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【中の人、分人しすぎてバグる】:第3話「全部、オレです」

分人を量産したナカノ係長は、人格の境界が崩壊しはじめる。

社内では推し語りが漏れ、SNSでは社外秘の数字が暴露され、

誰も“本体”を特定できない。


推し活分人
「オレは推しの話がしたいだけや!!」

愚痴分人
「無理やて!全部“本当の自分”とか言うて!矛盾やん!」

自己啓発分人
「失敗を責めるな!今ここに生きろ!!」

もれびとさん(漏人格)
「……もう疲れた……
中の人でいたかっただけやのに……」

(人格がどんどん発言しはじめ、誰が本体かわからない)

分人を量産しすぎたナカノ係長は、いつしか人格の境界があいまいになり、誰が“自分”なのかさえ見失っていた。 もう自分ではリセットできない──そう感じたその瞬間、空が裂け、昭和の怪獣ゴジュエモンが爆音とともに降臨。 すべての分人を爆破し、「中の人地獄」に終止符を打った。 灰の中から立ち上がったナカノ係長は、静かにつぶやいた。 「アカウントは……ひとつで、いい。」

(社内・会議室)

広報部
「ナカノさんのSNS、3つ同時に投稿されてます!」
「ひとつは推し、ひとつはおやつ、ひとつは会計監査の機密です!」

上司
「責任はどのナカノが取るんや!!」

空が割れる。昭和の海からゴジュエモンが上陸

ゴジュエモン(怒鳴り)
「ええかァ!!人格ちゅうもんはなァ!!
アカウント作れば作るほど…
責任と感情も分割できると思うとったら大間違いやでェ!!」

💥人格群、全爆破

(灰の中、ぼろぼろのスーツで立つナカノ)

ナカノ(しみじみ)
「……どれが本当の俺かなんて、わからん。
けど、もう“アカウントで人格を切り分ける”のはやめるわ……」
「明日から、紙の帳簿つける……それでええ……」

分人を分け、演じ、

管理しようとした男は、

すべてを爆破され、ようやく“未設定のままの自分”に出会った。

🎬 おしまい


🗂️ Appendix:本日の寸劇キャスト

🔹 本日の寸劇キャスト

📛 ナカノ係長(なかの・かかりちょう)

昭和の帳簿と令和のSNSの狭間でバグる、中間管理職の化石フレーム。定時後にだけパーカーを羽織り、スマホを握りしめながら複数のアカウント人格で世界を渡る。
👉 ナカノ係長(なかの・かかりちょう)のプロフィールを見る

📛 ゴジュエモン(ごじゅえもん)

爆破批評の逆ナッジ怪獣。寸劇の深刻さを吹き飛ばすように乱入し、構造批判を爆発音で締める。最後のツッコミで、寸劇をブラックユーモアとして照射する役割を担う。
👉 ゴジュエモンのプロフィールを見る

🔹 キーワード

分人主義:人は状況ごとに複数の“人格(分人)”を使い分けており、どれも本当の自分とする考え方(平野啓一郎による概念)。
SNS:Social Networking Serviceの略で、個人が複数のアイデンティティを発信・管理するプラットフォーム。
ハッシュタグ:SNS上で投稿を分類・検索しやすくするための記号「#」付きのキーワードで、自己表現やつながりの手がかりにもなる。

🔹 出典情報

『私とは何か 分人主義入門』(平野啓一郎)


📘 この寸劇シリーズは、マガジン『逆ナッジUI図鑑』で公開中!
「逆ナッジUI図鑑」は、日常に潜む“逆ナッジ”な制度やUXを、キャラクター寸劇で批評する実験的プロジェクトです。


💡感想や気づきがあれば、Notionでさらに探検してみよう!


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