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人生最大の衝動買い|マイホーム

2024年の12月頃から、家探しを始めた。

「ただの同棲だし」の1LDK

夫と初めて同棲する時、軽い気持ちで決めた1LDK42平米の、限界が来ていた。動き始めた息子と、日々なぜか増えていく荷物たち。月齢に応じて毎月増えていく息子の新しいオモチャに、保育園から持ち帰る工作の数々(捨てる気にはなれないし、かと言って保管する場所もなく、飾っている)。狭い玄関にはベビーカーが置かれ、その脇をカニ歩きしながら出入りする日々。

収納は余裕で足りなくなり、無印のカラーボックスを買い足す日々。家が狭いのでソファは無く、寝室はリビングと繋がっているので、息子が寝た後に家の中でくつろぐ空間は無い。

息子が昼寝中に英語のリスニングをしたい夫は、部屋がないから洗面所に閉じこもって勉強していたし、台風の日に夫婦2人でテレワークする日は互いの声がうるさくてカオスだった。

「早く引っ越さなきゃね」

これはそんな生活に疲弊した2人の暗黙の了解だった。

迷走する私たち

最初は賃貸で探していた。夫が「賃貸派」だったから。

私は購入派だったけれど、夫の話を聞くと「なるほど、そうかもしれない」と思う点が多々あり、そこに落ち着いていた。賃貸であれば夫の会社から家賃補助が数万でること、夫の海外赴任の可能性がゼロではないこと(ただ赴任がない可能性も同じくらい高い)。

賃貸で探していた頃の条件は、「今と生活圏を変えないこと」。なぜなら今の家は駅から徒歩5分圏内かつ、息子は現居からほど近い保育園に入っているという利便性の高すぎる環境にあるから。

1年くらいは、条件の良い賃貸が出るのを待ち続けた。

引っ越したいのに、引っ越せない

だけど条件の良い家は、出てこなかった。というか我々が設定していた理想の条件というのが非現実的だったのだと思う。

・家賃18万前後
・3LDK以上
・駅から徒歩5分以内
・築5年以内
・敷地内駐車場付き(立体駐車場以外希望 ※夫が)

待てど暮らせど物件は出てこず、引っ越せる気配もゼロなので、購入という選択肢を入れることにした。

ただそれからも1年間、物件は出てこない。

そもそも

まあそもそも、最初は予算感も不明確だった。安ければ安いほど良いのだが、じゃあ「予算の上限がいくらなのか?」は夫も私もわかっていない。

上限額は、そもそも住宅ローンの月々の支払額(マンションの場合は管理費修繕費、駐車場台)まで含めて計算する必要がある。

ちょうどその頃、注文住宅を建てることも視野に入れ始め、ハウスメーカー巡りを開始した。(ハウスメーカーは、セキスイハイム/積水ハウス/タマホーム/一条工務店を巡った)。一条工務店経由で紹介されたFP相談に参加したり。ただああいったハウスメーカー等と提携しているFPさんは結局、割と楽観的な指数で我々の将来の収支を計算し、結局は
「もっと予算を上げられますよ」
といった類の提案をしてくるものだ。実際、私たちのプランニングを担当してくれた方もそうだった。

FP相談というのはいろんなところで「無料」相談会を実施していて、それは保険屋経由だったり不動産屋経由だったりする。大概、リスクに備えるための商品を売る保険屋経由のFPは悲観的なプランを作り我々を焦らせ、「将来の備えのために」「リスク回避のために」だとか言って保険を紹介してくるし、不動産屋経由の場合は「購入金額はもっと高くて良い」「この物件を買うための資金力は充分にある」と言って決断を後押ししてくれる役割を担っているのだろう。

20件近く、内見を致しまして

と、話は逸れたが、結局私たちはそんなこんなで約3ヶ月の間に以下の物件を内見した。

・ハウスメーカー4社
・土地3件くらい
・新築戸建て6件ほど
・中古マンション1件
・新築マンション3件
・中古戸建て2件

自分達はなんとなく、周囲の友人がそうであるように新築か中古でマンションを買うものだと思っていたのだが、結局、買うことになったのは…

中古戸建て(注文住宅)なのである。

人生最大の衝動買い

もうこれはタイミングと勢いだった。住宅は人生最大の衝動買いとはよく言ったもので、本当にその通りだった。

ちょうど購入する物件に決める直前にもう一件良いなと思っていた中古戸建てがあったのだが、その物件にはすでに申し込みが入っていた。だから買えなかった。そんな一件があった後の、今回だった。

内見日には私たち以外に3件もの内見が入っていた。

中を見てみたら、ネット上の情報で見た通りのコンパクトさだったけれど、それはもう、直感だった。

ーー私たちは、ここに住むんだ。

気が良かった。気が良いというのは、なんかもう論理的に表現するのは難しい領域だけれど、その空間の中にキラキラと舞い踊る金平糖のような軽やかさと輝きと、爽やかな朝の香りと、暖かい家族団欒の夜の食卓が、目に浮かぶようだった。

なぜ、そう感じたのかはわからない。たぶん誰にもわからない。だけどこれが運命だし、思い込みだし、衝動買いなのだろうと思った。本気で運命だと思った。

恋は盲目と言うけれど。家の購入もまた、一種の盲目さが必要なのではなかろうか。どこかバカにならないと、家なんて買えない。

マイホームの夢と、愛すべき現実

そうして、その家に申し込んだ。

それから2週間後には、不動産会社の奥まった場所にあるキレイな会議室で、売主ご夫婦と対面して契約書にサインしていた。

家を買った。やっと引っ越せる。

実は私が子どもの頃から夢見ていたマイホームは、ビバリーヒルズみたいな最高級住宅街に聳え立つ大豪邸で、だだっ広い緑の芝生の庭があり、ワンちゃん2匹と子ども2人が走り回っても有り余るくらいのその敷地で、土日には友人家族を招きバーベキューをするような、そんな家だったけれど。

現実はこじんまりした30平米のコンパクトな戸建てで、しかも中古。

だけど、そんな地に足のついた私たちらしい選択がまた愛しくて、フッと空を見ながら笑ってしまう。

いよいよ今月末、引っ越しです。

新たな生活が楽しみだ。

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