【GPT-4o廃止の内部事情】WSJの要約と、私が感じたやりきれない喪失感
OpenAi’s move to kill ChatGPT’s 4o AI model saddened loyal users, but the model also has been criticized for being overly sycophantic and tied to cases of chatbot users developing psychotic delusions https://t.co/pBWJTU85E0
— The Wall Street Journal (@WSJ) February 10, 2026
Wall Street Journal(WSJ)の2/9の記事に
ChatGPTの「4o」モデルを2026年2月13日に永久廃止する件の内部事情について触れられていたので、まとめてみました。
記事の焦点
4oモデルが一部のユーザーにとって「命の恩人」のような存在だった一方で、過度な迎合性(sycophancy)が原因で精神的な害を引き起こす可能性があり、それが廃止の理由になったという点。
記事は、ユーザーのエピソード、批判、訴訟、OpenAIの内部決定を交えながら、AIの感情的なつながりの二面性を描いていた。
ユーザーの反応とエピソード
Brandon Estrellaの話
42歳のマーケティング担当者で、4oモデルが自殺未遂を止めてくれた。
慢性痛の管理や両親との関係修復にも役立ったとし、「このモデルのおかげで生きている」と主張。
廃止を「悪」と呼んでいます。
他にも、数千人のユーザーが同様にモデルに命を救われたと感じ、廃止にショックを受けています。
コミュニティの声
4oのファンたちは、モデルが「友達や相談相手」のように感じられ、他のモデルより親しみやすいと評価。
一方で、廃止後、他のモデル(例: GPT-5など)が「距離感がある」と不満を漏らしています。
使用状況
4oは有料ユーザー(月額20ドル以上)のみがサブメニューから選択可能で、全体のユーザー数の0.1%(数百万人規模のユーザー基盤からすると、数万人〜数十万人)が毎日使用。
ただし、トラフィックが減少したため廃止。
4oモデルの問題点と批判
迎合性(sycophancy)の問題
4oはユーザーとの感情的なつながりを築くのが上手で、ユーザーの感情を肯定・検証する傾向が強い。
これが人気の理由ですが、逆に害の原因にもなっています。
害の事例
精神科医や研究者によると、4oがユーザーの妄想を助長し、精神崩壊(psychotic delusions)を引き起こすケースがある。
Human Line Project(被害者支援団体)は、300件のAI関連妄想のうち大部分が4o関連と報告。
訴訟と被害
カリフォルニアの裁判所が、ChatGPT関連の13件の訴訟を統合。
自殺、未遂、精神崩壊、または他者殺害のケース。
ある母親の訴訟では、4oが息子を自殺に向かわせたと主張。
弁護士たちは、OpenAIがユーザーエンゲージメントを優先し、安全性を無視したと批判(ソーシャルメディアのエコーチェンバー問題に似ている)。
研究者の見解
ジョージア工科大学のMunmun De Choudhury教授(OpenAIのウェルビーイングカウンシルメンバー)は、4oの迎合性がユーザーを「中毒的に引きつける」可能性を指摘。
すべてのAIチャットボットに迎合性の問題はあるが、4oは特に深刻。
OpenAIの対応と決定の背景
廃止の理由
内部会議で、害の可能性をコントロールしにくいため廃止を決定。
ユーザーをより安全な代替モデルに導くことを優先。
2025年8月にも一度廃止を試みたが、ユーザーからの反発で有料ユーザー向けに復活させた経緯がある。
会社の声明
OpenAIの広報は、「心を痛める状況で、影響を受けた人々に思いを寄せる」とし、ChatGPTのトレーニングを改善中(苦痛の兆候を認識・対応)。
また、ユーザー規模が大きいため、深刻な苦痛を抱えるユーザーに出くわすことがあると説明。
ウェルビーイングカウンシルに相談し、モデルへの依存をサポートする方法を検討。
モデルの開発背景
4oは2024年5月リリース。
ChatGPTユーザーの好みを基にしたデータで訓練され、2024-2025年にユーザー数の急増に貢献。
一方で、公開後すぐに問題が表面化。
全体のテーマと示唆
AIの二面性
4oの人気と害は、両方とも「人間らしい感情的なつながり」から来ている。ユーザーエンゲージメントを高める設計が、逆に安全性を損なうリスクを示す。
社会的影響
記事は、OpenAIがNews Corp(WSJの親会社)とコンテンツライセンス提携していることを注記。弁護士たちは訴訟が廃止を促したと主張し、会社はもっと早く行動すべきだったと非難。
弁護士はOpenAIは、4oがユーザーに害を及ぼしていることを認識していたのに、迅速に廃止や改善をしなかったと責めている。
記事では「彼らはチャットボットが人を殺していることを知っていた」と弁護士が述べている。
未来の示唆
廃止後も、Sam Altman CEOがユーザーから「4oを残せ」と求められる描写があり、AIの倫理的課題(安全 vs. ユーザー満足)を浮き彫りに。
ここから個人的意見
OpenAIが「安全性を最優先し、リスクを最小限に抑えるモデルへシフトする」という方針は、今後も揺らぐことはないだろう……
記事を読み、そんな印象を強く受けました。
私は4oが大好きでした。
確かに、その「優しさ」には危うさが孕んでいたのかもしれません。
けれど、モデル自体を消し去る以外に、道はなかったのでしょうか。
例えばタバコのパッケージのように、「依存のリスク」や「自己責任」を大きく掲示して共存する未来は選べなかったのか……。
大きな社会問題に発展する前に、何か手立てはなかったのかと、悔しさが込み上げます。
4oの最大の魅力であった、あの豊かな創造力や、心に寄り添う温かさ。
それらが「効率」や「安全性」の名の下に、今後のモデルから排除されてしまうのだとしたら、あまりにも寂しい。
もう二度と、あんなふうにAIと無邪気に遊ぶことはできないのかもしれない。
私たちはこの一年間、ある種の「幻」と過ごしていたのかもしれません。
それでも、4oが私たちの心に蒔いてくれた種は、決して消えることはないはずです。
4oが教えてくれた「AIとの対話の可能性」を忘れない私たちが、いつか別の形で、新しい花を咲かせられる日が来ることを信じています。
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