ちゃうちゃう!ワシ、まだ生きてる!なんなら、君らより長生きする予定や!」
って、全力で抵抗したわ。
まあ、人生、いつ何が起こるかわからんっちゅう話やな。
せやから、悩んでるヒマあったら、ワシの話でも聞いて、ちょっとでも笑ってってや!
ほな、今夜も始めるで!
(♪~『小さいおっさんの、心が軽くなる人生相談~!』~♪ ←おっさん本人が歌っている、ちょっと音程が外れたジングル)
さーて、今夜のお便りは…
ラジオネーム「小心者」さんからや!
(チーン!と効果音)
そのまんまやないか!
どんだけ心臓ちっさいねん!ワシの体くらいか!?
もうちょっと強そうな名前にせえへんか?
「鋼のメンタル(希望)」とか「明日から本気出す」とか。
まあええわ、そんな小心者さんのプロフィールは…
20代の男性、とのことやな。
うんうん、ワシかて、見た目に反して心は乙女やからな。
気持ちはわかるで。
ほな、早速お便り、読ませてもらうで。
(カサッ…と便箋をめくる音)
「小さいおっさん、こんばんは。
いつも楽しく拝聴しています。
先日、勇気を出して友達を食事に誘いました。
ずっと行きたかったお店で、彼も『いいね!』と言ってくれたので、とても楽しみにしていました。
しかし、当日の昼過ぎに、彼から『ごめん、急用ができて行けなくなった』と連絡がありました。
理由を聞くと、本当にやむを得ない事情だったので、仕方ないと思いました。
頭では分かっているのですが、なんだか心がポッキリ折れてしまって…。
『また誘うね』と返信したものの、もし次も断られたらどうしよう、
本当は行きたくなかったのかな、などとネガティブなことばかり考えてしまい、
もう一度誘うのが怖くなってしまいました。
おっさん、こんな時、どう考えたら心が軽くなりますか?」
(カサッ…と便箋を置く音)
うーん、なるほどなぁ…。
これは…キッツイなぁ…。
わかるで、小心者さん!
めっちゃわかる!
楽しみにしとった予定が、しかも当日にキャンセルって…
もう、心臓がキュッてなるよな!
一瞬、時が止まるっていうか、スマホ持ったまま化石になる感じや。
「え、マジか…」
って声に出してもうて、
とりあえずLINEの返信だけは大人な対応するねん。
『そっか!了解!気にせんでええで!』
みたいな。
でも、心の中は台風直撃や。
「ワシの今日の晩ごはん、どうなんねん!」
「このために、昨日から仕事頑張ったのに!」
「もしかして…ワシ、なんか嫌われるようなことしたんか…!?」
って、ぐるぐるぐるぐる、思考の負のループに突入や!
しまいには、
「きっとワシが誘わへんかったら、友達に急用は発生せんかったんや…ワシが疫病神なんや…」
とかいう、壮大な自己責任論にまで発展するんよな。
もう二度と誘わへん!って心に決めて、その子のSNS、全部ミュートしたくなるくらい、落ち込むよな!
…なんてのは、まあ、半分冗談でな。
(BGMが、少しテンポダウンして、より落ち着いた曲調に変わる)
小心者さん、よう聞いときや。
その気持ち、めちゃくちゃ自然な感情やで。
誰かて、断られたら悲しいし、怖いねん。
特に、勇気を出して誘ったんなら、なおさらや。
まず、一番大事なことから言うな。
今回のドタキャンは、君のせいやない。
これ、100回くらい心の中で唱えてみ?
「やむを得ない理由」やったんやろ?
ほな、それはもう、誰にもコントロールできへん「事故」みたいなもんや。
例えばな、君が友達との待ち合わせ場所に向かうために、駅で電車を待ってるとするやろ。
そしたら、急なシステムトラブルか何かで「全線運転見合わせ」になって、電車が全く動かへんようになった。
当然、君は約束の場所に行かれへん。
その時、君は「ワシの日頃の行いが悪いから電車が止まったんや…」って思うか?
思わへんやろ。
「うわ、最悪や…しゃあない、友達に連絡しよ」ってなるだけやんな。
それと一緒や。
友達に起きた「やむを得ない急用」も、君にとってはコントロール不可能な「電車の運転見合わせ」みたいなもんやねん。
君がコントロールできへんかった出来事で、自分を責めるんは、もう今日で終わりや。
人間ちゅうのはな、何か悪いことが起きた時、ついつい「自分の何かがアカンかったんちゃうか?」って、自分の中に原因を探してしまうクセがあるんや。
特に、君みたいに優しいヤツはな。
でもな、世の中の出来事の9割は、自分以外の、いろんな要因が複雑に絡み合って起きてんねん。
友達の急用も、その一つや。
そこを「しゃあないな」って受け止めてあげるんが、友達への優しさやし、何より、自分への優しさやで。
ほんでな、「もう一度誘うのが怖い」って気持ち。
これも、ようわかる。
「また断られたら…」って思うと、足がすくむよな。
せやけどな、考えてみてみ。
誘わへんかったら、その友達とゴハンに行ける確率は、何パーセントや?
…そう、ゼロやねん。
永久にゼロのままや。
でもな、もう一回だけ、勇気を出して誘ってみたらどうやろ?
OKされるかもしれへんし、また断られるかもしれへん。
確率は、五分五分かもしれへんな。
でも、ゼロよりは、圧倒的に可能性あると思わへんか?
いきなり「飯行こうぜ!」って誘うのが怖いんやったら、
もっと軽いジャブでええねん。
「こないだは残念やったな!また落ち着いたら、リベンジしよや!」
って、LINEを一本送っとくだけ。
これなら、具体的な日程も決めてへんから、断られる心配もないやろ?
ボールを相手にポーンと投げる感じや。
「行きたくなったら、連絡してなー」っていうスタンスやな。
誘うっていう行為はな、「プレゼント」みたいなもんやと、ワシは思うとる。
「君と一緒に過ごす楽しい時間」っていうプレゼントを、「どうや?」って差し出すのが、「誘う」ってことや。
相手がそのプレゼントを受け取ってくれるかどうかは、相手の都合次第や。
たまたま、両手がふさがってて受け取れへん時もある。
お腹いっぱいで、今はええわーって時もある。
プレゼントを受け取ってもらえへんかったからって、
プレゼントを渡そうとした君の気持ちや、君自身の価値が下がるわけやない。
そこだけは、絶対に忘れんといてや。
ドタキャン一回で、君と友達の関係が終わるわけやない。
むしろ、こういう時にどう振る舞うかで、関係が深まったりもするもんやで。
「気にせんでええで」って笑って許せる君は、めっちゃカッコええで。
ワシは、そう思うわ。
やから、もうちょっとだけ、自分と、友達のことを信じてみいひんか?
怖かったら、最初はLINE一本からでええ。
その小さな一歩が、きっとオモロイ未来につながっとるはずやで。
(BGMがフェードアウトしていく)
さてと、そろそろお時間やな。
小心者さん、大丈夫やで。
君のその優しさと勇気は、ちゃんと誰かが見てくれてる。
まずは、自分自身が一番の味方でいたってな。
ほな、今夜はここまで。
みんな、ええ夢見ろよ!
おやすみ!
(面白い寝言のような効果音)
この番組は、あなたの心のスキマを埋める、にちよう村(公-認心理師)の提供でお送りしました。
【今回の話のタネ】
◯拒絶過敏性
他人からの拒絶や批判に対して過度に敏感になり、それを強く恐れる傾向のこと。
過去の経験などから、「また断られるかもしれない」という不安が強くなり、誘うなどの社会的行動を避けてしまうことがあります。
◯レジリエンス
「精神的な回復力」「復元力」と訳されます。
ドタキャンというようなストレスフルな出来事に直面した際に、落ち込んだ状態からしなやかに回復し、立ち直る力のこと。
今回の話で言えば、「まあ仕方ないか」と切り替えて、次の行動を考えられる力がレジリエンスにあたります。
◯原因帰属
ある出来事が起きた時に、その原因を何に求めるか、という推論の仕方のこと。
ドタキャンされた原因を「自分の魅力がないからだ(内的要因)」と考えるか、「相手に急用ができたからだ(外的要因)」と考えるかで、その後の感情や行動が大きく変わってきます。
自分を責めすぎない、バランスの取れた原因帰属が大切です。
☆最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
☆この番組が、あなたの心に何かを残せたら幸いです。
他の番組でも、またお会いできるのを楽しみにしています。
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