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【保育のいろは】大号泣が教えてくれた、子どもの「自分軸」を育てる『おかわりゲーム』の魔法

前回の記事では、大人向けの「太陽の聴き方」として、「誰かのため」が簡単に「誰かのせい(他責)」になってしまう怖さや、自分軸へと心を切り替える大切さをお話ししました。実は、この「他人軸から自分軸へのシフト」は、大人の世界だけでなく、保育の現場で子どもたちと向き合う上でも、まったく同じ大切な鍵になります。今回は、ある日の、愛おしくて、そして「自分軸」の本質がぎゅっと詰まった、ある女の子とのエピソードをお伝えします。

1誰の声も届かない大号泣の理由
大きな声で泣いている声が、職員室まで響く。声の元に向かうと、あるクラスの子が、幼子の様に泣きじゃくっていた。泣きすぎて誰の声も届かない、そんな状態。私は、担任の先生とバトンタッチする。私はそっと彼女の横に座る。給食の途中、みかんとさつまいもが残っているけれど、泣いていて食べる余裕は無い。彼女は泣きながら、別の机の下に潜り込んで寝転んで、更に激しく泣き始めた。私は距離を保ったまま……彼女から話し始めるまで、そっと見つめて、待つ。
彼女はこちらをチラチラ見ながら泣き続けていたけれど、しばらくすると『先生に伝えてよー』と言い始めた。
彼女のタイミングで話し始めるのは、わかって欲しいからだ。
子どもが激しく泣くのは、泣き続けたいからじゃない。
「わかってくれるかな」
「寄り添ってくれてる」
そう感じた時泣くを終えて次に進む。『先生に伝えるよ、どんなことを?』
私がそばに行くと、寝ていた彼女は
起き上がって、私の横に座る。
2. 「周りのせい(他人軸)」から「自分がどうするか(自分軸)」へ
彼女の話を要約すると、こういう理由だった。今日の給食は大好きなラーメンだったからおかわりをしたかったんだけど、さつまいもが苦手で、まだ食べ終わってなくて、そのうち、〇〇君がおかわりしたら、もう無くなってしまった……。私はいつも食べるのが遅いから、そうなる。すごく嫌だったから先生と喧嘩した……。
「そうか、そうか。好きなラーメンおかわり出来なかったんだね。したかったね。でもいつも食べるのが遅くて出来なくて悔しいね」まずは、彼女の悔しい気持ちを丸ごと100%全承認する。彼女は、「〇〇君が先に食べたから」「私はいつも遅いから」という、周りの環境や他人のせいで心が乱れる「他人軸(他責)」の中にいて、そのイライラが目の前の大好きな担任の先生への怒りに変わってしまっていたのだ。

「『おかわりゲーム』に勝つには、いくつか方法があるんだけどさ……」私がいうと、彼女は座り直して私の目を真っ直ぐ見た。「教えて」と。
「まずね、いつもご飯をしっかりよく噛んで食べる。お菓子とか好きなものばっかりじゃ無くてね。それから『いただきます!』をした後、おしゃべりは少しにする。ついつい楽しくてたくさんおしゃべりしちゃうかもだけどね。」
「よし、今日は大好きなメニューだからおかわりするぞ!と決めたら、おかわりすることを目指して、計画して食べるの。みんながどれくらい食べ進めてるかな?って周りにも目を向けてさ。ゲームみたいに、自分の中で楽しみながらね」そう伝え終わると、
彼女が言った。「私、忘れちゃうから、今の事、紙に書いて渡して欲しい」
そういうと、彼女は自ら立ち上がり、涙を拭った。
3. 自分で選んだ「ごめんね」と、最高の結末
「ねぇ、先生に謝りたいから、一緒に来て」そう言って、私の手を握る。「いいよ」
先生にごめんね、といえた彼女。
どうやら怒りに任せて、大好きな先生に「大嫌い、あっちいけ」と伝えてしまったこと。それも悔やんでいての、大号泣だったのだろう。「怒られたから謝る」のは他人軸。でも彼女は、「大好きな先生と仲直りしたいから、自分で謝ることを選んだ(自分軸)」。
先生と仲直りした彼女は、私の方を向いて大きな声で伝えてくれた。
「せんせ!ありがと‼ ︎ ハイタッチ‼︎」
私は幸せな気持ちで職員室に戻って、月末の仕事をした。
おやつが終わった頃、
用事があって保育室に行った。
すると、彼女が「せんせー!」と
嬉しそうに駆け寄ってきた。
『あのね、おやつ、おかわりできた!』輝く笑顔で、2度目のハイタッチ🤚
4. 私たちは指導者ではなくサポーター小さな成功体験から、子どもの自己肯定感は自ら育つ。私たちは指導者ではなく、サポーター。
子どもがすでに持っている力を引き出すことが、私たちの役割の一つ。
子どもの心根にある「光」を信じること。
大人も子どもも実はとてもシンプル。
「周りがこうだから」「あの人のせいで」という他責(他人軸)にいる間は、怒りや悲しみが止まらない。でも、「じゃあ、自分はどうしたい?そのために何ができる?」という自分軸のスイッチが入った瞬間、人は自ら動き出すことができるはず。女の子の心根の底にも、「大好きな先生と仲良くしたい」「自分の欲求を満たしたい」というピュアな愛情(光)がちゃんとあり、自分の中からその光が溢れでて気付き学ぶ。
私たちリーダーや保育者がやるべきことは、子どもをコントロールして正すことではなくその子の底にある「光」を信じて、自分軸で歩き出せるような素材(ヒント)を手渡してあげること。子どもを太陽の光で信じて待つと、こんなに素敵な奇跡が毎日起こる。
温かいハイタッチ🤚それは、園長先生である私の、かけがえのない宝物!

雲の上はいつも青空!
物事は実にシンプル。
自分の言動が自分に戻ってくるのです。

今日もあなたと、あなたの大切な人たちの間に、温かいハイタッチが響きますように。

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