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【脱完璧主義日記】春のジャンパースカート

修論

修士論文をだした

大学院生をしてみているので、決められた通り、今月の初めに修士論文なるものを提出した。現実なのだけど、まだ修論を出せたのが夢のように感じる。まあ、まだ口述試験も残っているので、完全に修論が終わったとは言えないけれど。

会社を経営しながら2年で修論を書くというのは、想定していた以上に、大きなプロジェクトだった。経営者としては、修論の執筆で私が不在の間も、プロジェクトが継続する組織作り、そしてその組織を維持するための資金繰り。それと並行して、研究を続ける。研究をすることも、経営をすることも、それぞれものすごいマルチタスクなのだが、「どちらも」となるとマルチどころではない。もちろん結婚して親から独立して修士に通ってるので、生活もしなきゃいけない。頭の中は毎日てんやわんやだった。もちろん、どれも自分の理想通り、完璧には行かない。「全部中途半端じゃん」という自己評価だけが積み上がっていった。

そこに、執拗な誹謗中傷を受けてネバっこいトラウマが呼び起こされたり、祖父の死という喪失感が重なった日には、さすがに、休学しようかなと思った。「書こう」と思える心の余白なんて1ミリもない気がしていた。

そこから、どうにか修論を提出できたのは、本当に、私にとっては奇跡みたいな話だ。信じられない。客観的には修論が「完璧に終わった」とは言えないのかもしれないし、けちょんけちょんに口述試験やら学会やらで言われる日も遠くないのかもしれない。それでも、修士に進学する時に、「どうしても言いたい」と思っていたことを、諦めずに言葉した自分を、すっごく褒めてあげたいと思う。

燃え尽き

「燃え尽きちゃうんじゃないの?」

修論の提出が近づくと、私のことをよく知る人たちからは、そう、心配された。生活を削り、身体の声を聞かないふりをして、燃え尽きるまで走り切ろうとしているのではないか、と。

以前の私なら、そうしてたかもしれない。「修論の提出」という大きな締め切りに向かって、毎日ひたすら研究し、土日も年末年始も返上して、死ぬ気で頑張る。そんな姿を思い描いていたからだ。成果物の完璧さだけではなく、「生活を限界まで研究に差し出す完璧な修士学生」として振る舞うことを理想的だと思っていたし、それができない自分に常に苛立っていたから。

無理やりその理想を追い求めて走っていたら、どうだったろう。多分、次にやりたいことも、やらなきゃいけないことも判らず、いまごろ泥のように眠っていたんじゃないだろうか。もしかしたら、修論なんて出せなかったかもしれないし、書くことが嫌いになってたかもしれない。

でもいま、私は、春が楽しみだ。燃え尽きて、いまを生きるのをやめる、そんな選択をしなかったからかもしれない。

まだ季節外れだけど、素敵な春用のワンピースを、一着、買った。春に着るのがすごく楽しみだ。早く春になってほしい。

シンプルで何にでも合わせられるけど、ひとくせあるジャンパースカートをずっと探していた。さっぱりしたグレーの生地。エプロンのようにワキに余裕のあるちょうどいいスリーブ。優しい丸みのある襟もと。半分プリーツのラップスカート。Instagramで見た次の日には、その古着に会いにいった。サイズもぴったりだった。

こうして、服のことを書いてみると、自分がアパレルで最初に起業したのは偶然じゃないなと思う。いい生地や素晴らしい縫製の服に出会うと、やっぱり嬉しくなる。ちなみに、この古着屋さん、服の質もさることながら、置いてるZINEやチラシも素敵なのでぜひ訪れてみてほしい。

さて、家に帰ってからは、夏の服を引っ張り出して、たくさんファッションショーをした。このジャンパースカートに合わせたい服がたくさんある。可愛すぎる組み合わせも見つけた。季節外れのものを買うだけでこんなに未来が楽しくなるものだろうか。

来年の春、私は何をしてるかわからない。卒業できるかもわからないし、進学できるかもわからない。会社も生かしておけるかわからない。本当に、わからないことだらけだ。

でも、楽しみにしていたワンピースを着て、恒例のお花見にいって、例年通り花粉症に苦しみながら、次読む小説を悩みつつ、生きていると思う。「何かを終わらせること」よりも、「明日が連続する未来」を想えている。それだけで、もう十分なのだ。

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