【美術展】風神雷神図のウラ/東京国立博物館(東京都台東区)
「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」展で、写楽の浮世絵と同じくらいの熱い気持ちで鑑賞したかったのが、トーハクのミュージアムシアターで上映されている「風神雷神図のウラ」。GW中に観光地へ行くことの背中を押してくれたのは、このバーチャルリアリティー。
俵屋宗達によって描かれた国宝「風神雷神図」を、所蔵する建仁寺でキヤノンが作成した高精細複製画で鑑賞したのが、昨年。
今年は大阪、京都、奈良で国宝展が開催されていて、大阪と京都へは行く。京都では複製画ではなく、実物が展示されている。折角本物が見られるのなら、その予習の意味でも、尾形光琳による「風神雷神図」をVRだが予習しておきたかった。
俵屋宗達による国宝「風神雷神図屏風」が、のちの絵師に与えた影響は相当なもので、尾形光琳、酒井抱一が模している。描かれた年代順に並べるとこうなる。
★国宝「風神雷神図屏風」俵屋宗達 17世紀(江戸時代)建仁寺蔵

★重要文化財「風神雷神図屏風」尾形光琳 東京国立博物館蔵

この屏風の裏面に、酒井抱一が「夏秋草図」を描いた。
★「風神雷神図屛風」酒井抱一 19世紀(江戸時代)出光美術館蔵

★尾形光琳「風神雷神図屏風」の裏に、酒井抱一が描いた「夏秋草図」
酒井抱一は播磨姫路藩主、酒井忠以の弟として江戸に生まれた。
11代将軍徳川家斉の父で一橋家の当主治済から制作を依頼された作品は、憧れの尾形光琳による「風神雷神図屏風」の裏面。
風神の裏に、

風になびく秋草を

葛や藤袴、ススキや野葡萄といった秋の草花が右から左へと大きく風に吹かれている。宙に舞う野葡萄や、裏返った葉の色に、風の強さがしめされている。秋草は風神が巻き起こした風に吹かれている。
雷神の裏に、

雨に濡れた夏草

月の光を思わせる銀地に、夏から秋の草花が爽やかな色彩であらわされている。右隻には、百合、昼顔などの夏草が、うなだれたように刃先を地面に向けている。背景には地面にたまった雨水が流れ出している。雨粒を描くことなく、夏の強い夕立を表現している。
夏草は雷神がもたらした雨に打たれている。
作品保存のため、1974(昭和49)年に表と裏に分けられ、現在はそれぞれ別の屏風になっている。
VRの映像では、風神や雷神に秋草や夏草が重ね合わされ、まさに、二神が草花の上にある絵となり、酒井抱一がこの映像を見たら、感涙ものだろう。
★粋な展示「夏草図屏風」酒井道一
そして本館には、酒井道一が酒井抱一の「夏秋草図屏風」を模写した「夏草図屏風」の展示。
抱一作の屏風絵への愛がひしひしと感じられる。


★東洋館では外せない「インド精密画」
ミュージアムシアターは「東洋館」にある。トーハクは目玉の特別展があると、本館や平成館は流石トーハク、な混雑状態となるが、それがなにか?くらいのヒッソリ感がたまらなくいい「東洋館」。

絵葉書があったら欲しいレベルに美しい。

★表慶館での「浮世絵現代」
様々な現代のクリエーターによる「現代」の「浮世絵」から気に入ったもののご紹介。

表慶館へはいつ行ってもウットリする。



欲しい!売って下さい、だったのが、これ。鳩に限らず、動物得意じゃないんだけど、これなら許す、ってなぜに上から。


山口晃は、過去と未来が混在する都市鳥瞰図や合戦図を、圧倒的な構成力と豊かな想像力によって描き出す。2点の木版画では、歴史ある東京のランドマークを名所絵風に描いた。
北斎・広重の浮世絵を咀嚼した斬新なアングルと軽妙な筆致に、独自のウィットも織り交ぜる手腕には唸らざるを得ない。

来週はいよいよ、俵屋宗達「風神雷神図屏風」の実物を見に行ける。
相変わらず有給休暇を無駄使いしない私!(^^)!。
