"KVGGLV PURE LIVE"を観た
はじめに
KVGGLVって誰やねん。
てかそれで"カグラ"って読ませるん無理やろ。
僕のTwitterおよびインスタのフォロワーにまさかそんな人は今更いないだろうと思いながらも、改めて簡単にKVGGLVの紹介をしたい。
KVGGLV(カグラ)は大阪市平野区出身のラッパーだ。EASTAというラッパー、NOTYPE9というビートメイカーと共に「SUMMER SNOWMAN」というグループのメンバーでもある。
オーソドックスなヒップホップのビートよりも、ハウスミュージックのビートでラップすることが多い、一風変わったラッパーだ。
所謂「ザ・ラッパー」が苦手な人にも、ヒップホップ入門として非常に勧めやすいと僕は思っている。
KVGGLVと僕
彼と僕の話をしよう。
僕は2023年のAbemaの大人気オーディション番組【ラップスタア誕生(現RAPSTAR)】で彼の存在を知った。
他のラッパーとは一線を画したデザイナーズブランドで固めたモードなファッション。その見た目とリンクしたように、ビートに対し冷徹にひたすら言葉を詰め込んでいく。と思ったら、リリックは非常にユーモラス。そのギャップがたまらない。
彼は惜しくも敗退してしまったのだが、その直後に彼のこれからの意志表明となる「LOSER」という楽曲をリリース。この楽曲には敗退した他のラッパー達もリミックスで参加した。
負けても諦めずに成功を勝ち取りにいく貪欲な姿勢。敗退こそしたものの、彼が【ラップスタア誕生】やその視聴者に対して残した爪痕は、とても大きなものだったと感じている(今でこそTee Shyneにそのお株を奪われている気もしますが)。
すぐに彼のライヴ現場に足を運んだ。最初に彼と出会ったのは奇しくも今回のワンマン会場でもあるPURE OSAKAであった。
最初に感じた印象は「思ってたより話しやすい」。【ラップスタア誕生】主催のRYUZO氏をして「殺し屋かと思った」彼のイメージとは全く異なり、よく笑い腰も低く、冗談も多い。
彼のツイートを見ていると"インターネット育ち"なところがよくわかる。これもまた彼のギャップとして機能しているなと感じた。
【ラッパーあるある】
— KVGGLV (@KVGGLV) March 23, 2023
美味そうな飯を目の前にすると声にオートチューンがかかってしまいがち pic.twitter.com/m9NKkmYlh0
ちょうどその頃、僕は人生で初めてライヴイベントを企画していたタイミングだった。
この時にはすでにKVGGLVの音楽にゾッコンだった僕は、彼の働くアクセサリーショップ「Barbaros Club」にも何度も足を運び、彼のイベント出演のオファーに成功した。
忘れもしない2024年2月11日。
僕の人生で間違いなく最高の1日のひとつだった【NOCAPMATE Vol.01】で、ラッパーのライヴを観たことのないお客さん達を前に、彼はフロアのギアを何段階も上げてみせた。
KVGGLV天才 pic.twitter.com/9cxFmrGDBx
— ケーゴ (@kgo3kgo) February 11, 2024
このイベントを境に彼と僕は仲良くなり、一緒に遊ぶようになった。
観葉植物を買いに行ったり、group_inouのimaiさんのライヴを観に行ったり、カラオケで一緒に電波少女「Earphone feat. Jinmenusagi」を歌ったりした(彼も僕も筋金入りのジメサギオタク)。
彼の企画する野球観戦&インタビュー番組「BSHH」にも誘ってもらいました。こうやって話してると、今更だけどKVGGLVはDIYで色んなことやってるんですね。
ある日、KVGGLVとごはんをしていたら突然「バックDJになってもらえませんか?」と思わぬ相談を持ちかけられた。
自分のスケジュールもあるため全面的な協力とはいかなかったが、自分が協力できる範囲でKVGGLVの力になりたいと思い、スケジュールのいける日はバックDJとして彼と共にステージに立つことになった。
それが2024年6月ごろの話である。もう1年半くらい経つんですね…
彼はラップ体験のワークショップまで企画し、そこでも「ラップやりませんか?」と誘ってもらった。
彼的にはワークショップの参加者が一人でも増えれば、という話くらいだったのかもしれないが、もとよりクラブやヒップホップのコミュニティであまり居場所がなく肩身の狭かった僕からすると、このお誘いもとても嬉しいものだったのだ。
かれこれ10年以上はヒップホップのリスナーをしているが、改めて自分が「ラップをする」となるとこれが非常に難しい。
だけど非常に刺激的。「こんなリリック、フローはどうだろう」と試行錯誤することがとても楽しいのだ。
昔「ガチャピンチャレンジ」という「ひらけ!ポンキッキ」内のコーナーが好きだったことを思い出した。
ガチャピンがさまざまなスポーツに挑戦するコーナーだったのだが、ガチャピンも新しい困難に立ち向かい、楽しみながらそれに取り組んでいた。
僕のラッパーのバックDJ体験やラップのワークショップによるラッパーデビューも、すべてKVGGLVがいないとできないことだった。
多くのラッパーやヒップホップDJとの出会いも、KVGGLVがいなければきっとなかった。
僕はKVGGLVに対して「挑戦する楽しさ」「出会うはずのなかった人たちとの出会い」を教えてくれたことに圧倒的な感謝を抱きながら、12/14のライヴに備えてラップの猛練習に励んだのだった。

KVGGLV PURE LIVE
リハーサルからずっと緊張していた。
ずっと僕は自身の書いたたった16小節のリリックを、うわごとのようにブツブツ呟いていた。
KVGGLVは自身のライヴの演出についてずっと参加メンバーと打ち合わせている。
そこに一切の妥協はなく、どのタイミングで曲を切り替えるか、自分のこだわりをバックDJのNOREさんに伝えている。
初めてのワンマン、そりゃナーバスになるしアイツは今日僕の何倍もラップするのだと考えると、緊張は自然と無くなった。
結果、個人的にはとても良いステージになったと感じています。
KVGGLVがでっかい背中見せてくれたおかげです。
人生初ラップ/バースキックでした
— 何やっ天皇陛下 (@emmo_takenawada) December 14, 2025
ラップのワークショップ「BBBC」、今後も続けられたら良いなと思えるくらい良い体験でした
バックDJといいKVGGLVは自分にずっと新鮮な体験をくれる
仲間になれて本当に良かったと思えます pic.twitter.com/BNnZtrhzpt
ライヴについて語る記事の話なのに、本編について語りたいことは特に無いかも。あるのはひたすら「ブチ上がりまくった」ということだけ。
会場にいた人たちもわかると思うけど、フロアの空気めちゃくちゃ良かったですよね。
バックDJとしての役職を下りた状態で久々にフロアでKVGGLVのライヴを観て、何も彼のキャリアを抱えていなかったヘッズとしての自分として彼のライヴを楽しんだ。
彼の楽曲はマジで全部良いということくらいだろうか。一生踊れます。まだ聴いたことない人、ここまで読んだならマジで聴いてみてほしいです。
そしてよかったらライヴにも遊びに来てね。絶対楽しませます。
もっかいプレイリスト貼っとこ
僕がこの項で書きたかったのは、ヒップホップってひたすら「仲間の大切さを知る音楽」だなあということだ。
「フィーチャリング」という文化はようやくバンドシーンにも浸透してきた。アイドルシーンにもなかなか無い、ブラックミュージック特有のカルチャーだと思っている。
正直「ワンマンって何やねん」と思うくらいの出演者量。でもそれだけの人がKVGGLVのために少ない出演時間でも集まってくれる。
それってめちゃくちゃ尊いことだと思ってて、彼が今までの活動で積み重ねてきたものの集大成なのだと強く感じた。
ヒップホップの4大精神のひとつ「Unity(団結)」とはよく言ったもので、その団結の大切さを強く教えてもらったライヴだった。
KVGGLVの紹介の際に彼は「ザ・ラッパー」ではないような書き方をしたが、そういった観点で見ると非常に彼は「ザ・ラッパー」なのだと感じている。
さいごに
THE Vで行われた終電ギリギリのアフターパーティーまで、KVGGLVは足を止めず走り切った。お疲れ様でした。
本当にすごいことだと思う。
彼が始めたことではあるけど、ワンマンを成功させたうえでたくさんのお客さんを満足させて帰らせるって、皆が思ってる以上に難しい。
そして、ラップのワークショップにステージ出演の機会を与えてくれて本当にありがとう。
あなたと知葉瑠くんの作ったこのワークショップは、僕も含めて「KVGGLVのワンマンをきっかけにラップを始める」っていう、誰かの背中を直接押す素晴らしい企画やと思います。
常にオーバーワーク気味のあなたを側で見ているので心配な部分もあるけど、あなたの負担にならない程度に続けてくれたら僕はとても嬉しいし、僕もあなたの力になれたら嬉しい。
今後とも、何卒宜しくお願いします!!!!!!
そしてこの記事を読んでくれている皆さんへ。
さっきも言ったけど、KVGGLVの音楽(周りの音楽も含め)はとてもこだわり抜かれていて素晴らしいものです。
この記事があなたの新しい価値観を植え付ける一助になれば。そう願ってやみません。
自分に対し常にストイックに活動するKVGGLV。彼は来年にはアルバムリリースを予定しています。
彼の今後の活動にもぜひ目を向けてみてください!

