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【中の人、分人しすぎてバグる】:第2話「分人主義に手を出したら人格バグった件」

SNS人格と本体人格の乖離に悩むナカノ係長。

そんな彼のもとに現れたのは一冊の書籍──平野啓一郎『私とは何か』。

「そうか、分ければいいんだ!」とナカノはアカウントを爆増。

だが、器用に人格を切り替えることなどできるはずもなく…

ナカノは“分人崩壊”という新たな地獄の扉を開けてしまう——。


ナカノ(つぶやく)
「『私とは何か』……分人主義……」
「一人の“本当の自分”なんてない。人は分人の集合体……!」

(雷鳴の音)

(アカウント作成画面を次々クリックするナカノ)

ナカノ
「これが“推し活分人”……これが“愚痴分人”……」
「“経理哲学分人”、“無言RT専用分人”、あと“おやつ記録用分人”……」
「よし!人格のバックアップ完了や!」

「分人主義」という概念に出会ったナカノ係長は、救われたような気持ちで次々と自分を分割していった。 推し活用、愚痴用、業務用、自己啓発用──アカウントを増やせば、気持ちも整理できると思っていた。

(社内・日中の会議。ナカノが発言中)

ナカノ
「推しが尊い……じゃなかった、
えー、売掛金の推移を……尊い……ッ(咳払い)」

同僚たち(ざわっ)

(X(旧Twitter)画面。ナカノの“愚痴アカ”がこうつぶやく)

@ZURE_ZURE_kanta
「この会議、なんの意味あるん?空気だけで生きてるやつ多すぎw」
→ いいねとリポストが拡散中

(社内・SNS部緊急会議)

広報部
「“中の人”の中の別アカウントが炎上してます!!」
「でも本人は否定してます!」

上司
「どうなってんねんナカノ!!どれがお前の本体や!!」

ナカノ(目を泳がせながら)
「俺は……
何人目の俺なんや……」

分けることで楽になるはずだった。

だが分ければ分けるほど、

すべてが混ざり、境界は溶けていった。

🧩次回:第2話「全部、オレです」に続く


🗂️ Appendix:本日の寸劇キャスト

🔹 本日の寸劇キャスト

📛 ナカノ係長(なかの・かかりちょう)

昭和の帳簿と令和のSNSの狭間でバグる、中間管理職の化石フレーム。定時後にだけパーカーを羽織り、スマホを握りしめながら複数のアカウント人格で世界を渡る。
👉 ナカノ係長(なかの・かかりちょう)のプロフィールを見る

🔹 キーワード

分人主義:人は状況ごとに複数の“人格(分人)”を使い分けており、どれも本当の自分とする考え方(平野啓一郎による概念)。
SNS:Social Networking Serviceの略で、個人が複数のアイデンティティを発信・管理するプラットフォーム。
ハッシュタグ:SNS上で投稿を分類・検索しやすくするための記号「#」付きのキーワードで、自己表現やつながりの手がかりにもなる。

🔹 出典情報

『私とは何か 分人主義入門』(平野啓一郎)


📘 この寸劇シリーズは、マガジン『逆ナッジUI図鑑』で公開中!
「逆ナッジUI図鑑」は、日常に潜む“逆ナッジ”な制度やUXを、キャラクター寸劇で批評する実験的プロジェクトです。


💡感想や気づきがあれば、Notionでさらに探検してみよう!


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