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PEファンド|LBO・買収ストラクチャー基礎

PEファンドへの転職を志望する人間の多くは、LBOモデルや投資メモの練習に多くの時間を割く。それ自体は正しい。

しかし実際の案件では、財務モデルと買収ストラクチャーは切り離して考えることができない。

例えば、優先株の発行条件はモデルのキャッシュフロースケジュールに影響し、合併の実施タイミングはデットの繰り上げ返済余力と連動、税務ストラクチャーは最終的なリターン計算の前提になる。

入社後に投資委員会の資料を見ると、フロントページには必ずスキーム図が載っている。LP・LPS・SPC・対象会社・金融機関が矢印で結ばれたあの図だ。

この図の意味を理解せずに数字だけを追っていると、案件の全体像を掴むのに時間がかかる。ストラクチャーの基礎を先に理解しておくことで、実務への適応スピードが速くなるだろう。


LPSとSPC ― ビークルの基本設計


(1)LPS(投資事業有限責任組合)とは何か
まず、PEファンドそのものが企業を買収しているわけではない。

PEファンドは、「投資事業有限責任組合(LPS)」というハコを通じて投資を行う。

LPSは会社ではなく組合であり、年金基金・金融機関・事業会社・富裕層などの投資家(LP:Limited Partner)から資金を集め、GPであるファンドがその資金を運用する仕組みだ。

LPSが投資ビークルとして採用される理由は複数ある。最も重要なのはパススルー課税だ。LPS自体には法人税がかからず、各投資家がLPSからの分配に対して直接課税される。

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