園芸店接客カルテ#17|肥料をやっているのに育たない謎 ―アンプル剤編―
こんにちは!
園芸店の接客での
小さな心遣いの裏側をお伝えする
「接客カルテ」の第17回です!😆
店頭で接客をしていて
よく出会うお悩みのひとつに
「なんだかうちの植物が
大きくならないのよね…」
というものがあります
これに対して
私が確認するのが
「肥料はあげていますか?」
という問いかけです
すると、お客様は
自信を持って
「ええ、ちゃんと肥料やってますよ!
あの、アンプル剤っていうの?
あれを土に挿してます」
と言われます
補足しよう!
アンプル剤とは
土にさすだけで使える
小さな容器タイプの肥料なのだ
土に触れる必要もなく
水で薄める手間もいらない
いわば「時短アイテム」だぞ😏

今回はそんな
「肥料やってますよ
(ただしアンプル剤)」の
裏側にある真実をお届けします!
脳内で巡る「アンプル剤」の推理
「なるほど!アンプル剤ですか」
と、私は笑顔で返しつつ
脳内では一瞬にして
様々な疑問が駆け巡ります
(鉢の大きさに対して
アンプル剤の数が
足りていないのかな?)
(それとも株が育ちすぎて
アンプル剤だけじゃ
栄養が足りないのか?)
(……待てよ?
そもそもお客様が挿しているのは
『活力剤タイプ』の
アンプルなのでは?)
客様の何気ない一言から
私の頭の中では
勝手に仮説が
いくつも生まれていきます
お客様としては
『土に挿して栄養を
与えているから肥料をやっている』
というご認識なのでしょう
実はここに
行き違いの種が潜んでいるのです
さらに
現場の状況を詳しく
お客様にお話を伺い
わかったことは次の3点でした
✅ベランダにある
✅大きめの鉢植え(7号鉢)の樹木
✅アンプル剤を1本挿している
アンプル剤のことに関しては
「うーん……
中身がなくなってることに
気づいたら挿し直してるんですけど
正直いつやったか
忘れちゃうことも多くて……」
とのこと
挿してる本数も1本のみ
交換タイミングもあいまい
これだけでも
栄養不足の原因として十分ですが
実はもうひとつ
確認しておきたいことがありました
そもそもお客様が
使っているアンプル剤は
どちらのタイプなのか?
という点です
実は
アンプル剤って
大きく分けると
「活力剤タイプ」と
「肥料タイプ」の
2種類があるのです
もし活力剤タイプ
だったとしたら
本数や交換周期を見直す以前に
そもそも「肥料」としての
効果自体があまり期待できない
ことになります…😓
アンプル剤の2つのタイプ
ここで一旦
先ほど触れた2つのタイプを
もう少し詳しく見てみましょう
活力剤タイプ
特徴: ビタミン類や微量要素がメイン
役割: 栄養補助として使うもの
人間でいう「栄養ドリンク」や
「サプリメント」にあたる
あくまで補助的な役割なので
これだけで植物を
大きく成長させるのは難しいです
肥料タイプ
特徴: 植物の三大栄養素
(チッソ・リン・カリ)がメイン
役割: 栄養補給ができるが
効き目は穏やか
人間でいう「食事(軽食)」にあたる
中の液体は低濃度(薄い肥料)なので
植物の種類や大きさによっては
これだけでは
肥料が不足してしまう
可能性があります
アンプル剤の見分け方
アンプル剤には
2種類がありますが
商品名を見ても
実際のところ
見分けにくいのが本音です
たとえば
初めて買うアンプル剤の
商品名の中に
「活力」って文字が
入っていたら
当然これは
活力剤タイプだなと
思いますよね‼️
でも実は
肥料成分が入っているので
「肥料タイプ」だった…
ということもよくあるのです‼
Σ( ̄ロ ̄lll)
つまり
純粋な活力剤タイプと
名前だけの活力剤タイプが
商品として混在してるのです
(´-ω-`)ナントイウコトデショウ
で、それを
見分ける方法としては
商品パッケージをよく読むこと!
側面や裏面も忘れずに!
これしかないです!
細かい字なので
読みにくいのですが
よくよく読んでると
チッソ、リン、カリが
含まれているといった記述
だったり
N:P:K=2:1:1
のような表示が
あったりします
この暗号のようなものは
成分比といって
植物が育つのに必要な
三大栄養素(チッソ(N)
リン(P)・カリ(K))が
どのくらいの割合で
含まれているかを示したもの
です
これらが書かれていれば
肥料成分が含まれている
ということになるので
これは肥料タイプだ!という
一つの判断材料になります
逆に活力剤タイプは
それらの記述がありません
さて、これらを踏まえて
話を戻しますと…
(お客様が使用したのは
どちらのタイプなのだろう?)
そう思った私は
「パッケージに
肥料が入ってるって感じの
記載ってありましたか?」と
お聞きしてみますが、案の定
「入ってそうですけど
そこまでは見てないですね…」
というお返事でした
無理もありません
これは気にしてないと
見落としがちです
つまり結論としては
今使っているアンプル剤が
「肥料タイプ」なのか
「活力剤タイプ」なのか
お客様ご自身も
把握されていない状態
ということです
これは
今回のお客様に
限った話ではなく
多くの方が同じ状況なのではと
推測しています
アンプル剤にも「使用目安」
そしてもうひとつ
アンプル剤にも
使用目安があるということです
◆挿してから2週間に1回が交換の目安
◆4〜5号鉢(直径12〜15cm)
1本が最適サイズ
◆6〜7号鉢(直径18〜21cm)
2本必要
→1本だけだと土全体に
栄養が行き渡りにくくなるため
◆8号鉢以上(直径24cm以上)
3本以上必要
→このサイズになると
コスパが悪くなるので
固形肥料や通常の液体肥料を
メインに使うのが一般的です
このことから
アンプル剤が1本だけでいいのは
なんと!4〜5号鉢という
小さい鉢のときだけになります😣
今回ご相談を受けた
お客様の鉢は7号サイズでした
そこにアンプルを1本だけ
しかも思い出した時に
挿している状態……
となると
土全体に栄養が行き渡らず
大きな木に成長させるには
どうしてもパワー不足に
なっているものと思われます
また今後、植物が成長したら
鉢に毎回アンプルを
3本以上挿し続けることになり
お財布的にも
コストパフォーマンスが
非常に悪くなってしまいます
鉢にアンプル剤が
3本以上も常にささっている状態
っていう見た目のインパクトも
気になります
整理すると見えてきたもの
ここまで
アンプル剤の種類や
見分け方の話が続いたので
一度お客様の状況を
整理してみましょう
✅ベランダにある
✅大きめの鉢植え(7号鉢)の樹木
✅アンプル剤を1本挿している
✅アンプル剤の交換は気づいたとき
✅肥料タイプか活力剤タイプかは
お客様ご自身も把握していない
こうして見ると
栄養不足の要因になりうる点が
いくつも重なっています
【要因①】
鉢の直径は20cmを超える7号鉢で
本来なら2本は必要なサイズです
【要因②】
アンプル剤1本だけでは
土全体に栄養が行き渡りにくく
効果を実感しづらかった
【要因③】
アンプル剤の交換は
気づいてからなので
栄養が途切れていた期間もあった
と考えられる
【要因④】
肥料タイプか活力剤タイプか
よくわからない…
となると
そもそも食事に当たる栄養を
あげていない可能性もありえる
今回の件でお客様に
・アンプル剤のタイプを確認すること
・2週間ごとに交換すること
・鉢の大きさに適した数を挿さないといけないこと
以上の3点をお伝えしたら
「だから大きくならなかったのね」
と、納得していただけたようでした
そして
お客様の『植物を大きくしたい』
というご希望や
鉢のサイズと管理状況を踏まえ
アンプル剤を卒業し
固形肥料や液体肥料を
メインに切り替えることを
おすすめしたのでした
おわりに
「肥料、やってますよ」
その言葉の裏に
今回のケースでは
「アンプル剤を1本挿している」
という行動があったわけですが
本数も
交換タイミングも
そもそものタイプも
曖昧なままに
なっているケースは
他のお客様でも意外とありました(^-^;
土に挿すだけの手軽さが魅力の
アンプル剤だからこそ
「挿していれば安心」で
終わらせないことが大切です
もし実際に
アンプル剤を使う際は
「どっちのタイプか?」
「何本挿してるか?」
「いつ替えたか?」
の3つをぜひ意識してくださいね😊
本日はここまで!
これまでの
「園芸店接客カルテ」を
マガジンにまとめてみました!
気になる方は
ぜひ覗いてみてください(^^)

