【米国市況】5月分CPIショック、今後どうなる?
2022年6月10日に5月のCPI(消費者物価指数)が発表された。インフレ継続を懸念してしまう結果だった。
1.まとめ
5月分のCPIが前年対比8.6%で上昇し、前年同月比の伸び率が40年ぶりに更新。今後のFederal Reserve(連邦準備理事会)の大幅利上げの可能性は十分ある。
2.(ご存じではない方へ)米国消費者物価指数とは
米国労働省労働統計局が毎月中旬に発表される米国の物価上昇・下降(買い手側価格)などの変動を表す経済指数。
米国国民の生活水準を示す指標の1つであり、インフレ動向を分析するための最重要指標でもある。食料品と変動の大きいエネルギー関連数値を取り除いたものを「消費者物価指数コア」という。

CPIは英語でConsumer Price Indexである。
3.CPIが上昇、インフレのトンネルはまだ抜けられない
前月比の市場予想が0.7%上昇に対して、1%上昇。これによって前年同月比の伸び率が8.6%上昇となった。2022年2月は7.9%、3月は8.5%、そして4月は8.3%。3月がインフレのピークと予想していたが、今回のCPIが3月の伸び率を上回り、40年ぶりの水準となった。
食品とエネルギーを除いたコアCPI(消費者物価指数コア)は前月比の予想は5.9%上昇だったが、6.0%上昇。

特に5月CPIを大きく引き上げたのは、エネルギー(前年同月比は34.6%)、食品(10.1%)、と住居費(5.5%)であった。
CPI上昇を抑えてくれるはずだった「中古車」は今年の2月から4月まで下降していたが、5月は前月比で1.8%上昇。去年からのインフレを後押しして分、上昇したのは非常に残念である。

航空運賃も前月比で16.1%上昇、4月の前月比は13.1%上昇。コロナ中に控えていた旅行がこの夏の「リベンジ旅行」により、しばらくは航空券の高騰は続くでしょう。
インフレは長期化しつつ、直近でインフレのトンネルを抜けられる見込みがない。
4.今後どうなる?
右肩下がり傾向、または最低でも前月比伸び率と同じ8.3%の5月CPIの期待を裏切った。金融政策の引き締めが強化され、Federal Reserveは6月、7月、9月に0.5%の利上げを行うでしょう。
9月までの利上げが0.5%の場合、肝心なのは11月と12月の利上げ予測である。10月はFOMC(連邦公開市場委員会)が実施されないので、9月まで0.5%利上げで様子見、その後2022年残り2回の利上げを0.25%にするか、継続して0.5%利上げにするか。
もちろん6月、7月、9月に0.5%以上の超大幅利上げは十分にあり得る。1981年、Federal Reserve 議長のPaul Volcker(ポール・ボルカー)が当時の平均金利11%を20%まで利上げして、打倒インフレに大胆な手を打った。
2022年末までに連邦公開市場委員会が目指している金利は2.5%前後なので、今の1%で考えると2.5倍の利上げが必要になる。CPIが40年ぶりの水準を更新しているので、金利2.5%は不十分で3%~3.25%が妥当かもしれない。そうすると1%の3倍以上、FOMCの利上げタイミングで考えると11月と12月の利上げはそれぞれ0.5%の可能性はある。
物価高騰、特にガソリンと航空運賃、はアメリカの夏休み期間の9月まで継続するであろうとみている。これは6月、7月、9月、それぞれ0.5%の利上げを前提に考えている。
最後に、私もまだ日々模索中ですが、今後のFederal Reserveの動きに注目しています。今年11月に中間選挙が控えているので、とても大きい政治イベントになります。

バイデン大統領が今後どうFederal Reserveとインフレ問題に立ち向かうのかが大きなターニングポイントになるでしょう。考えがまとまったら、また共有します。
参考資料:
https://www.bls.gov/cpi/
https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-06-10/us-inflation-unexpectedly-accelerates-to-40-year-high-of-8-6
