New CD Album 紹介4
えんじろうのオリジナルニューアルバム「かたちあるもの」が、いよいよ生産工程に入りました。作曲編曲はもちろん、伴奏づくりや楽曲の構成から、音質調整やCDに合わせた最終工程も自分で行った、手作り作品の第3弾となります。これから曲紹介を兼ねながら、少しずつそのベールを剥がしてゆこうと思います。
9月15日の発売に向け、多くの方に興味をいだいて頂けたら幸いです。
完璧さより自然さを
今回のCDは、特別完璧な演奏を求めずに吹く、というテーマも含めました。ちょっと意味がわからないと思いますが、完璧よりも自然さを重要視したといえば伝わるでしょうか?
特に前回、前々回の「3つのオカリナがうたう 名曲の宝箱」では、オカリナ3重奏こそがメインのアルバムでした。オカリナのハーモニーを美しくすることが重要で、しかもそれを聴いて、やってみたくなる人が大勢いると嬉しいなという気持ちが全面だったので、ビシッとハモっていることが大前提。なのでかなり機械に近い気持ちになって演奏するよう心がけた場面も多かったのです。
その分というわけではないですが、今回はハーモニーの曲であっても、それぞれのパートが思いのままに吹くことの方を重視しています。完璧な音程というわけでもなく、テンポが早くて必死なフレーズでは、そんなえんじろうの必死な姿ごと内包するようにしています。
いくらCDだからといって実力以上の音を吹き込んだところで、生演奏でメッキが剥がれるのですから、素直に今できることを収録したという感じでしょうか?
10.百華舞舞
花惑い
ここまでの流れからちょっと逸脱した雰囲気を持つこの曲は、元々は和太鼓の演奏家である龍桜流やぐら太鼓、龍桜朱泉様からご依頼を受け、曲打ちという音楽に合わせて太鼓を打つ演舞に利用して頂く楽曲として制作したものです。
太鼓を打つ動きに適合するように、テンポや構成などに対する綿密な打ち合わせのもとで完成した「原曲」の方は、ぜひ龍桜流やぐら太鼓様のステージでご覧いただければと思います。
こちらのCDでは、それをオカリナ向けに少しゆったり、柔らかな雰囲気にして「花惑い」というサブタイトルを加えました。
楽曲は、何かが始まりそうな静けさの中から、ポッポッと音が聞こえそうな雰囲気で花が開いてゆく場面。そしてそれらが風に揺れながらゆらゆらと、楽しく舞いを披露するようなシーンに分かれています。
次のオリジナルアルバムを作るときまで、なかなか披露もしてこなかったこの曲を、ようやく堂々と皆様にお伝えして行けることが嬉しいです。えんじろうにとってはかなり難しいフレーズばかりの曲ですが、一度流れに乗れてしまえば心地よくなれるという感じ。今後の演奏でも披露してゆきたい曲です。
11.しだれのさくら
薄紅色の想い
しだれ桜をテーマとしたこの楽曲は、コロナ禍の際に幾度となくFMから流れたこともあるオリジナル曲です。もしかしたらご存知な方もおられるかも。
あれもだめ、これもだめ、それでもやりきった企画では大赤字。そんな世の中で演奏活動も実質封印されたような日々。音心の最新アルバム「心象風景」が、プレスでなくCD-Rでの販売になったのも、資金不足から来たことでした。えんじろうのような個人のしがない演奏家では、企業向けの補助金精度も対象外で、本当に活動を辞めることも考えなくてはならないのかなあというのが、チラチラとよぎる中で生まれたこの楽曲は、しだれ桜の曲。
さくら さくら 弥生の空に
さくら さくら 今咲き誇る
さくら さくら 薄紅色の
想い 満ちゆく
ピアノ伴奏が中心ですが、オーケストラ的なパートや、和の打楽器も入り、ピアノのフレーズもどこかお箏を連想させるものを含んでいたり。お箏を習ったえんじろうならではの構成かと思っています。
募り募った想いは、か細い枝では支えきれず、いつしか垂れゆくしだれの桜。そんなイメージで、桜の木そのものが想いの象徴としてあるような重たい楽曲です。だってどんな想いであっても、少しずつ積み重なってゆくものです。誰かに何かを我慢させればそれで円満、というものではないのです。
願いや想いは様々な試みを招き入れ、それで得た結果に触れるときようやく満たされる。この曲を聞いてあなたの目に浮かぶしだれ桜の木は、どんな姿なのでしょうか?
12.夢で見た夢
無限の彼方から
いよいよ終盤が迫ってきた12曲目です。あなたは眠りの中で「あっこれは夢だ」と感じることってありますか?えんじろうは2度くらいあります。そういうのを明晰夢というらしいですね。
そしてこの夢であると認識できている間は、なんとその夢を意図的にコントロールすることが可能になるという話を、昔テレビで見たことがありました。そうです、一方的にシナリオを押し付けられている立場から、主人公に監督が想定していない仕草をさせ、監督が慌てて辻褄合わせをするような関係を作り出せるのです。
この体験は本当に面白いんですよ。
ほぼ恐怖展開に進んでいたものを、大逆転でしかもお笑い混じりの状況にひっくり返し、監督が慌ててつじつまを合わせようとシナリオに手を加えるも、それをさらに上回るようひっかき回せるのです。
いつも不利な役ばかりさせられていると感じていた分、これはめちゃくちゃ楽しい体験でした。まるで鬱憤晴らしです(笑)
残念なのは、この状況を隙なときに作り出せないこと。怖い夢のたびにこれができれば、怖いものなしなのに。もうここ9年は明晰夢を見ていません。
話がそれてしまいましたが、夢の中で更に眠ってしまい、もう1階層奥で夢を見ているなんて体験は、ありませんか?えんじろうは明晰夢よりも高頻度でみることがあります。
これは夢を見ているときよりもそこから1階層だけ覚めたときに、なんだかすごく心もとない不安な気持ちになります。だってねえ、この世界は夢なのか現実なのかって思っちゃうじゃないですか?そしてそこからも目覚めて、いわゆる現実世界に目覚めたとき、その世界すらも疑ってしまうではないですか?もう映画マトリクスですよね。
夢は記憶の整理のため、その断片に触れる結果、起こるという話を聞きますが、わざわざ断片をつなぎ合わせてストーリーを考える必要性は何なのだと言いたくなりますよね(笑)
心に残る夢
皆さんにもずっと忘れることのできない夢の記憶、ありますか?
えんじろうは未だに忘れることができない夢が、3つくらいあります。そんな中でも一番伝えやすく、そして判りやすい夢のお話をしてみましょう。
あれは本格的な演奏活動に入る前なので、18年ほど前だったと思います。こんな夢を見ました。
中学生の卒業式後の記念撮影の写真を見ていると、その写真のカメラと自分が重なる感じで、気がついたら写真の中に入っています。卒業生たちの中で泣きそうでふてくされたような顔をして、隠れるようにして立っているジャージ姿の自分。僕は底に向かってまっすぐに歩いてゆきます。並んでいた体育館のステージに上り、当時の自分のすぐ横に立つと、こう語ります。
「大丈夫、君は将来立派に生きていられるからね」と。
泣いていました。励まされた当の本人は「何言ってんだこの人?」という感じでキョトンとしていたのですが、伝えた側の現在のえんじろうは、どっぷり泣いていました。元々かなり泣き虫ですが、どうしてこんなに涙が出るのか、どうしてなんだか嬉しい気持ちなのか、よくわからない感覚でぐしゃぐしゃでした。
これは今でもあのときこの夢が見られてよかったなあと思っています。皆さんにももし、生涯忘れないだろうなと思える夢の話があったら、お聞かせください。
まとめ
はい、脱線も多かったですが、展開しがいのある楽曲たちだったのではないでしょうか?
夢のタイトルが示す通り、この曲から既に夢と歩みの章に突入しています。まあ実際は章立ての区別なんてどうでもいいのですけどね。次回はもうラストですね。ここまでの記事が、皆様のCD入手に向けたワクワクにつなげていただけたのならば、大変嬉しいです。
ではでは次回、最終回の3曲でお会いしましょう。
CD情報
主題 かたちあるもの
副題 大地と花と夢の歩み
発売 2025年 9月15日
演奏会場での手売り販売
えんじろうのお店から購入可能
価格 3000円(税込)
赤い朝 命は朝焼けに目覚め
躍動輪廻 大地と魂の踊り
王宮の舞踏会 今日の花は誰のため?
湖面の朝 きらめきに溶け込む
雲間の蒼 白昼のまどろみ
自由はオレらの旗印 陽気な船乗りたち
船旅 宵闇から目覚めへ
まっ赤な実・ちっちゃな実 それは宇宙の卵
不思議な曼珠沙華 迷いなき真紅
百華舞舞 花惑い
しだれのさくら 薄紅色の想い
夢で見た夢 無限の彼方から
アーモンド・ワールド 弾ける個性たち
風に揺れるブラウス 思い出に揺れ
フラスコの中のバラ 私はいつもここにいる

作編曲・伴奏・風景音採取・オカリナ演奏
オカリナの虜 えんじろう
録音・ミックス・マスタリング
音工房 縁児堂
ジャケットデザイン
(株)エポックスタジオ
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