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ボーイフレンド💛~友情から恋へ発展していく物語~(第22話)

(第22話)

第3章 ~成人式で再会~ 


1992年1 月15日。

会場では、「成人式」の式典をやる為、成人を迎えた多くの若者が集まっていた。
高校卒業以来、一度も会ってなかったっていう同級生たちもいて、それぞれ懐かしい再会を楽しんでいた。

あの日以来、リョウちゃんやトオルくん、ユウコとも疎遠になっていた。

「サオリぃ~!」

聞き覚えのある大きな声で、自分の名を呼ぶ晴れ着姿の女の人が、こっちへ向かって手を振っている。

ユウコだった。
ユウコは、長かった髪をバッサリ切って、ショートにしていた。
茶色かった髪の毛も、黒髪に染めてて、大分イメージが変わってた。

「サオリ!久しぶり。元気にしてた?」
いつもと変わらない笑顔にホッとした。

「うん!元気だよ」
私も、明るく応えた。

「どう? アタシの晴れ着姿」

ユウコは、見せびらかすようにポーズをとった。

「可愛い〜。すっごく似合ってる」
本当ホント?」

ユウコは、よっぽど嬉しかったらしく。
「もう1回 言って」って、私にねだった。

「うん! すっごく可愛いよ」

お世辞ではなく、心の底からそう思っていた。
ユウコが身に付けているのは、真っ青な濃いブルーの振り袖に、青い蝶リボンと黒髪がピッタリ合っていた。
その髪飾りにどこか見覚えがあった。

「これ、私が高校の時にプレゼントしたものだ」
「え? 分かる? サオリからもらったものと合わそうと思ってね。パパにおねだりして買ってもらったんだよね~」

自分の振り袖を指さして、嬉しそうに応えた。

すっかり上機嫌になったユウコは、振り袖が手元に辿り着くまでの経緯をペラペラと喋り出す。
その満面の笑顔を見て、「気に入ってくれて良かった」って、嬉しくなった。

「あれから、”彼”とは連絡とってるの?」
「え?」

ユウコが、何の前触れもなくいきなり質問してきたので、誰のことか”ピン”と来なくて、思わず聞き返してしまった。

「もぅ、サオリ! リョウくんよ!」
「あぁ~・・・」

忘れてた。
そういえば、卒業式以来、ずっと会ってなかったんだった。
今、この会場の中にいるんだよね。
どうしよう。

「今日がチャンスよ!サオリ」
「え~ でも・・・ こんな格好で会うの恥ずかしいよ」

それに、まだ心の準備が・・・・・・。

「こんな時会わないで、いつ会うの?」

ユウコはそう言うと、グイグイと成人を迎えた男性の群れへと引っ張って行った。

リョウちゃんとトオルくんには、この会場で久しぶりに再会する。
2人は、スーツ姿でお喋りをしていた。
その姿を見たとき、心の底からホッとした。
仲直り出来たんだぁ。良かった。

2人の目の前まで来ると、「サオリ 連れてきたわよ」って、私の隣りに並んだユウコが言った。

「見てよ。アタシたちの晴れ姿。綺麗でしょ?」
ユウコが、私の横で自慢げに言ったけど。

「ユウコ。恥ずかしいよ」
私は恥ずかしくて、彼等の顔を真面マトモに見れないのに。

最初、機嫌が良かったユウコも2人の様子を見て、すぐに不機嫌になる。
「あんた達。今 サオリばっかし見てたでしょ?」

え・・・?

目が合いそうになったときリョウちゃんは、反射的にそっぽを向いた。

照れてるの‥‥‥?

「そりゃまぁ・・・ サオリちゃんは、うん、確かに綺麗だ。なっ!リョウ」
トオルくんが、側にいるリョウちゃんを肘で突っつく。

「え? あぁ ・・・そうだな」
リョウちゃんは、トオルくんに急に話を持って来られてどうしていいか分からず、「右目の横」辺りを”ポリポリ”と掻いて照れ隠しした。

すると、ユウコは自分が注目されなかったことが面白くなかったらしく、険しい表情に変わる。
「トオル。『サオリちゃんは』って何?」

「ユ ユウコも綺麗だよ。なっ!トオル」
リョウちゃんは、ユウコの怒りを鎮めようとして慌てて言い直したけど、余計ヨケイユウコを怒らせる。

「お宅ら、もう少し大人の対応出来ない訳?」
「ん?『ら』って、オレ。オレも?」

「そうゆう言い回し、レディに対して失礼じゃなくて?『は』って何?」
もう一度ユウコは、トオルくんに訊いた。

「何処がレディだよ。お前なんか、サオリちゃんに比べたら月とスッポン、いや・・兎と虎だね」
トオルくんは、態とユウコを怒らせる台詞を吐いた。

・・・かと思ったら、気を利かせたつもりなのか、リョウちゃんの肩に”ポン”って、手を置いて小声で”頑張れよ”と呟くと、そのまま走って行ってしまった。

「アイツぅ~~ 今日こそは、ぶん殴ってきてやるわ」
怒りが頂点に達したユウコは、トオルの後を追って行く。

「久しぶり、・・・だね」
「え?うん。・・・だね」

リョウちゃんから先に声を掛けて来て、久しぶりに会話を交わした。

「あの2人 変わってないよな」

リョウちゃんは、トオルくんとユウコが喧嘩している方を見て言った。

「トオルくんと仲直りしたんだね」
「うん。今さっき 仲直りした」

私の問いかけに、リョウちゃんは優しく応えてくれた。

成人式の式典が終わると、私たち4人で記念写真を撮った。

トオルくんは大学生。ユウコは家の家業を継ぐつもりらしくて
大学に通いながら、社長秘書をやってるらしい。

リョウちゃんの現在イマの仕事はカメラマン。
やっぱ、写真屋でアルバイトをしているだけあって撮るのが上手い。
絶妙なタイミングで、カメラのシャッターを切ってくる。
でも、みんなの写真ばかり撮って、自分は一枚も撮ろうとしない。

それに気づいたユウコが、
「リョウくんも、みんなの写真ばかり撮ってないで、一緒に入ってよ」
って、リョウちゃんを手招きして、一緒に写真を撮ろうって言い出した。

最初、「オレはいい」って遠慮がちだったリョウちゃんも、ユウコの強引な誘いに負けて、私とリョウちゃんのツーショット写真を撮ってもらった。
最後の一枚は、私たち4人で記念写真を撮って解散した。

家までの道のりをリョウちゃんと二人っきりで歩く。
そういう私たちを周りの大人たちが注目して見てる。
どんな風に見られているんだろう?
いつも歩いている道も、今日は違う景色に見えていた。

最初、リョウちゃんは、タクシーで帰るつもりだったらしいけど、私が「歩いて帰りたい」って言ったら、文句も言わずに言うとおりにしてくれた。
高校生の頃みたいに、手は繋がなかったけど、ちゃんと私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれた。
久しぶりに会えたんだし、少しでも長く一緒にいたかった。
だけど、残酷にもすぐ時間が来てしまった。

ウチに寄ってく?」
私の家の前まで辿り着いた時、リョウちゃんに聞いたら、意外にも彼の反応は。

「いや。いい。今日は、ゆっくり休んで」
って、私を気遣うような優しい言葉を掛けられた。

そして、「じゃあな」って言うと自分の家に帰って行った。

「うん! またね」
私はそう返事して、リョウちゃんの後ろ姿を見送った。

あれ?
いつもの彼だったら、すぐ寄ってくはずなのに。
大人になったのかな?

まぁ、いいか。
「またね」っていうことは、またすぐに会えるんだよね。

って、そのときは軽い気持ちでそう思っていた。
けど、次に彼と会ったのは、成人式から二週間後のことだった。

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#創作大賞2024 #恋愛小説部門

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