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私の始まり



この仕事を始めた理由は、とても現実的でした。

お金が必要だったから。

でも、それだけではありません。

少しだけ、この世界に興味がありました。

世間では「怖い」「汚い」。

そんなイメージを持たれることが多いこの業界。

だからこそ、本当はどんな世界なんだろう。

自分の目で確かめてみたい。

そんな気持ちも、確かにありました。

実際に飛び込んでみると、
想像していた世界とは少し違っていました。

この仕事を利用する理由は、人それぞれ。

誰にも打ち明けられない性癖を抱えている人。

誰かの温もりに触れたくて来る人。

日常では味わえない時間や、
この仕事だからこそ受けられる
おもてなしを求める人。

もちろん、それだけでは語れないくらい
たくさんの理由があります。

一人として同じ人はいませんでした。

だから私は、
目の前のお客様と向き合うたびに
考えるようになりました。

「この人は、何を求めてここへ来たんだろう。」

その答えは、聞いただけでは
分からないこともあります。

だからこそ、会話をして、空気を感じて、
その人を知ろうとする。

その繰り返しが、
私を少しずつ成長させてくれました。

今でも、
自分の接客が一番だとは思っていません。

接客に正解なんて、きっとないからです。

でも、一つだけ大切にしていることがあります。

目の前にいる一人のお客様と、
ちゃんと向き合うこと。

そして、その人にとって
「今日来てよかった」と思える時間を、
一緒につくること。

派手なことはできないかもしれません。

特別な才能があるわけでもありません。

それでも、
一人ひとりとの時間を
大切に積み重ねてきたことだけは、
胸を張って言えます。

この仕事を始めた頃には
想像もしていなかったけれど、

私にとってこの仕事は、
「誰かと向き合う仕事」になっていました。

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