見出し画像

ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第27話)

(第27話)

第4章 ~告白~ 


【中村 徹】side・・・。

オレが、幸せにしてやりたかった‥‥。

数時間前・・──────。

やっとサオリちゃんが、オレの誘いを受けてくれた。
明日の「デート」の準備をしながら、オレはまるで女子高生になった気分で心が躍っていた。
今までこんな気持ちになったことはなかった。
今日こそは、オレの気持ちを彼女に打ち明けようと心に決めていた。

”サオリちゃんの気持ち、考えたことあるのか?”

突然、高校の時の記憶が鮮明に蘇ってきた。
オレと、嘗て親友だったリョウとの会話が。

「お前にやるよ」
「は? 今、何つった?」

オレが問いただしたら、アイツは面倒くさそうな顔をして、こう応えた。

「だからぁ~。お前にくれてやるよ。惚れてんだろ?サオリのこと」

サオリちゃんのこと、「モノ」みたいに言いやがって。
アイツらしくなかった。

「おい、リョウ。本気で言ってるのか?」
「あぁ。はっきり言って足手纏いなんだよ。お前が、アイツを幸せにしてやってくれ」

それだけ言うと、その場を立ち去ろうとした。

「ちょっと待てよ!どういう意味か説明・・・」
「あ〜 面倒くせぇ。じゃ、そういうことで。オレはもう、無理だから」
「何がだ?」

ろくに説明もしないで、ただ「無理」だとか。
なんなんだ。いったい?
無性に腹が立ってきた。

「おい、逃げるなよ。何とか言え!」

殴っても殴ってもアイツは、反撃しなかった。

彼女にはその話、絶対に言えないよな。
もし言ったら、ショック受けるよな?

「デート」当日・・・。

彼女に酒を飲ませたのは、口説く為だった。
飲むペースが速くなってきたから、余り飲ませすぎないようにめさせた。
それにしても、簡単にオレの部屋に誘い込んだぜ。
こんなに危機意識がないなんて、ね。

「リョウと会ってる?」

口説く前に、確認しておきたかった。
彼女は、無言で首を振った。

「ふぅ~ん」

”ほら。やっぱりね。
一年以上も疎遠ソエンになってるってことは、「オレ」でいいのか?”

オレは、ブツブツと小声で呟いた。

**********

「気付かなかった?」

彼女が、まだ理解してない様子だったから、探りを入れる為に聞いてみた。

「オレがどんな気持ちでいたのか、全然分かってなかったでしょ?」

こう言った瞬間、漸く彼女が分かりやすく反応した。

この鈍感ちゃんも、やっと気付いたか。
でもまっ、今更気付いても・・・もう、遅いけど。

「リョウは、もう戻って来ないよ!」

部屋から出て行こうとした彼女を引き止めて、オレは背中から抱き締めた。
そして、上手くオレのベッドに誘い込んだ。
彼女は、目をウツろな状態にして・・・。
それが妙に色っぽかった。

か、可愛い・・・。
今まで、どんな女にも感じたことがなかった感情が湧いてきた。
初めて、女性を「愛おしい」って思った。

「リョウとは別れたんだろ? だったら、・・いいよね?」

やれる!

「やさしくするから‥‥」

堕とす自信はあったんだ。
途中までは上手くやれていた。
もう少しで落ちそうだったのに。
ユウコが訪ねて来るまでは。

「何か用かよ?」
「お楽しみ中のようね」
「今日の相手は本命なんだ」
「『本命』って、あんたまさか・・・」
「分かったんなら、邪魔しないでくれよな」

オレは、強引にユウコを部屋から追いだした。

そもそも、何でこんなことになった?
失敗した? このオレが?

サオリちゃんのところに戻ってきたら、彼女は怯えていた。
邪魔が入ったせいで、オレは冷静さを保つことが出来なくなった。
オレが、絶対に彼女を幸せにしたかった‥‥。

”オレが、幸せにしてやりたかった‥‥”

オレは、ユウコと一緒にサオリちゃんが出て行った玄関先を見つめながら、そう呟いていた。

**********

【中村 徹】side・・・。

サオリちゃんに嫌な思いをさせていたなら、今すぐにでも詫びを入れないと・・・。
だが、オレは行動に移せなかった。なぜなら‥‥。

「あんたから目を離したら、すぐサオリのところに行くでしょ?」

そう言ってユウコが、オレのところに見張りまで付けて来やがったからだ。
学校の中と寝る時間以外は、常にオレの周囲に、監視の目が光らせていた。

今日は、3月6日か・・・。確か「看護学校の卒業式」のはずだ。
外には、ユウコが付けた見張り役がいるに違いない。
さて・・・どうやって抜け出そうか?

オレは、学校の講義室でシバし、考えていた。
刻一刻と、時間が流れていった。
よしっ!こうなったら、「一か八か」だ。

オレは、誰にも見られないように、そ~っと講義室から出た。
そして、一目散に花屋へ向かった。

「花」の名前なんて詳しくないから、目の前にある「花」を適当に選んだ。

校門の前で待ち構えていると、彼女の姿が見えた。

オレは、驚いた顔をしている彼女の前に花束を差し出した。

「卒業、おめでとう」
「え?トオルくん・・・?」
「この前は、ごめん!もう、あんなことはしないから。これ、受け取って!」

オレは、彼女に結婚を申し込むかの勢いで花束を差し出した。

「やっぱり、ここにいた。トオル、何してんの?」
「げっ!ユ、ユウコ・・・」
「よくも、アタシの監視の目を逃れられたわね?」
「オレは・・ただ ”謝罪”と”祝い”の花を渡そうとしただけだよ」

するとユウコはオレの言葉をシカトしやがった。

「サオリ!絶対に受け取ったらダメよ!」

そう言って、彼女を連れて行ってしまった。

どうすっかな~?
れ。

オレは、受け取ってもらえなかった花をしばらく見つめていた。そして・・・。

プライドをめちゃくちゃに傷つけられたオレは、面識がない女子に花束を渡した。
「卒業、おめでとう」
そして、ダーッと走り去った。

これじゃ、まるで「純情少年」みたいじゃねえか。
オレ、かっこワル~。

最初から読む☟

#創作大賞2024 #恋愛小説部門

いいなと思ったら応援しよう!