Writing Strategy ~ 戦略の記術 ~
前回のページでも話した通り、2025年春にリリースした「Soundtrack for Unborn Motion Picture」のトラックを、本来リリースする予定であったトラック順に紹介していきます(BGM販売の審査の関係で、通常ではⅡ部構成に分けてAct ⅠをTuneforest、Act ⅡをAudiostockにてそれぞれ販売中)。
Act Ⅰ
Act Ⅱ
今回は、通常版ではAct Ⅱのトラック 2にある「Writing Strategy」について話したいと思います。このトラックは、現在の自分が理想とする音楽性である「映画音楽とヘヴィ・メタル」を最もダイレクトに表現したナンバーのひとつ。このセルフ・ライナー・ノーツでも既に何度も話している、そのサウンドを2025年にこの目と耳そして体全体で体験したハンス・ジマーの影響が強いナンバーでもある。このトラックは、2025年の正月休み明けに早速レコーディングをしたナンバーのひとつでもある。そして、この年から自分はギター・アンプを新しくした。現在自分が使用しているのは、IK Multimedia社のTONEXシリーズから販売されている「MESA/Boogie Reference Signature Collection」内に収録されている「Mk.ⅡC+ 1984」 。

TONEX Mesa Boogie Mk.ⅡC+ 1984
昨年リリースした自分のソロTP 「The Entertainergy」、Entertainergy the Band Ⅰst EP 「MUSICIANSPIRIT」(オリジナル盤、現在は廃盤で“Creator's Cut”として再リリース)までは同ブランド内にあるAmplitubeの同じくMesa Boogie公式モデリングの「Mk.V」を使用していたのだが、TONEXの公式モデリングがリリースされた時早速試奏してみたのだが、このMk.Ⅱの地響きを起こすローエンドと自分好みのトーンに、自身のもうひとつの声を見つけた。自分と同い年である“1984”にもシンパシーを感じた。現代ではKemperを筆頭に、昔のアンプ・シミュレーターとは違いマイキングでアンプ・サウンドをプロファイリングしてしまう高度な技術によってトーン・モデリングが行われる時代になった。この技術はプロの世界でも認められていて、近年では大御所ミュージシャン達も機材運搬の経費を節約する為に、昔のようにMarshallのスピーカーを何個も運ぶ事はなくなり、モデリング・アンプひとつで済ませているのをステージで何度も目にしている。この事はCo FounderのT.T.とも話していて、現実味のある話になりそうだ。
YEG「僕はMesa Boogieのキャビネットとアンプがあればそれでいい。Tの要塞キットに運搬経費を回さなければならないからな!」

モデリング・アンプの話に戻ると、それを商品として販売するとなれば当然公式の許可がなければブランドのロゴを表示する事はできないが、そのトーンはもはや限りなく本物に近い。その中でも自分の愛用するMesa/BoogieはAmplitubeからもTONEXからも公式モデリングがリリースされている(前者Amplitubeの公式モデリングは開発に3年の歳月をかけたほど)。その公式ならではの完成度は、自分も現場で何度もRectifierをプレイしているのでその再現度の高さは身を持って知っている。同じブランドではあるが、2025年に僕はアンプを「Mk.V」から「Mk.Ⅱ」に移籍した。この年の春にはTONEX Pedalを購入し、レコーディングと同じトーンをスタジオにも持ち込む事ができるようになり、7月からスタートした新曲のリハーサルで早速プレイした。

おかげでレコーディングと同じトーンをスタジオにも持ち込めるようになった
そして、このアンプで最初にレコーディングしたナンバーがこの「Writing Strategy」だった。ローエンドの効いたリフはまさにヘヴィ・メタルであり、その地響きが心地よくてそれだけで同アルバムに収録されている「Tight Your Tension」(ActⅡのトラック 7に収録)というナンバーも書いてしまったほどだ。“サウンドが要”である。そして念の為に言っておくが、これで満足はしていない。いずれ、本物のMk.Ⅱを手に入れる。このタイミングで、ついにリイシューされたからね!
・Writing Strategy
自分は有言実行するという事を証明する
そしてこのページでもうひとつ話しておきたいのは、このタイトルの意味でもある「戦略の執筆」について。それはつまり、「目標を設定する」という事である。我々ミュージシャンが目標設定する事とは何だろうか?曲を創る、アルバムを創る、それをリリースする、プロモーションする、バンド・メンバーを集める、スタジオに入りリハーサルをする、ステージに立ちライヴをすると様々にある。我々のような必ずしも売り上げといった数字には左右されないレーベルには関係ないかもしれないが、企業のように売り上げ目標を数字で挙げる事もある。ソロ・ミュージシャンとしては個人で24時間自由に動く事ができるが、バンドとなるとメンバーと共にスケジュール調整をしなくてはならない。現在自分はこのふたつのスケジュールで動いている(そしてCo FounderのT.T.が2025年から自分と同じフリーランスになり自由に動けるようになったのは本当にありがたい!)。
僕個人の話をさせてもらうと、僕は2冊の手帳を仕事で使用している。

左の黒いモレスキンの手帳は年間プラン用の手帳(毎年自身の名前を刻印してもらっている)。自分の誕生日である10月をスタートに、自分がその年に達成したい、成し遂げたいゴールが記術されている。ミュージシャンとしての活動からエンジニアとしてのスケジュール、クライアントとのスケジュールと様々。そして右側の10代の時から使用しているダイドードリンコ・コーヒーの懸賞で当てたジョン・レノンの手帳(デザインは今はなきジョンレノン・ミュージアムのグッズと同じでYokoさん監修)。こちらは週間単位でのスケジュールが記術されている。年間スケジュールとなると、必ずしもその通りにならない事は日常茶飯事。仕事は自分だけで動いているわけではない。相手のスケジュールによって日程の変更が起こるのは本当によくある事。作品の完成があと数週間~ひと月遅れる事もある。体調不良で仕事に来れない時さえある(僕はここ最近は体調を崩す事はない.丈夫な体に生んでくれた両親、ワークアウトの喜びを教えてくれたバスケットボールに感謝!)。何でも自分の思い通りになるなんてとんだ思い上がりである。だからこそ、そういう時は怒らず考えを柔軟にし、こちらの週間用の手帳にリスケジュールしたものを毎週書き込む。そして、ひとつひとつのゴールを達成していきそれらを赤えんぴつで塗りつぶす。僕は長年このやり方で自分が目標に挙げたゴールを達成してきた。2014年にソロ・ミュージシャンになった時も、2016年にEntertainergyを創立した時も、2018年にエンジニアになった時も...。最近では、ソロ活動を再開してリリースした作品も自分がリリースしたい日程をまず決め、そしてそれまでにレコーディングを終わらせ、ミキシング&マスタリングをし、そのシナリオ通りリリースをした。Entertainergy the Bandのように、他のメンバーの制作ペースによってリリース日がまだ決められない時でも、2024年内にリリースすると手帳に書き込む。こういった自分だけでは決められないスケジュールでも、必ず達成するという気持ちをこめてひとつひとつのスケジュールを年間用と週間用にそれぞれ書き込む。もしもスケジュール通りに達成できなかったらその悔しさを込めてリスケジュールをし、その達成する執念がさらに強くなり必ず成し遂げる。
チーム・ワークではそういった事が何度も起こるが、自分個人のスケジュールは誰にも邪魔はされない。それは個人のレコーディングから読書、映画を観に行くといった事、毎週こうして投稿しているセルフ・ライナー・ノーツの執筆などだ。幸い自分はスケジュールを自由にコントロールする事ができるので、それはつまり言い訳は通用しないという事も意味する。スパイダーマンの有名なセリフにある「大いなる力には大いなる責任がある」とは真実だ。この言葉をアレンジすれば「大いなる自由には大いなる責任がある」という事を僕は身を持って知っている。エンジニアとしては毎回が締め切りとの戦いだ。ミュージシャンとしては、自主レーベルなのだからリリースする日程はアルバムが完成したら決めればいいが、こういった緊張感を持ちたいが為にあえてスケジュールにしてデッド・ラインを決めゴールに向かう。それでも個人の戦いに負けてしまう事もある。僕は完璧な人間ではない。特にこれを執筆している夏には厚さで体力が奪われ、その日にやりたかった事ができなかった日もある。そういう時は無理せず睡眠を取り、起きた瞬間昨日できなかった事を終えるまで全力で仕事に打ち込む。必ずしも、スケジュール通りにする事が正しいわけではない。大切な事は、自分が挙げたゴールを何としてでも成し遂げる事にある。だからスケジュール通りできなかったからといって必要以上に落ち込む事はない。同時に「明日やればいいや」といった言い訳に甘んじてもいけない。できなかった事は翌日以降必ずやり遂げ、自分は有言実行するという事を証明する。
こういった背景から、現在水面下で新しいバンド・メンバーを探しているのだが、格闘ゲームのキャラクターのプロフィールにあるように、「チーム・ワークを重んじ、きちんと連絡ができ、有言実行ができ、自分の信念を持っている、仲間をリスペクトできるメンバーを探しています。音信不通、優柔不断な人はごめんなさい。」と書いてある。Entertainergyに欲しいCastはこれらの事が最低限できる人物だ。誰もがイージーに入れるわけではない。僕の名前はEGMAN(イージーマン)だが、自分でも言うのもなんだがこの点ではストイックだと言っておきたい。でも決して難しい事を言っているとは個人的に思わない。自分のできない事を相手には要求しない。チーム・ワークはEntertainegyそのものである。ボストン・セルティックスのような真のチーム・ワークを求めている。LINEの既読スルーをされて催促する事はない。それぞれその時の事情があると考え、数日以内に返信してくれればいい。だがそれが1週間も過ぎれば話は別だ。優柔不断な人間はどんなジャンルの仕事においても信用を失う。だから音信不通の人間は御免のひと言である。有言実行といっても失敗を許さないと言っているわけではない。
このNoteでも何度も言っているが、失敗とは成功への糧である。だから僕は人の失敗を鬼の首を取ったかのように攻め続けるSNSの仮面アイコンや時に現実世界にもいるそういった者の声に耳を貸すなと言いたい。もしも本当に失敗の持つ価値を知っているのならば、相手を必要以上に否定する事なんてできないと思う。そういう者には「だから君は成功できないんだ。」と言い返せばいい。そういうマウントを取って見下してくる者よりも、有利なのは実はあなただ。真の成功者は挑戦する人を否定するような事はしない。成功する上で失敗とは必要不可欠な事を知っているから。シルベスター・スタローンがロッキーになるまで何回オーディションに落ちたか知っているか?カーネル・サンダーズが後にケンタッキー・フライドチキンとなるレシピの営業で何度断られたか知っているか?ここにバスケットボールの神様、Greatest of All Time(GOAT🐐)マイケル・ジョーダンの言葉を紹介したい。
「私は自身のキャリアの中で9000回以上シュートを外し、300試合敗れ、託されたウィニング・シュートを26回も外した。人生の中で何度も何度も失敗をしてきた。だからこそ私は成功した。」
挑戦した人の勇気にリスペクトを。自分も何度も失敗をしている。だから人の事は言えないし、それを責める権利もない。分からない事があればサポートできる体制がうちのチームではできている。失敗、何度してくれてもいい。その度に何度でもその改善点を学ぼう。ただ、同じ失敗を繰り返していては駄目だ。論語にある通り、「過ちて改めざる、是を過ちという(過ちを改めない、それを過ちという)」。失敗しても何度も挑戦する人はクールだ。一方で、口だけで行動を起こそうとしない人間を僕は好まない。そういう人間と僕は仕事はできない。意識高くて疲れるって?そういった考えへの答えは既に「MUSICIANSPIRIT」のセリフにある。
「叡智を学べ 意識高くて何が悪いのですか? 美学を身に纏え」
そして僕は今年もふたつの手帳に2025年(そして2026年も既に)のゴールを記術している。現在大きなプロジェクトはふたつある。どちらもシナリオ通り、達成させます(2026年加筆:宣言通り有言実行しました)。
皆様も是非この「Writing Strategy ~ 戦略の記術 ~」を使ってあなたのスケジュールをシナリオのように執筆し、ムーヴィー・スターのようにその物語を演じ、自身が挙げたゴールを達成してください。これはその為のナンバーです。こちらのトラックは、Audiostockにて販売中です。
「Soundtrack for Unborn Motion Picture Official Trailer」
「Soundtrack for Unborn Motion Picture Short Movies」
