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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第18話)

(第18話)

第2章 ~記憶・・・・・・~ 


心の中で、そう言い聞かせていたそのとき‥────。

「サオリちゃ~ん!」って、後ろから誰かが追いかけてきた。
振り向くと、ユニフォーム姿のトオルくんだった。

サッカーの練習してたのかな・・・。
どうしたんだろう‥‥‥?

「”ロードワーク”に行ってくるって言って、抜けてきた」
「え?・・・でも、トオルくん1人だけなの?」

てっきり、他の部員も走って来るだろうって思ってた。
でも、辺りを見回しても、トオルくんと同じ部員の人はいなかった。

「サオリちゃんこそ、1人で帰ったら危ないよ」
「だ 大丈夫よ・・・ みんな帰ってるし」

さりげなく普通に振る舞ったつもりだった。

するとトオルくんは、少し怒ったような顔を見せた。

「ダメダメ!サオリちゃんは1回、襲われてんだから」
「トオルくん。もうホントに、大丈夫だから」

そう言ったけど、トオルくんは中々その場を立ち去ろうとせず、「まだ近くに“共犯者“がいるかもしれない」って、私の側から離れようとしなかった。
そうして、私の家の近くまで来ると、「じゃぁね」って言って、ものすごい勢いで走り去って行った。

もしかして、サオリをここまで送るためだけに追いかけてきたの?

翌日───・・・。

「サオリちゃん、一緒に帰ろ」

校門を出て1人で歩いていたら、トオルくんに声をかけられた。
今日は、ユニフォーム姿のトオルくんじゃなくて、学生服を着ていた。

「あれ?トオルくん、今日は練習お休みなの?」
「あぁ~ 練習ね。いいの、いいの。オレが休んだって大したことないし。”あの部”は」
「でも、もうすぐ”大会”があるんじゃないの?」
「そんなこと、サオリちゃんが心配しなくても大丈夫だよ」

今まで何回聞いたんだろう。
トオルくんの「大丈夫」っていう言葉は、何だか無理しているような気がしてならなかった。

「そうだ。クリスマスプレゼントにサオリちゃんからもらったバッグ嬉しかったよ。部活の時、ちょうど良いサイズだし、気に入って毎日持ち歩いてるよ」
「ほんと?気に入ってくれて良かった」

トオルくんのはリョウちゃんのと色違いで、ブラックのリュックサックをあげたんだよね。
やっぱりトオルくんには、この色が似合ってる・・・。
持っててくれて嬉しい‥‥‥。

そう思ったのも束の間‥──────。

「サオリちゃんも、オレがあげた“キーホルダー“ちゃんとつけててね」

そうだ。
忘れてた。

トオルくんからもらった“ウサギ”のキーホルダー、家に置いたままだっけ。

「う、うん・・・! 今度、つけてくるね」

心の中の感情をトオルくんに気付かれないように、何とかその場を誤魔化した。

ごめんね。
トオルくん‥‥‥。

**********

次の日も、また次の日もトオルくんは、毎日私を家まで送ってくれた。
そして私たちは、高校3年生になった。

「おはよ、サオリちゃん」
「あ、トオルくん。おはよ・・・」
「大丈夫?」

新しいクラスになってから、毎日トオルくんが声を掛けてくる。
トオルくんの「大丈夫?」っていう声掛けも、いつの間にか日常的な挨拶になっていた。

1ヶ月前・・────。

新学期の初日、学校の掲示板に張り出された真新しいクラスメートの名簿を見ていたとき、トオルくんに声を掛けられた。

「わぁ~い(笑 サオリちゃん!オレまた同じクラスだよ」
「え? トオルくんと同じクラス?ホントに⁉︎」

急いでリョウちゃんの名前を探した。

だけど・・・・・・。
リョウちゃんの名前は、違うクラスのところへ入っていた。

「リョウとは、離れちゃったね」

心の内をトオルくんに読まれちゃった・・・?
トオルくんが心配そうな顔をして訊いて来た。

「・・・・大丈夫?」
「ぅ、うん。全然平気!」

精一杯、明るく応えたつもりだったけど。

あの日から、トオルくん・・・。
気を遣って毎日話しかけてくる。

リョウちゃんとは、クラスが別々になってからは、次第に顔を合わせることがなくなっていた。
そんなある日・・──────。

「今日は、お昼どこで食べようかな?」って迷っていたら、トオルくんを取り巻くファンの女子たちの声が聞こえた。

「ねぇ、トオルくぅ~ん。あたしのも食べてよぉ~」
「ちょっと!待って。あたしの方が先だからね!」
「はい、はい。みんな平等にね」

何人かの女子たちが、トオルくんとお弁当の「分け合いっこ」をしていた。

トオルくん、お昼時になると、教室からいなくなるって思ってたけど、いつもここで食べてたのね。

それにしても・・・・・・。
よくもまぁ、あれだけの量を食べきれるものだ。

**********

トオルくんとの帰り道でのお喋りはまだ続いていた。
でもそれは、「健全なお付き合いとして」ではなくて、他の生徒たちには見られないように隠れて会っていた。

「女子と2人で帰るの他の女子に見られたらマズイから、外で待ち合わせしよ。オレ、“アイドル“だから」

・・・なんて言って、トオルくんと一緒に帰るときは、いつも「”学校の外で待ち合わせ”」ということになっていた。

いつの間にか、それが普通の生活の一部になっていた。
リョウちゃんとは、クラスが離れてからは1度も顔を合わせることがなくなった。

そんなある日、私は思い切って胸の内をトオルくんに打ち明けてみる。

「ねぇ、トオルくん。リョウちゃん、学校来てるよね?」
「来ていると思うけど・・・ 何で?」

久しぶりにリョウちゃんの名前を口にしたら、じわりと涙が溢れてきた。

「裂けられてる・・・のか・・な?」

すると、トオルくんは真剣な顔つきをして、何やら考え込んでいる様子を見せた。

「う~ん・・・」
「どうしたの?トオルくん」
「そういや オレも。最近、あいつに会ってない・・・」
「え? トオルくんも?」

トオルくんにも、会ってないってどういうこと?
あの日からだよねぇ。
リョウちゃんが急に余所余所しくなって・・・・。
今考えたら少し様子が変だったのかも・・・。

「オレ、何か怒らせるようなことしたかな?」

2人でいろいろ考えてみたけど、思いつく節が全くない。

「ユウコとは会ってるのかな?」
「アイツとは同じクラスメートだろ」

そう。
ユウコとリョウちゃんは、同じクラスになっていた。

リョウちゃんの様子を見ているはずだけど、何も言わない。
ユウコとは普通に会話してるのかな?

別の日の朝、この日は”偶々タマタマ”早い時間帯に学校へ行った。
そして、偶然に聞いてしまった。その声は、サッカー部のグラウンドからだった。

「お前、最近 タルんでるぞ。1、2年生に示しがつかなくなるぞ」

誰だろう?
男子生徒がお説教されてる・・・?

聞くつもりはなかったけど、思わず立ち聞きしてしまった。

「”女の子”と帰っているっていうウワサがあるようだが・・・?」

それを聞いて、すぐに自分のことだと分かってしまった。
サッカー部の顧問の先生は、トオルくんに向かって言っていた。

「まさかぁ。それ、オレじゃないっすよ。人違いですよぉ」

トオルくんは、一生懸命に誤魔化そうとしていたけど、もうこれ以上は”迷惑”かけられないね。

その日は、何も言わずに1人で帰った。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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