トーンアシスタント市場が価格崩壊している話
みなさんこんにちは。
えにしゆめ。です。
今日はトーンアシスタントの報酬についてお話ししていきます。
そもそも漫画家とアシスタントってどこでマッチングしてるの?
私はいつもGANMOというマッチングサービスで募集しています。
X経由でお声がけいただくこともあります。
業務委託専用の掲示板となり、
完全に個人間でのやりとりになるので、
ある程度社会経験やビジネスメールの書き方など
お互いの信頼を得るためには知識が必要です。
今、トーンアシスタントの単価がおかしい
私は現在 基礎トーン塗り分け(人物のみ)の場合
1ページ 600円 でお受けしています。
率直に言ってこの金額は安すぎると思っていますが
これ以上高くするとご依頼がこなくなるので
現状、ここまでの設定が限界となっています。
なんで1ページ600円が安すぎると言えるの?
私の場合、塗り分けだけでなく仕上げまで作業した場合
1ページ 1時間 以内に完了できるようにしています。
なので、時給換算・作業時間を分配して計算したときに
塗り分け 1ページ 600円
ツヤベタ 1ページ 300円
影付け 1ページ 400円
で、 1ページ1,300円 = 1時間1,300円
として考え、東京都の最低賃金より低くならないように設定しています。
※塗り分けが一番の基本作業なので、一番高くなるようにしています。
これを実現できるのは、私が
塗り分けだけの場合 1ページ 15分 以内
仕上げまでの場合 1ページ 1時間 以内
で終えられる技術があるからです。
仮に、私以外の塗り分けアシスタントの作業時間が平均で
1ページ 30分はかかるとした場合、労働力として
この倍 1ページ 1,200円 は
最低限必要になるはずなのです。
私が低単価でもやっていけてるのは圧倒的作業スピードで量をこなしているからで、これが当たり前ではない
自分で言うのもなんですが、
私ほどクオリティが高い作業をスピーディにこなせる人は
なかなかいないと思っています。
じゃあなんで単価を上げられない・上がらないのか?
それは、
現状、漫画家とアシスタントのマッチング方法の主流が個人取引になってしまっているから
たとえば、さきほど紹介したGANMOには
プロアシとして活動している方もいますが、
アシスタント未経験・初心者の方もたくさんいます。
もちろん、初心者の方でも上手な方はいますが
あくまで個人取引のため
・一定のクオリティが保証できる
・連絡がしっかり取れる
・きっちり納期に間に合わせる
これらがすべてできる、
信頼できる人材を、確実に見極めて、安心・安全に確保できる環境というのが、現在はない
それはアシスタント側も同じです。
支払をする気がないのに依頼し、
納品後逃げる悪質な作家もいます(体験済)。
私たちはこの単価で仕事に信頼と責任を背負わなければいけない
たとえば、イラストレーターが
3時間 で絵を描いたからといって
そのまま 時給1,300円 × 3時間 で
3,900円 でその絵を売るのは普通だと思いますか?
私たちは技術職です。
私たちがする仕事には、
拘束時間に対する報酬だけでなく
・技術に対しての信頼・クオリティを
守るための料金(信頼料)
・作品の品質だけでなく、秘密保持や納期などに対する
責任を持って完成・納品するための料金(責任料)
が発生するはずなのです。
よく考えてください。
その金額で大事な原稿を個人に頼んで本当に大丈夫ですか?
最近はGANMOで 1ページ 300円 で
塗り分けを希望するアシスタントが増えましたが、
その300円で秘密保持を守りながら仕事ができるという
保証はどこでできるのですか?
そもそも、アシスタントと秘密保持契約をする作家様はどのくらいいるのでしょうか?
これって、今すごく危険な状況だと思いませんか?
個人依頼が主流の現場だからこそ
やり方を整備しないといけない
そもそも、個人取引→業務委託契約の場合
フリーランス新法により
発注者は書面などによる取引条件の明示を
しないといけないと定められています。
なので、私は見積書兼発注書というものを準備して
そこにご署名可能な方のご依頼のみお受けしています。
価格崩壊以前に、
・正しい依頼の仕方
・正しい金額設定の仕方
が、浸透していないのが現在の問題だと思っています。
みなさん、脱法アシスタントはやめましょう
これは作家様・アシスタント様両方に訴えかけてます。
正しい依頼の仕方・正しい金額設定の仕方が広まれば
結果的に漫画家様の報酬も上がっていくはずです。
当ブログでは、アシスタントのことだけではなく
漫画業界全体の環境改善・品質向上もねらっています。
そのために私がまずできること。
それがnoteに書くことでした。
私が法人化しようと思ったのも、
トーンアシスタントを養成することによって
トーンアシスタントのクオリティの平均を上げ
単価も底上げしていくことを働きかけるためです。
次はアシスタントへの正しい依頼の仕方
のお話ができたらと思っています。
今回もここまでご覧いただきありがとうございました!
次回もよろしくお願いいたします。
えにしゆめ。
